FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 佐々木 豊文 氏 書籍『速読の科学~脳の「読書回路」を解明する』(光文社 刊)より

佐々木 豊文 氏 書籍『速読の科学~脳の「読書回路」を解明する』(光文社 刊)より

このページは、書籍『速読の科学~脳の「読書回路」を解明する』(佐々木 豊文 著、光文社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・速読するとき、正確に理解するためには、文字を一字一句順を追って飛ばさずに見ていかなければならない。速読とは、そのうえで、一分間に一万字以上読めることだ。


・日本人の平均的読書速度は、一分間に五〇〇字から七〇〇字といわれる。


・いちばん多いクセは、実際に声には出さなくても、心の中で音を出して読むクセ(この本でいう「音声化」)である。(中略)このクセがあるために、読む速さが遅くなっている(中略)


速読法はこのように、最初は自分の読書行動のクセがどんなものなのかを知ることから始める。


・企業研修で速読を教えている。(中略)企業の担当者と話していくうちに、能力開発を目指していることがわかってきた。実際、研修後のアンケートを見ても、集中力がついたとか仕事が速くなったという感想が多いのである。私たち速読を教えている側に求められているのは、たんに速く読むことだけではないのであった。


・アメリカ式速読法が見いだした、読書をしているときの目の動きをまとめておこう。

●停留・・・・・・停止とジャンピングの繰り返しのうち、停止のほうを停留と呼んでいる。(中略)

●飛越運動・・・・・・一つの停留で文字を読みとると、目はつぎの停留へとジャンプする。その運動が飛越(ジャンピング)である。(中略)

●行間運動・・・・・・停留と飛越を繰りかえして行の下まで行きつくと、つぎの行に移る行間運動が行われる。(中略)

●逆行運動・・・・・・読んでいる内容とは別のことを考えたり、わからない漢字や言葉に出合ったとき、前に戻って再度確認しようとする動き。集中力が欠けているときにも現れやすい。


・読書中は目が動いていない時間のほうがはるかに長いのである。


・ふつうの人の読書では、停留、飛越、逆行がある。それらをなるべく少なくして、読書スピードを上げようというのが、古典的速読法である。


・部分読みや拾い読みでは、速読とはいえない


・文字を速く読めるようになったら、つぎに、その速度に応じた理解能力を開発しなければならない。つまり「速読脳」の開発だ。文字を順に高速で見る能力がないのに、高速で理解する能力を発達させることはできないのである。


・ふつうの人が読書をしているときは、(a)ののように停留と飛越を繰りかえすが、科学的速読法を習得すると(b)のようになる。信号の「ある道路と高速道路との違いに等しい。


一方、「科学的速読法」を修得した人の読み方は、止まることなく一定に動き続けている。つまり、一本の線のように動く。


・「読書書字中枢」は、左脳の後ろ側にある。聴覚野の後ろ


・意識と無意識、意識できる量は一〇〇ビット、無意識では一〇〇〇万ビット。左脳と右脳の扱う情報処理量は一対一〇万という大きな差があり、それだけ右脳の無意識の世界は大きいことが示された。


・速読の熟達者はイメージ脳である右脳を最大限に活用していることが、私たちの実験で明らかになっている。(中略)これを言いかえると、「文字→イメージ」の一連の変換が脳で迅速に処理されれば、理解は速い。つまり、外界から受けとった情報を素早く処理できるのである。そのためにはどうしたらいいだろう。


まず第一に、神経細胞がつぎの神経細胞に情報を伝達するのに要する時間を短くすること。第二に、不必要な神経回路を飛ばすような回路ができること。つまり迂回しているような回路があれば、直接関与する神経回路を結ぶ短い回路が新たに作られること。第三に、神経の伝達距離が短くなること、などが考えられる。


・速読では一語一語の意味を取るという感覚はなく、書かれているあるイメージを瞬時に受けとりながら読んでいる(中略)文字を見ているというよりイメージを見ており、その流れが頭の中に浮かんでくる、というのが速読の熟達者たちの感想である。


・速読の熟達者でも、あえて頭の中で声に出す読み方をすると、文字を読もうとする意識が強くなり、言語中枢を活性化してしまうことになる。


・ほとんどの人は、心の中で音読しないと、読んだものを理解できたようには感じられないと思っている。それが速読を通して脳の内部の処理過程を見てみると、音声化するよりは音声化しないほうがよく理解しているといえるのだ。(中略)わかったときは、あるまとまったイメージをつかむことができるから。


・日本人の平均的読書速度は、一分間に五〇〇~七〇〇字程度といわれている。これはだいたい高校生以上に当てはまる数字である。


・障害行動を除こう(中略)

自分のクセとつぎに列挙した障害行動とを比べて、チェックしてみてほしい。

①心の中で文字を音声化して読んでいる(中略)

②頭を動かしながら読む(中略)視点といっしょに頭も縦書きのときは上下に、横書きのときは左右に(中略)

③黙読で舌や唇が動く(中略)

④小さな声を出して読む(中略)

⑤本や身体を動かしながら読んでいる・・・・・・貧乏ゆすりをしたり、組んだ足を振ったり(中略)

⑥下あごを動かしながら読む(中略)

⑦指や鉛筆などで文字をなぞりながら読む


・「速読脳」を開発するための(中略)ポイント(中略)

(1)正しい読書姿勢、(2)障害行動の除き方、(3)緊張を除き気持ちを落ち着けるための心構えと丹田呼吸、(4)集中力を開発するための心構えと基本訓練、(5)眼球の柔軟運動、(6)カウントトレーニング、そして「速読眼」を開発するのにつながる、(7)訓練Aと、(8)訓練Bだ。


・刑事コロンボ・シリーズの『カリブ海殺人事件』(中略)

テレビとの間に、決定的な差があったのだ。それはテレビの画面から送られてくる絵には、匂いもないし味もないということだ。その点、文章を通して浮かび上がった画面では、カリブ海のエメラルドグリーンの海の色が潮の香とともに迫ってきた。コロンボのよれよれのレインコートからは、ムンムンした汗の臭いが立ちのぼっていたし、殺人者である歯科医の回すドリルの音も、不気味に耳に響いた


・速読というのは自分の内的世界の情報をつかむ手段になっているというのが、私の速読に対するもう一方の解釈なのである。


●書籍『速読の科学~脳の「読書回路」を解明する』より
佐々木 豊文 著
光文社 (1995年4月初版)
※amazonで詳細を見る