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書籍『トイレが近い人の読む本―頻尿の原因と治療』(本間 之夫 編集、メディカルレビュー社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『トイレが近い人の読む本―頻尿の原因と治療』(本間 之夫 編集、メディカルレビュー社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・腎臓は、ちょうどウエストのあたりに位置しています。背骨を挟んで左右に1つずつありますが、それぞれの大きさは握りこぶしほどで、そら豆のような形をしています。腎臓のおもな役割は、血液の成分や量がいつも同じような状態に保たれているよう、バランスを取ることです。そのために、腎臓は絶えず血液が送り込まれてきます。1分間に腎臓に送り込まれる血液の量は約1リットル、1日にすると、なんと約1・5トンにもなります。腎臓は、これだけに血液をろ過し、使える成分と使えない成分に仕分けします。


・腎臓が1日に濾過する血液の、わずか1000分の1にすぎません。


・膀胱に100~200ミリリットルほどの尿がたまると、「そろそろトイレに行きたいな」という意識が生まれます。このとき、不快感はなく、まだしばらくトイレを我慢することができます。


・おおよそ、30秒以内に200~300ミリリットルの尿が出て、排出は終わります。(中略)1日に排出される尿の量は、合計して1~1・5リットルほどになります。


・日中のトイレの回数は、4~7回程度がふつうですから、おおよその目安として、日中8回以上トイレに通うようであれば昼間頻尿の疑いがあり、10回以上なら確かに昼間頻尿であるといえるでしょう。


・過活動膀胱(中略)

抗コリン薬で症状は改善します。


・中高年の夜間頻尿、といえば、前立腺肥大症、と思われがちです。ですが、前立腺肥大症と糖尿病での排出トラブルは非常に似ており、原因をよく見極める必要があります。


・頻尿という症状から膀胱がんや前立腺がんが発見させることことは決して少なくありません。特に高齢の男性では要注意です。膀胱がんは膀胱炎、前立腺がんは前立腺肥大症と同じような症状がみられるだけに、油断はできません。


・実は、尿を出すには膀胱ががんばるのではなく、尿道をゆるんでくれることが大切なのです。尿へ決して無理に押し出すものではありません。


・泌尿器科学会の会員は約8千名で、泌尿器科だけを専門としている(つまり皮膚科や内科と一緒ではない)現役医師は約5千名くらいです。すると、国民2万人に1人くらいにしかなりません。


・泌尿器科には3つの特徴があります。

1つは外科としての特徴です。ガンや結石の手術などが中心となります。これを泌尿器科外科としましょう。

2つは男性固有の問題を扱うという特徴です。たとえば性機能の障害です。これを男性科としましょう。

そして3つめが排尿科とでもなるのでしょうか。(中略)尿や便が漏れないことを意味(中略)従来の泌尿器科の枠を超え、婦人科や排便の問題も含めて、いわゆるオシモの問題を広く扱います。


・過活動膀胱が引き起こさせる背景には、脳や脊髄など、排尿をコントロールしている神経系のトラブルがあると考えられます。(中略)


排尿をコントロールする神経にトラブルを起こす代表的な病気として、脳血管障害があげられます。その中には、脳出血、脳こうそく、くも膜下出血などの病気が含まれます。


・過活動膀胱を引き起こす病気

脳血管障害の他にも、神経系に作用して過活動膀胱を引き起こす病気があります。おもなものとして、脳の脳室という部分に脳脊髄液という液が過剰にたまり脳室が拡大してしまう「水頭症」、背骨の中の脊髄が通っている管(脊柱管)が老化などで狭くなり神経を圧迫する「脊柱管狭窄症」などといった病気があげられます。さらには頭や脊椎のけがでも、神経系にトラブルが発生し頻尿になることがあります。


・中高年女性に多い、原因不明(突発性)の過活動膀胱(中略)

実は、最も患者さんの数が多いのは、原因が特定できない突発性の過活動膀胱なのです。この状態は、一般に女性の患者さんにより多くみられます。原因としては、膀胱の筋肉や尿意を感じる神経の異常が考えられ、現在研究が進められています。


・前立腺がんは症状が出にくいがんです。症状が出る場合は、前立腺肥大症と同じように、尿が出にくい、トイレが近いといったことからはじまります。最近は血液検査で簡単に診断できるようになりましたので、トイレが近いという自覚のある男性は、一度は必ず検査を受けることをお勧めします。


・高齢者の夜間頻尿は、複数の原因が重なって引き起こされている場合が多いと言えます。1つ1つの原因をつきとめて、適切な治療を行うことが大切です。


・ふつうは、尿意をしっかり感じてから排尿すると300ミリリットルくらいの尿が出ますので、これより少ないと膀胱の容量が小さいことが疑われます。尿を出し切るのにかかる時間は、正常な人で約30秒といわれています。


●書籍『トイレが近い人の読む本―頻尿の原因と治療』より
本間 之夫 編集
メディカルレビュー社:改訂版 (2007年11月初版)
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