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杉原 厚吉 氏 書籍『大学教授という仕事』(水曜社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『大学教授という仕事』(杉原 厚吉 著、水曜社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・大学教授はどのような経路をたどって大学教授になっているのだろうか。私のまわりの理工系の典型的なパターンには次のようなものがある。

(1)学内昇級型 (中略)

(2)大学・研究所経由型 (中略)

(3)外国大学経由型 (中略)

(4)民間企業経経験型 (中略)

(5)ポスドク型 (中略)ポストドクター研究員(略してポスドク)

(6)分野活躍型 (中略)


・助教授は准教授と呼ぶようになった。(中略)教授、准教授、講師、助教、助手という階層に変わった。これは、文部科学省が決めたことであり、国立でも公立でも私立も含めた日本国内のすべての大学で使われている名称である。


・教え方を教わっていない先生(中略)

それぞれが自分なりの工夫を積み上げ、次第に自分の講義スタイルを確立していく。


・講義を一つ受けもったときの負担はおおよそ次のとおりである。まず、講義自体は一回九十分ぐらいで、それを一つの学期に十五回ほど行う。(中略)


講義は週単位の時間割に従って行なわれるので、毎週同じ曜日の同じ時間帯が束縛される。そしてそれが十五週続く。


・生徒から質問によって自分自身が勉強できるという機会を有効に利用するためには、講義中に生徒が気楽に質問できる雰囲気をつくる配慮も必要である。


・一つの課題が研究テーマとして成り立つためには、それがまだ解決されていない課題でなければならない。すでに解決ずみのものを自分でも解いてみたというのでは、単に演習問題を解いたのと同じで、研究とは言えない。(中略)


研究者たるもの、自分の専門分野で何が解かれていて、何が未解決かをよく調査し、常に最新の情報をもっていなければならない。


・経常研究費と外部資金(中略)

経常研究費の額は、大学によって事情はまちまちであるが、一人当り値年間に、二、三十万円から百数十万円までのようである。


・大学の外から獲得する研究費は外部資金とよばれる。また、その多くは、たくさんの研究者の申請のなかから審査で選ばれた者だけが獲得できるので、競争的資金ともよばれる。


競争的外部資金のなかで、大学教員にとって最も身近なものは、文部科学省の科学研究費補助金であろう。(中略)


毎年秋に研究計画の申請を受け付け、翌年の春に選考結果がわかる。研究期間は一年から五年ぐらいで、全研究期間にわたる研究費は、一件につき数百万円から数千万円のものが多く、中には数億円という大型のものもある。(中略)


政府系の助成では、ほかにも厚生労働省や経済産業省でも領域を限定した大型ものがある。一方、民間の基金が元になって行なわれている研究助成もたくさんある。


・添削には大変手間がかかる。学生のもとの原稿をできるだけ生かしたいと思うから、制約の多い作文になってしまう。教員が始めから自分で書いてしまう方がむしろ楽である。


・論文のなかの著者の順序は重要な意味をもっている。貢献度の高い順番に並べるという慣例があるからだ。


・著作活動

12-1 本を書く(中略)

締め切りを守った者がバカを見る。なぜなら、自分の分担したテーマについて最先端の(つまり最も新しい)内容を執筆したつもりなのの、発行の時点では古くなってしまうからである。


・本の内容によって需要は大きく異なるということである。私の専門分野の本を出すときには、初版はたいてい千五百部である。それに対して、英作文という世界では、一桁違う冊数の需要があるらしいということを知った。


・12-2 出版事情(中略)

日本国内で出版する場合と、海外の出版社から出版する場合の違いは大きい。まず第一に、海外とは契約を通してものが進む。だから、いつまでに脱稿すると約束したら、その期限を守らなければならない。


・別宮貞徳氏の「誤訳、悪訳、欠陥翻訳」(バベルプレス、一九八三)という本がある。


・研究成果と知的財産(中略)

たとえば企業から相談を受けていっしょに問題の解法を開発したとき、(中略)企業は自社の発明として特許を申請する。私たちは、その特許の発明者として名を連ねるが、特許所有者にはならない。所有者はあくまでもその企業である。


・講演などの依頼(中略)

この種の依頼が来るためには、まず自分がどのような講演ができるかかを、外の人に知ってもらわなければならない。そのためのメッセージの発信に最も効果があるのは、私の経験では、自分の書いた著者である。(中略)


活字文化・出版文化は、こちらの想定を離れていろいろなところへメッセージを届ける機能をもっており、その影響はとても大きいというのが実感である。特に、専門書より、啓蒙書の方がはるかに影響は大きい。


・本の出版という形で、自分のもっている専門知識を一般の方に公開すると、こちらの想像を超えた利用法を考えていただける。その結果、こんな分野にも自分の知識が役立つのかと再認識し、自分の活動範囲をさらに広げることができる。


●書籍『大学教授という仕事』より
杉原 厚吉 著
水曜社 (2010年1月初版)
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