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小笠原 信之 氏 書籍『伝わる! 文章力が豊かになる本』(高橋書店 刊)より

このページは、書籍『伝わる! 文章力が豊かになる本』(小笠原 信之 著、高橋書店 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・日本語は日常生活に必要とさせる語彙量が、多言語に比べて圧倒的に多いのです。国立国語研究所が1994年1年間に発行させた雑誌70種について使われた言葉を調べたところ、異なり語数が6万語に上っていました。


・豊富な語彙プラス多様な表記法が日本語の大きな特徴であり、これらをうまく使いこなしてこそ、豊かな表現が実現するのです。


・実は類義語の多さも日本語の一大特徴で、それらをさまざまな文脈の中で適切に使い分けてこそ、豊かな表現が可能になります。


・安易な謳い文句よりも実態に即した表現を(中略)

人物がらみでは一時、「達人」「鉄人」「天才」「鬼才」などの表現が流行りました。これらに安易に乗らず、「素晴らしい使い手」「強靭な体力の持主」「親譲りの才に恵まれ」「常人離れした」など、実態に即してきちんと表現すれば、文章は生き生きし、説得力も増すはずです。


・テレビ番組は過剰表現のオンパレード(中略)

「家族で絶対行きたい!!進化する○○○○」「ハプニング一挙大放送」「秘蔵の映像」「戦慄!」「衝撃!」「客総立ち」「最強」「白熱のトークバトル!」「絶品グルメ」などなど。(中略)


それでいて、最初の「○○○○」が実は「回転寿司」なのですから、何と言葉が粗末に扱われていとかと驚きます。


・信憑性のある文にする

思い込みの強さを消す(中略)

「ものだ」という表現は、ある事態や物事に対する判断を、書き手個人のものとしてではなく、それが「当然だ」「常識だ」「ふつうだ」という意味の一般論として示す表現です。(中略)


しかしそれは筆者個人の体験や判断でしかありません。それを、世の中の人は皆そう感じているはずだと決めつけています。


・名詞を動詞に、形容詞を副詞にすると、やわらかくなる(中略)

 かたい文                やわらかい文

連日の (名詞+の)         続いた (動詞)
爆発的(な) (形容詞)        爆発的に(副詞)
需要をもたらした (「猛暑」が主語)  ~売れた (主語は「冷房機器」)


・述語に感情語が出てきたら、主観文と思え(中略)

主観的か客観的かを端的に示すのは、最後の述語です。そこに感情や感覚をストレートに表す言葉を用いられていれば、主観的な文の可能性が高いのです。具体的には、喜怒哀楽(うれしい、悲しい、楽しいなど)、愛憎・好悪(愛おしい、憎たらしい、好きだ、嫌いだなど)、価値判断(よい、悪い、きれい、きたないなど)、決意・要望(がんばります、~したいなど)などが、筆者自身の思いとして使われている場合です。客観文を書く場合、こんな表現がないか重点的にチェックしましょう。


・「話す」は「放す」と同語源で「声に出してものを言う」という意味です。


・手法を表す言葉


手段・・・・・・「方法」よりやや改まった感じ。具体的なことに用いるケースが多い。(中略)


やり方・・・・・・「方法」「手段」より改まらない平易な表現(中略)


仕方・・・・・・「方法」と同義の平易版(中略)

手立て・・・・・・「方法」「手段」と同義のほかに「策略」の意味もある。(中略)

手・・・・・・「方法」「手段」よりも平易で会話的な表現。(中略)

流儀・・・・・・独特のやり方。技能、芸術などで人、流派などの方法を指す。


・方法を表すカタカナ語(中略)


「ハウツー」「ノウハウ」「マナー」


「ハウツー」は物事のやり方やつくり方を指します。

「ノウハウ」はハウツーよりも少し専門的なニュアンスが出て来、技術的知識・情報や、コツといった意味で使われています。「業務提携先の会社にノウハウを提供する」といった具合です。

「マナー」は行儀・作法など、社会的な決まりとして定型化されたものを指します。


・思いつきを表す言葉

発案・・・・・・新しく考え出すこと。最初に考えることえを指し、立案の前段階(中略)


立案・・・・・・案を立てること。発案した案の具体的計画を工夫すること。(中略)


考案・・・・・・工夫をして新しい方法や商品を考え出すこと。(中略)


着想・・・・・・物事の計画や方法に関する工夫や考え。「発想」よりも具体的。(中略)


アイディア・・・・・・「思いつき」ほど気まぐれでなく、「着想」ほど練っていない考え。(中略)


思いつき・・・・・・瞬間的に頭にひらめいた考え。いい加減な考えも指す。


・漢字ももとの意味を使い分けて、金銭を表す(中略)


●料(枡で米を量る→あてがい/代金):給料/料金/送料/有料/手数料


●代(目印→代わりになるもの):代金/飲み代/飲食代/足代/お代


●賃(働きに応じた謝礼):運賃/船賃/家賃/賃金/駄賃


●費(金を出すこと):経費/出費/浪費/人件費/光熱費/旅費/学費


●価(物の値打ち):時価/市価/売価/特価/定価/物価


●金(お金):金額/貯金/税金/募金/資本金/見舞金


●値(売買の額):売り値/高値/言い値/値引き/底値


●額(たか/分量の意→金銭の量):額面/定額/全額/多額/少額/半額/被害額


●銭(貨幣):悪銭/小銭/古銭/賽銭(さいせん)


・使える言葉 名詞編 (中略)

※効果

効果:あの一手がうまい効果を挙げた。(よい効き目。望ましい結果)
効き目:著しい効き目があった。(作用が期待通りに効いたしるし)
効:作戦が見事に功を奏した。(効き目。しるし)
効能:この温泉は神経痛に効能がある。(薬などによりよい作用)
効用:お酒にはさまざまな効用がある。(プラスの作用、効き目、用途)
効力:この契約はもう効力を失っている。(効果を発揮できる力)
実効:今求められているのは、実効ある施策だ。(実際の効力)


・程度を表す言葉(中略)

   普通

    ↓

 まあ まあまあ


 比較的 わりあい わりに わりと わりかた わりかし


 まずまず


 かなり だいぶ なかなか けっこう 相当に おおかた


 ずいぶん

   ↓

   非常に


・割合別に見た「だいたい」であるさま(中略)

全体の6~7割

 だいたい(大体)


7割

 たいてい(大抵)
 たいがい(大概)
 おおよそ・およそ
 おおむね(概ね)


7~8割

 おおかた(大方)
 あらかた(粗方)
 概して
 ほぼ


9割

 ほとんど
 総じて
 おしなべて


・「刻」「日」「年」を用いた表現(中略)

刻には「刻々」「刻一刻」「時々刻々」、日には「日に日に」「日一日」「日増しに」「逐日(ちくじつ)」、年には「年々」「年一年」「逐年」などがあります。


・副詞や名詞に「~さ」はつかない(中略)

●彼の仕事のゆっくりさにいらだつ。(「ゆっくり」は名詞)
●南国ののんびりさが、私の波長に合った。(「のんびり」は副詞)
●この子のしっかりさが頼もしい。(「しっかり」は副詞)
●彼の緊張さが見ていて痛々しかった。(「緊張」は名詞)


・身体の一部を使った慣用句

※頭・髪・顔・・・・・・・・・・・・・・・・・

頭打ち (中略)
頭が痛い (中略)
頭が固い (中略)
頭が切れる  (中略)
頭が下がる (中略)
頭を抱える (中略)
頭を切り換える (中略)
頭を出す (中略)
頭をもたげる (中略)


後ろ髪を引かれる (中略)


顔役 (中略)
顔が売れる (中略)
顔に泥を塗る (中略)
顔を曇らせる (中略)
顔を立てる (中略)
顔から火が出る (中略)
顔向けできない (中略)


※目・・・・・・・・・・・・・・・・・

目のつく所 (中略)
目が利く (中略)
目が肥える (中略)
目が届く (中略)
目が回る (中略)
目に余る (中略)
目を疑う (中略)
目を奪う (中略)
目を覆う (中略)
目を輝かす (中略)
目を凝らす (中略)
目をつぶる (中略)
目を光らす (中略)
目を見張る (中略)
目をむく (中略)
目から鱗が落ちる (中略)
目先を変える (中略)
目に見えて (中略)
目端が利く (中略)
目星をつける (中略)
目もくれない (中略)


※鼻・耳・・・・・・・・・・・・・・・・・

鼻が利く (中略)
鼻にかける (中略)
鼻につく (中略)
鼻を折る (中略)
鼻息が荒い (中略)
鼻であしらう (中略)


耳学問 (中略)
耳が痛い (中略)
耳が早い (中略)
耳を疑う (中略)
耳を貸す (中略)
耳をくすぐる (中略)
耳をそろえる (中略)


※口・唇・歯・舌・・・・・・・・・・・・・・・・・

口が重い (中略)
口が過ぎる (中略)
口を滑らす (中略)
口を添える (中略)
口をそろえる (中略)
口を濁す (中略)
口車に乗る (中略)


唇をかむ (中略)


歯が浮く (中略)


舌先三寸 (中略)
舌が回る (中略)
舌を出す (中略)
舌を巻く (中略)
舌の根の乾かぬうち (中略)


※首・肩・胸・・・・・・・・・・・・・・・・・

首をすくめる (中略)
首を長くする (中略)


肩が軽くなる (中略)
肩にかかる (中略)
肩を怒らす (中略)
肩を入れる (中略)
肩を落とす (中略)
肩を貸す (中略)
肩を持つ (中略)
肩透かしを食う (中略)


胸が踊る (中略)
胸がすく (中略)
胸が塞がる (中略)
胸に納める (中略)
胸に聞く (中略)
胸に刻む (中略)
胸を借りる (中略)


※腕・手・指・・・・・・・・・・・・・・・・・

腕利き (中略)
腕が立つ (中略)
腕が鳴る (中略)
腕に覚えがある (中略)
腕を買う (中略)
腕を振るう (中略)


手が空く (中略)
手がかかる (中略)
手に余る (中略)
手を入れる (中略)
手を染める (中略)
手を尽くす (中略)
手を回す (中略)
手を焼く (中略)
手を煩わす (中略)


指をくわえる (中略)
指折りの (中略)


※腹・腰・尻・・・・・・・・・・・・・・・・・

腹が据わる (中略)
腹に据えかねる (中略)
腹を割る (中略)


腰が砕ける (中略)
腰が強い (中略)
腰が低い (中略)
腰を入れる (中略)
腰を折る (中略)


尻に火がつく (中略)


※ひざ・足・・・・・・・・・・・・・・・・・

ひざを打つ (中略)
ひざを屈する (中略)
ひざを詰める (中略)
ひざを乗り出す (中略)
ひざを交える (中略)


足が出る (中略)
足が速い (中略)
足をすくう (中略)
挙げ足を取る (中略)
足元に火がつく (中略)
足元に明るいうち (中略)
足元を見る (中略)
勇み足 (中略)
浮き足立つ (中略)
二の足を踏む (中略)


※身・・・・・・・・・・・・・・・・・

身を入れる (中略)
身に余る (中略)
身につまされる (中略)
身を粉にする (中略)
身を立てる (中略)
身も蓋もない (中略)


※その他・・・・・・・・・・・・・・・・・

肌が合わない (中略)


骨を埋める (中略)
骨を折る (中略)
骨を惜しむ (中略)
骨抜きにする (中略)
骨身を削る (中略)


爪に火をともす (中略)


血を吐く思い (中略)
血の巡りが悪い (中略)
血眼になる (中略)
血道になる (中略)
血道を上げる (中略)


息がかかる (中略)
息が切れる (中略)
息を継ぐ (中略)
息を呑む (中略)
息を吹き返す


●書籍『伝わる! 文章力が豊かになる本』より
小笠原 信之 著
高橋書店 (2012年1月初版)
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