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竹永 大 氏 書籍『わかる!使える!契約書の基本』(PHP研究所 刊)より

このページは、書籍『わかる!使える!契約書の基本』(竹永 大 著、PHP研究所 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「言ったいわない」「話が違う」を未然に防ぐ!


・覚書も立派な契約書(中略)

契約書と覚書は単にタイトルの違いでしかありません。覚書も立派な契約書なのです。


・債権ってなに?債務ってなに?(中略)

債務について説明します。たとえばある業者が商品を誰かに、期日を決めて「一万円で売る」という契約をしたとします。するとその業者には「期日までに商品を引き渡す」という義務が生まれることになります。この義務こそ、契約における業者にとっての債務です。(中略)


ようするに債務とは、契約した相手方に対してある特定の行為をしなければならない義務のことです(何かを「しない」という義務もあります。たとえば「ここに車を停めてはいけない」という決まりは、車を停めるとうう行為を「しない」債務ということです。(中略))


では債権とは何かというと、これは債務の裏返しのことです。たとえば、業者が商品を引き渡す債務を負っているとき、商品を購入した側はこの契約により「引き渡してもらえる」という権利、すなわり債権を持ったことになります。また、代金を支払う債務の相手側、この場合の業者は「代金を支払ってください」と言える権利を持ったことになります。これがこの業者にとっての契約上の債権になります。


・契約書で大切なことは、その取引から得られる目的を明確にすることで、そのための債権債務の確認作業なのです。


・「毎月一〇〇個購入するから、送料は負担してもらえませんか?」という要求や交渉は頻繁に起こります。では、この要求に応じていると、どうなるでしょうか?(中略)


無制限に受け入れてしまうと、もし相手が「今月は納入月を三回に分けて、指定日に納入してください。送料はそちらの負担でしたよね」と言ってきた場合、送料は三回分に増え、管理コストも増えてしまいます。


・金銭に関する契約の重要なポイント(中略)

たとえば「六月一日にお金を返す」という契約をしたとすると、逆に「六月一日まではお金を返さなくてよい」ということにもなります。つまり、六月一日と決めた以上は、債権者の都合で「やっぱり五月三〇日に返してくれない?」とは言えないのです。


・会社と従業員との約束は?(中略)

従業員に必ず「書面」で明示するようにと定めています。書店といっても、必ずしも雇用契約書という名前の契約書を交わさなければならないということではありません。労働条件通知書や、就業規則を手渡すといった対応で代用できます。


・著作権がわかりにくい理由の一つは「著作権とが著作物にはたらく権利」であると規定されているため、そもそも何が著作物で、何がそうでないかが判別できなければならないからです。


・著作権契約とは?(中略)

たとえば、ある業者に、お金を払ってイラストを作成してもらったとします。この場合、依頼主は当然自分に著作権があるのだろうというような錯覚をします。しかし、依頼主は必然的に著作権者になるわけではありません。


・著作権契約とは?(中略)

著作権法の規定によって、単に「著作権を譲渡します(あげます)」と言っただけでは、その著作物を翻訳したり、さらに変更を加えて利用する(翻訳・翻案等)権利までは譲渡されていないものと判断されます。そこで、それらの権利も含めて契約書に著作権の譲渡を規定する場合は「著作権法第二七条および第二八条の権利も含めて譲渡します」と、このように書くべきだということも、知っておいてください。


・ライセンス契約で気をつけなければならないことは、どの範囲まで利用可能かについて契約でル-ルを定めておくべき(中略)利用可能な範囲に関しても、契約であらかじめ決めておく必要があるでしょう。


・ビジネス契約書のタイトルには、ほとんどル-ルがありません。そのため、タイトルは「契約書」としてあるだけでもまったく問題ありません。さらに「覚書」「合意書」「念書」「契約書」といったタイトルでも、有効性や拘束力は全く変わりません。


・契印(けいいん)とは?(中略)

契約書が二ページ以上の複数枚になったとき、ページの見開き部分にまたがって押すハンコです。これは「契約書が途中で抜き取られたり、差し替えられたりしていません」という意味を表すためのハンコになります。


・割印(わりいん)とは?(中略)

契約書等の書類で、正本と副本の二通を用意したようなときに、その二つの間にまたがって押されます。つまり割印は、二枚以上にわたる書類に関連性があるか。またはそれらがもともとは同じものであることを表します。


・印紙は貼るの? どうやって金額を決めるの?(中略)

印紙税額を調べるのに一番手っ取り早い方法は、税務署に電話して聞いてみることです。(中略)あらかじめ自分で印紙税額を調べておきたい方は、国税庁のホームページが便利です。(中略)


国税庁ホームページ 平成21年10月 印紙税の手引き
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/tebiki/01.htm


・用語は具体的に定義してから用いてください。(中略)たとえば「知的財産権はA社にある」「所有権はB社にある」「企業秘密を守ること」という例(中略)実はそれぞれ非常に広い概念であり、これだけでは十分に具体的な規定とはいえません。たとえば「知的財産権」だけでは、何についての知的財産権かはっきりしていません(ロゴマークの商標権なのか、企画段階の書類の著作権なのか、アイデアの特許やその他の権利なのか?)。


・説明不足に気をつける(中略)

「努力する」「協力する」「支援する」「報告する」といった用語も、意味はわかりますが具体的とはいえません。「販売促進に関するコンサルティングをします」という表現も、実際にコンサルティングを提供する側と、受ける側とで定義や考え方が大きく違っていたら大変です。


・契約書速読術(中略)

多くの契約書は、前半部分、中盤部分、終盤部分(そして最後を締めくくる結びの部分)と、大きく三段構成をとっています。(中略)


最初は取引の目的や概念の紹介から入ります。どのような契約で、これからどういう取引がはじまるのか、という説明部分です。(中略)


中盤に入ると(中略)取引の条件がいろいろと現れてきます。この(中略)部分からは、注意深く読み進めてください。条件に間違いはないか、危険な条文がないかを注意深く見ていきます。(中略)


終盤へ読み進んでいくと、(中略)ここでは禁止事項や、契約が解除になった場合のことなど(中略)


このような契約書の構成をつかめば、その箇所ごとに目的を持って読むことができます。


・契約書速読術(中略)

取引内容についての事前情報を知りたければ、前半部分から読み進めます。そして、ある程度取引内容については知っているが、取引条件や相手の意図を知りたいというのであれば、中盤を読み込めばよいというようにです。


・契約書速読術(中略)

中盤で義務と条件を読み取る(中略)

中盤では、「商品提供やサービスの受注」「納品方法」「支払いの方法やその条件」といった、いわば業務フローが展開されています。その契約特有の具体的な情報がどんどん出てくるはずです。


・契約条件は、曖昧な理解にとどめず、不利な条件や無駄な条文がないかよく確認する必要があります。


・契約書速読術(中略)

終盤では解除、禁止を見極める


・なぜ契約書には甲という字がたくさんあるの?(中略)

頻出する当事者の名前は、長いと読みにくいからです。甲や乙で代用することd、え文面を短くしているわけです。


・たとえば「背信的行為があったとき」とあれば「もしも背信行為をしたら」という意味です(この「とき」を「時」と漢字で書いてしまうと、背信行的行為があったまさに「その瞬間」とか「その時間に」という意味になってしまって、仮定とは少し違ってしまうので注意が必要です)。


・「瑕疵(かし)担保責任」の意味(中略)契約書を読むにあたっては「欠陥」のことと考えておけばほぼ間違いありません。「瑕疵がある」とは「欠陥がある」ということです。「契約当初に期待していた通りの結果が得られないですよ」という意味になります。


・管轄の合意には、二種類あります。一つは、付加的合意といい、上記の例でいうと大阪でも東京でも、いずれかに訴えられるという意味の合意です。もう一つは、あくまでも合意した裁判所のみで訴えを提訴する専属的合意です。


・以下の基本書籍はダウンロードできます。詳細は238頁を参照。


●書籍『わかる!使える!契約書の基本』より
竹永 大 著
PHP研究所 (2010年3月初版)
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