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茂木 誠 氏 書籍『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社 刊)より

このページは、書籍『経済は世界史から学べ!』(茂木 誠 著、ダイヤモンド社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「1ドル=360円」の固定相場制が戦後の世界貿易を活性化させ、特に敗戦国である日本と西ドイツの経済復興を支えました。両国は経済復興後も、通貨である日本円と西独マルクが安いレートで固定されていたので、日本製品、西ドイツ製品はドル換算では超安値となり、アメリカ市場に大量に輸出されます。


・ヘッジファンドとは、資産家や銀行・証券会社から資金を預かって、株式・債券・土地・商品などに投資を行い、リターンを確保する投資集団です。第二次世界大戦直後に生まれましたが、世界経済に影響を与えるようになるのは1980年代からです。


・TPP交渉の論点の1つが米の輸入自由化の是非ですが、すでに輸入が自由化された品目もあります。牛肉とオレンジです。それでは、日本の畜産農家、ミカン農家は崩壊したのでしょうか。(中略)


日本人に合うかどうかという味覚の問題や、農薬などの食の安全性の問題から、国産牛肉やミカンは消費者に支持され、壊滅することはなかったのです。


・古代バビロニアのハンムラビ法典(前18世紀)には、楔形(くさびがた)文字でこう記してあります。「商人が穀物1クールに対し60クーの利息を超過してとったときは、彼が与えた(賃与した)ものを失う」


国家が、利子の上限を定めた最古の規定です。


・金融業者として活躍した民族として、フェニキア人、ユダヤ人、ソグド人、アルメニア人、客家がいます。いずれも、強大な異民族の支配を長く続けた少数民族です。そのため課税対象になりやすい固定資産(土地や建物)ではなく、持ち逃げできる金融資産(貴金属)を蓄え、これを異民族に貸して、利子をとることで利益を上げました。


・世界初の「株式会社」は、オランダで生まれた(中略)

オランダ東インド会社を設立しました(1602年)。この会社がユニークだったのは、出資者(株主)を設立メンバーの貿易商人に限るのではなく、広く一般から募ったことです。株主には株券を発行し、利益が上がれば配当金を分配する代わりに、リスクも出資金額の分だけ株主に負担してもらうという有限責任のシステムです。(中略)

日本初のヨーロッパ的な商社としては、幕末に長崎で起業した坂本竜馬の亀山社中が有名です(1864年)。なお、亀山社中の出資者は薩摩藩であり、株券は発行していないので株式会社とはいえません。日本最初の株式会社は、明示初年の第一国立銀行(1872年)です。


・哲学者タレースは、「哲学なんて何の役に立つのか」と人々に嘲笑されたあと、天文の知識を使って翌年のオリーブが豊作になることを予測し、オリーブ圧搾機を契約時の価格で借り受ける権利を買い占めました。


翌年、オリーブが豊作になって圧縮機が高騰すると、タレースは契約時の安価で圧縮機を借り、これを人々に高値でまた貸して巨利を得ました。紀元前5世紀。世界最古の投資の例でしょう。


タレースの方法は、現代では「先物取引」とか、「オプション取引」とか呼ばれる方法です。


・日本経済の「失われた20年」を引き起こしたのは、1989年株価暴落に始まるバブル崩壊でした。同じ現象が、オランダのチューリップ・バブル、イギリスの南海バブル事件、そして1929年の世界恐慌でも起こったのです。


・財政とは、政府の収入と支出のことです。収入(主に税収)と支出(公共事業や軍事)にアンバランスが出ることを財政赤字(財政不均衝)といいます。


・5万石(中略)1石は1年間に人間1人が食べる米の量で、小判(金貨)1両に換算できます。5万石の藩なら5万人の人口を養うことができるはず


●書籍『経済は世界史から学べ!』より
茂木 誠 著
ダイヤモンド社 (2013年11月初版)
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