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橘とも子 氏 書籍『トラウマティック・ブレイン』(SCICUS 刊)より

このページは、書籍『トラウマティック・ブレイン』(橘とも子 著、SCICUS 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・高次脳機能障害とは、欧米とでいう認知機能障害に相当する障害です。つまり、空間や対象を認知する機能とか、あるいは言語・記憶といった「人間ならではの備わっている高次の脳」の機能障害。原因としてよく知られているのは、脳卒中や外傷性脳損傷などです。


・「事故さえなければ・・・」などと「思う自分」も「思われる自分」も認めたくありませんでした。だから「どんな結末になろうと、自分の人生は『自分らしく』あらねばならない。私の人生は『私らしい』人生でなければならない」。そう思って必死に「最初に一歩」を踏み出しました。


それが結果的に、「再出発後の人生におけるベクトル」、つまり第二の人生における姿勢(方向性)と勢い(速度)を決定することになりました。


『「できないこと」を「できること(=残存機能)」で補えだろうか?』
『どうすれば、私らしい生き方ができるだろうか?』


・見えない障害を持つ者は、何がしかの「できないこと」と付き合い続けている。(中略)見えないことは、他人にとって、きっとたいしたことじゃなかったのだろう。「自覚」と「他覚」の大きな乖離。


・『・・・できなくなった自分を・・・思い知らさせるだけ・・・。それって・・・惨めだよね・・・そんなの・・・。耐えられるのかなぁ?』


でも、そのうち『・・・だけど・・・いつかはどこかで、・・・惨めな思い・・・しなきゃいけないんだよね・・・?・・・それなら、先送りしてもしょうがないか・・・』と直観的に考えました。


・『・・・結局、私の人生がどんな人生になろうと、・・・それは「私の」問題だよね。他の誰の問題でもなく・・・。自分の人生は、自分で何とかするしかないんだよね・・・。迷っていたって新しい人生に生まれ変われるわけじゃないし・・・。自分は自分以外の何者もでないんだから、新しい条件設定で人生を再プロデュースすればいいだけだよね・・・。』


・『事故さえなければ、私は○○だったのに・・・。△△のはずだったのに・・・』などと「思う自分」には、なりたくありませんでした。また、そんなことを考えていると他人から「思われる自分」にも、なるのはまっぴらごめんだと思いました。


・無意識に勉強は、「覚える」ではなくて「考えを巡らす・思索する・彽徊する」という感じで進めていったら、「コツ」というか「攻略法」が次第につかめるようになってきました。


・どんなふううに、「覚える」ではなく「考える」で対処していたか?

その後の医学部での勉強を含めて、私が何か物事を習得しようとする時は、「教わる」というより、「活字資料や講義を題材にして『考える』ことをしていたと思います。」(中略)


『・・・(テキストなどの活字を見ながら)これが○○だったら、・・・これは△△になるはずだよね・・・、そうだったら※※は、きっと、××だってことになるよね・・・、(中略)』


・「何もできないね」と人から言われて悲しくなっても、一晩寝ると『・・・そんなことはない。それなら何でもやってみせるよ』と思ってしまうのが、私の悪い癖なのでしょう。


・加害者側の弁護士S氏は、おそらくそれらの事情をほとんど全部承知のうえで、いえ、むしろ逆手にとる形で、加害者側に悪知恵を授けていたのではないかと思います。(中略)


被害者親子にとって事故は、まさに「30数年間、終わっていなかった。早く終わらせたくても、終わりにさせてもらえなかった。終わりにしてしまうこともできなかった」のです。


・「理解させる社会」に至るまでには、このように5つのプロセスがあると思います。

①理解しようとしない
 ↓
②理解しようとする(でも、まだ理解されてはいない)
 ↓
③理解しようとしている
 ↓
④理解しようとしている人が増える
 ↓
⑤理解させる社会になる


●書籍『トラウマティック・ブレイン~高次脳機能障害と生きる奇跡の医師の物語』より
橘とも子 著
SCICUS (2013年7月初版)
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