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P.F.ドラッカー 氏 書籍『ドラッカー名著集1 経営者の条件』(ダイヤモンド社 刊)より

このページは、書籍『ドラッカー名著集1 経営者の条件』(P.F.ドラッカー 著、ダイヤモンド社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・組織は存在することが目的ではない。種の永続が成功ではない。その点が動物とは違う。組織は社会の機関である。外の環境に対する貢献が目的である。しかるに組織が成長するほど、特に成功するほど、組織に働く者の関心、努力、能力は組織の中のことで占領され、外に世界における本来の任務と成果を忘れていく。


・時間を記録する、整理する、まとめるの三段階にわたるプロセスが、成果をあげるための時間管理の基本となる。成果をあげる者は、時間が制約条件であることを知っている。あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは最も欠乏した資源である。それが時間である。


・時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない。


・貢献に焦点を合わせることが、仕事の内容、水準、影響力において、あるいは上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告の利用において成果をあげる鍵である。


・「ところで、あなたは何をされていますか」と尋ねることにしている。ほとんどの者が「経理部長です」「販売の責任者です」と答える。時には、「部下が八五〇人います」と答える。「他の経営管理者たちが正しい決定を下せるよう情報を提供しています」「客が将来必要とする製品を考えています」「社長が行うことになる意思決定について考え、準備しています」などと答える者はきわめて稀だという。


・なすべき貢献には、いつくかの種類がある。あらゆる組織がが三つの領域における成果を必要とする。すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成である。これらすべてにおいて成果をあげなければ、組織はやがて死ぬ。


・優れた人事は人の強みを生かす、弱みからは何も生まれない。結果を生むには利用できるかぎりの強み、すなわち、同僚の強み、上司の強み、自らの強みを動員しなければならない。強みこそが機会である。強みを生かすことは組織に特有の機能である。


・大きな強みをもつ者はほとんど常に大きな弱みをもつ。山あるところに谷がある。しかもあらゆる分野で強みをもつ人はいない。人の知識、経験、能力の全領域からすれば、偉大な天才も落第生である。申し分のない人などありえない。


・鉄鋼王アンドリューカーネギーが自らの墓碑銘に刻ませた「おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」との言葉ほど大きな自慢はない。これほど成果をあげるための優れた処方箋はない。


・人に成果をあげさせるには、「自分とうまくいっているか」を考えてはならない。「いかなる貢献ができるか」を考えなければならない。特に人事では一つの重要な分野における卓越性を求めなければならない。


・業績は、貢献や成果という客観基準によって評価しなければならない。しかしそれは、仕事を非属人的に規定し構築して初めて可能となる。さもなければ、「何が正しいか」ではなく「誰が正しいか」を重視するようになる。人事も「秀でた仕事をする可能性」ではなく、「好きは人間は誰か」「好ましいか」によって決定するようになる。


・「何もさせてくれない」という言葉は、惰性のままに動くための言い訳ではないかと疑わなければならない。もちろん、誰も何らかの厳しい制約の中にいる。しかし、たとえ実際に何らかの制約があったとしても、することのできる適切かつ意味のあることはあるはずである。


・何よりも成果をあげるエグゼクティブは、自分自身であろうとする。ほかの誰かであろうとはしない。自らの仕事ぶりと成果を見て、自らのパターンを知ろうとする。「ほかの人に難しいが自分には簡単にやれることは何か」を考える。


・成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから初め、しかも一度に一つのことしかしない。集中が必要なのは仕事の本質と人の本質による。


・優先順位の決定には、いくつかの重要な原則がある。(中略)第一に、過去ではなく未来を選ぶ。第二に、問題ではなく機会に焦点に合わせる。第三に、横並びではなく独自性をもつ。第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。


・(1)問題の多くは原則についての決定を通してのみ解決できることを認識していた。
(2)問題への答えが満たすべき必要条件を明確にした。
(3)決定を受け入れられやすくするための妥協を考慮する前に、正しい答えすなわち必要条件を満足させる答えを検討した。
(4)決定に基づく行動を決定そのものの中に組み込んでいた。
(5)決定の適切さを検証するためにフィールドバックを行った。

これらが、成果をあげるうえで必要とさせる意思決定の五つのステップである。


・必要条件を明確にする(中略)

必要条件は、「この問題を解決するために最低限必要なことは何か」を考え抜くことによって明らかとなる。


・決定を行動に移すには、「誰がこの意思決定を知らなければならないか」「いかなる行動が必要か」「誰が行動をとるか」「その行動はいかなるものであるべきか」を問う必要がある。特に最初と最後の問いが忘れられることが多い。そのためひどい結果を招くことがある。


・フィールドバックを行う

最後に、決定の基礎となった仮定を現実に照らして継続的に検証していくために、決定そのものの中にフィールドバックを講じておかなければならない。決定を行うのは人である。人は間違いを犯す。最善を尽くしたとしても必ずしも最高の決定を行えるわけではない、最善の決定といえども間違っている可能性はある。そのうえ大きな成果をあげた決定もやがて陳腐化する。


・意見の不一致は、三つの理由から必要である。

第一に、組織の囚人になることを防ぐからである。あらゆる者が、決定を行う者から何かを得ようとしている。特別なものを欲し、善意のもとに都合のよい決定をしてもらおうとする。(中略)


第二に、選択肢を与えるからである。いかに慎重に考え抜いても、選択肢のない決定は向こうみずなばくちである。決定には常に間違う危険が伴う。(中略)


第三は、想像力を刺激するからである。問題を解決するには想像力は必要ないとの説がある。だがそれは数字の世界だけである。


・成果をあげる者は意図的に意見の不一致をつくりあげる。そうすることによって、もっともらしい間違っている意見や不完全な意見によってだまされることを防ぐ、選択を行い、決定を行えるようにする。


・成果をあげる人は、何よりもまず問題の理解に関心をもつ。誰が正しく誰が間違っているかなど問題ではない。


・成果をあげるための第一のステップは作業的な段階である。すなわち時間が何に使われているかを記録することである。(中略)第二のステップは、貢献に焦点を合わせることである。(中略)エグゼクティブは自らがそこにいる理由である貢献について徹底的に考えなければならない。


●書籍『ドラッカー名著集1 経営者の条件』より
P.F.ドラッカー 著
ダイヤモンド社 (2006年11月初版)
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