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佐久 協 氏 書籍『『論語』 2011年5月 孔子は「白熱教室」の先生だ!』(NHK出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『『論語』 2011年5月 孔子は「白熱教室」の先生だ!』(佐久 協 著、NHK出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・『論語』というのは、今をさかのぼること二千五百年ほど前、中国の春秋という時代を生きた「孔子」の言葉を集めた“語録”です。


・『論語』(中略)皆さんはこの本を、ものすごい大長編だと思っているんじゃないですか? でも、そんなことはないんです。収載されている章句の数は五百強くらいで、短いものはたった五文字。長くても三百字超。全部で一万三千余字。四百字詰めの原稿用紙にきっちり詰めて書いたら、三十数枚にしかならない。三十数枚といったら短編小説程度の長さ。


・「力足らざる者は中道(ちゅうどう)にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり」(中略)

(力が足りないのなら、やるだけやって途中で倒れればよい。やりもしない前から「できません」と言うのは、自分で自分を見限っている証拠じゃないかね)


・人間の成長を阻害しがちなものが三つあります。何かというと、「金持ちになりたい(金銭欲)」、「偉くなりたい(出世欲)」、「有名になりたい(名誉欲)」という三つの欲望です。人呼んで、これを“三つのタイ病”という。


・そもそも、お金を稼ぐというのは、食べるとか、何かを買うとかの目的のためにする手段であって、金を稼ぐこと自体が目的になったらおかしいでしょう。


出世というのも、企業や社会で何ごとかを成し遂げたいから求めるものであって、出世それ自体が目的になったんじゃ本末転倒でしょう。


有名になりたいというのも、同じこと。人が讃える何かを成し遂げた結果として有名になるのであって、有名になりたいために目立つことなら何でもやるというのは単なる売名行為でしょう。


・自分を大切にできてこそ、初めてまわりの人間も大切にできるのです。自分を愛せない人間は、他人も愛せません。


・私は人をわけもなくほめたり、けなしたりしませんよ。ほめる時はほめるべき理由を指摘してほめる。そうすれば、あとは古代の純朴な人びとと同じように、自分たちでまっすぐに伸びていくもんだよ


・「性、相い近し。習えば、相い遠し」(中略)

(人間は生まれつきで大差はないが、その後の学習によって差がつくんだ。だから、教育は大切なんだよ)


・知識をいくら詰め込んでも、自分で考える力がないとだめだな。逆に、自分の頭だけで考えていればいいかというと、そうでもない。外からの知識も取り入れないと、独断に陥ってしまうからね(中略)


すなわち思考力をどうやって身につけるか、という点です。


・中庸のすすめ(中略)

人間は知恵がつくほど虚無的になったり、世の中をシニカル(冷笑的)に見るようになったりします。とくに現代人は、物事を冷ややかに見るのが理性的であり知的であると思い違いをしている面がある。(中略)


そこで、どうすれのがいいのか(中略)知性と感性のバランスだったのだ、とワタシは考えています。


・リーダーには、九つの心得があるよ。一、的確に見る。二、誤りなく聞く。三、表情を穏やかに保つ。四、立ち居ふるまいに品を保つ。五、言葉をたがえない。六、仕事に敬意を払う。七、疑問があったらきちんと訊ねる。八、見境なく怒らない。九、道義に反した利益の追求をしない


・ボランティアというと、欧米産の最近の思想と思うでしょう? ところがどっこいう、二千五百年も前に孔子はこう言っているのです。(中略)


(自分が出世したければ、出世したと思っている者の手助けをすることだ。成功したければ、成功を求める者の手助けをすることだ)


・まれに誤解している人がいるので念のために言うと、儒教というのは宗教ではありません。孔子が訴えていたのは、この世をよりよく生きるための現世的な心構えであって、信じる者は救われるとか、教祖に触れると病気が治るとか、そういうものじゃない。


・逆境に燃える(中略)

知のある者は迷わない。仁のある者は不安がらない。勇気ある者は恐れない。知、仁、勇、この三つを身につければ、鬼に金棒じゃよ


・四十歳は難しい。成功している者はしているし、ダメな者はまだ暗中模索だ。自分の才能に対する自負もある。私も迷ったよ。だから、自分の迷いに惑わされないように気を引き締めるべき年齢だね。


五十歳になれな、どんな者でも自分の能力や運を冷静に見つめられるようになるものさ。また、社会における自分の役割もおのずと見えてくる。だから、それに合わせて励むといい。実りの季節だよ。


●書籍『『論語』 2011年5月 孔子は「白熱教室」の先生だ! (100分 de 名著)』より
佐久 協 著
NHK出版 (2011/4/25)
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