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尾原 史和 氏 書籍『逆行』(ミシマ社 刊)より

このページは、書籍『逆行』(尾原 史和 著、ミシマ社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・本をデザインするときにはまず紙や製本などの仕様を決定する必要がある。それは建築でいくところの構造の関係に近い。一冊の本をつくるというのは建物をつくることと近い。


紙を決めるときも、コート系の紙を使った場合はよりシャープさが増し、ダル系にすればそれよりもニュアンスが出てくる。それによって読んでいる人の気持ちはどういう感情になるのか、それを手にした触感はどういう感覚を得るのか。ということを理解して作るべきで必ず見本を作って検証する必要がある。


・人というのは不思議なことに読みづらいほうが、読み込む場合もあるものだ。そういう心理の裏をつくようなものを盛り込んで「なんか変な本出たよ」というのを出す。批判が出てもいい。賛否両論が複雑に絡みあったものは、それだけ真似ることが難しく、オンリーワンのものになれる。


・あれ?誰が逆に置いたんだよ。直さないと。よいしょっと。あれれ?今度が帯がハチマキみたいに逆さまになったよ。そっか、帯が変なのか。でも合ってるなぁ~?んん~、どういうことよ?

※参考:その書籍の装丁がこの本
書籍『アマチュア論。』(勢古 浩爾 著、ミシマ社)
http://www.amazon.co.jp/dp/490390802X/


・デザインとは何かを考えてみる。(中略)

結論から言うと、物語を作り上げることがデザインをするという行為なんだ。(中略)まず、デザインするということはその対象が、どうすればベストな答えなのかを考えることが基本となる。

たとえば、一枚のポスターを作るとする。まず考えることはその対象となるものを「わかりやすく」伝えるためにはどうすればいいのか。

この次に考えることは、その対象の「世界観」をどういうふうに感じさせるか。その世界観を伝えるためには、どういう表現がいいのか。それは文字を中心として伝えたほうがいいのか、それとも写真か、もしくはイラストなのか。どの方法が一番伝わりやすいのか、ということを考えること。


・いまのデザインは本質的な部分に向かってないものが圧倒的に多い。単にその商品の良さを素直に伝えるのではなく、他のまったく違うアイデアを持ってきて、その商品を持ち上げようとしていることが多い。あとは、その商品を過剰に良く見せるために煽りまくっているデザイン。


・本作りは、いかにその世界を作れるかがカギだ。本を読みふけって、その世界に入っていって、現実じゃない感覚になっていくのは本にしかできない素敵な体験だ。


●書籍『逆行』より
尾原 史和 (オハラ フミカズ) 著
ミシマ社 (2011年1月初版)
※amazonで詳細を見る