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『情報処理2012年12月号別刷「《特集》「電子書籍の未来」』(情報処理学会 刊)より

このページは、『情報処理2012年12月号別刷「《特集》「電子書籍の未来」』(情報処理学会 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・文化庁「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議に係るまとめ」

※参考:文化庁の「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議 議 報告」PDFへ


・そもそも出版業界自体、出版、印刷、製本、流通、販売の各プロセスにおいて高度な分業が進んでおり、その結果、出版社自身に製造や流通、小売の体制やノウハウが蓄積されていない。

※植村 八潮 氏談

・出版デジタル機構(中略)

4つの支援策

機構のサービスは主に4つある。

1つは「制作支援」である。(中略)「販売促進支援」としては、各出版社を横断するセールス・プロモーションがある。(中略)さらに「配信支援」として、全電子書店へのコンテンツ配信を一括で取り扱うことで販売データを管理し、「管理支援」として、各社に共通した収益配分の統合システムを検討している。

※植村 八潮 氏談

・(※出版デジタル)機構はBtoBモデルであり、BtoCは行なわない。つまり、直接、電子書籍を読者へ販売しない。販売は電子書店各社の競争領域であり、どの電子書店と販売契約するかは、各出版社の判断である。

※植村 八潮 氏談

・米出版界の3つのトレンド(中略)

(1)本格化したディジタルシフト
(2)(専用)端末戦争の終焉
(3)急拡大する自己出版

※林 智彦 氏談 朝日新聞社


・「カニバリズム」の意味

人口にカニバリズムといっても、その効果については、いくつかのシナリオが考えられる。1つは電子書籍が出版という産業カテゴリを破壊し、出版市場が縮小してしまうケース(縮小仮説)、もう1つは、電子書籍が既存の出版産業を構成してきた特定のフォーマットやビジネスモデルを破壊するが、そのことにより、あるいは並行して新たな出版の可能性が開かれ、出版市場全体は現状維持か、むしろ拡大するシナリオ(拡大仮説)だ。

※林 智彦 氏談 朝日新聞社


・すなわち、紙でも電子でもベストセラー入りする「スーパースター(superstars)」書籍については、電子書籍による紙の書籍のカニバリゼーションは起きやすい。他方、絵本のような、カラー、グラフィック、直線的に読みにくい内容のため、電子書籍では扱いにくい「紙が好まれる(print preferred)」書籍では、電子書籍は売れないのでカニバリゼーションは起きない。

※林 智彦 氏談 朝日新聞社


・古い紙版書籍の電子書籍版が刊行されることで、その古い紙版書籍の売上も向上する、と論じている。

※林 智彦 氏談 朝日新聞社


・self publishingは「自主出版」とも訳される。従来、紙の書籍では、「自費出版」があったが、電子書籍やPOD=プリント・オン・デマンドにおけるself publishingでは刊行・配信自体には初期費用を必要としない場合が一般的なため、「自己出版」「自主出版」と訳す方が適当だと考えられる。

※林 智彦 氏談 朝日新聞社

・林 智彦 hayashi-t@asahi.com

朝日新聞社デジタル事業本部ビジネス企画開発セクション。1993年早大政経学部政治学科卒業、2007年英国立リーズ大学大学院修士課程修了(国際研究修士)。


・EPUB3で最も大事なのは、以下の3つの理念だと筆者は考える。

理念1:Webと電子書籍のシナジーを追求する
理念2:世界中の言語・文化を扱う
理念3:アクセシビリティのための特殊なものを作るのではなく、普通のものをアクセシブルにする

※村田 真 氏談


●『情報処理2012年12月号別刷「《特集》「電子書籍の未来」 』より
33ページ
出版社: 情報処理学会 (2012年11月発売)
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