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古森 重隆 氏 書籍『魂の経営』(東洋経済新報社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『魂の経営』(古森 重隆 著、東洋経済新報社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


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この書籍の読みどころとキモ


写真フィルム市場が10分の1に縮小する危機を、事業構造の転換で乗り越えた、古森流経営改革とは何か


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・カラーフィルムなど写真感光材料は当時、富士フィルムの売上の六割、利益の三分の二を占めていた。その市場のほとんどが、あっという間に消失したのである。その衝撃が、会社にとってどれほど凄まじいものであったか。それまでのドル箱だった写真感光材料事業が、わずか四、五年で赤字事業に転落したのである。


・年に二〇パーセント、三〇パーセントという勢いで、市場が消失していった。売上の六割、利益の三分の二を占めていた事業の市場は、みるみるうちに消えていった。


・技術とニーズを照らし合わせ新規事業を模索する(中略)

富士フィルムにどんな力があるのか、それを整理し、確認する必要がある。(中略)横軸で現在の技術と新しい技術を整理し、縦軸で現在の市場と将来の市場を整理したものだ。そしてこのマップをもとに、次のことを検討した。

「既存の技術で既存市場に適用できることは未だ他にないか」
「新しい技術で既存市場に適用できることはないか」
「既存の技術で新しい市場に適用できることはないか」
「新しい技術で新しい市場に適用できることはないか」(中略)


よくよく検討して、富士フィルムの持つ技術力が医薬品や化粧品、高機能材料といった、今後の市場拡大が見込める分野で十分応用ができることが明らかになった。(中略)


「既存の成長事業のさらなる強化」と「新事業の創出」という二つのアプローチで成長戦略の取り組みを始めたのだ。


・特に経営者が最終的な判断を外部の人材に助言に頼ろうなどとしているのであれば、そんな経営者は即、辞めたほうがいい。


・写真メーカーの化粧品と聞くと、意外と思われるかもしれない。しかし決して、畑違いの分野に参入したわけではない。写真フィルムと化粧品は、一見、まったく異なる分野に見えるかもしれないが、実は共通点も多い。


写真フィルムの主な原料はゼラチン、つまりコラーゲンだ。そして人間の皮膚も、その七〇パーセントがコラーゲンで構成されている。(中略)富士フィルムはそのコラーゲンを、写真フィルムの技術開発を通じて、八〇年近くも研究し続けてきた実績がある。

また、体の老化の原因と深く関わるとされる「酸化」は、写真の色褪せの原因にもなる。


・予防~診断~治療のトータル・ヘルスケア・カンパニーを目指す


・M&Aで新規事業を五合目からスタートさせる


・捻出し続けた年間二〇〇〇億円の研究開発費(中略)

他の経費は削減しても、特に将来に必要な研究開発費なら、むしろ増やすべきだと考えていた。企業は、たえず新しいものを生み続けていく文化や体質を持っていなければならない。だからこそ未来につながる投資が大事なのである。


・写真フィルム事業を展開している企業は、デジタルカメラにも力を入れるというのは、自分たちの利益を毀損することになる。いわゆる共食い、カニバリズムになりかねない。では、どうして富士フィルムにはそれができたのか。


答えはシンプルだ。自分たちがやらなければ、いずれ他社がやる。ならば、やるしかない。


・震災で再認識した写真文化の価値(中略)

どうすれば泥にまみれた写真を救えるのか、我々は急遽研究を推し進め、その結果、ぬるま湯で写真を洗うのが最もいい方法だということがわかった。


・震災で再認識した写真文化の価値(中略)

高い品質で再生の可能だったのは、水でインクが流れてしまう家庭用インクジェットプリンターで印刷した写真ではなく、表面にコーティングが施されている銀塩写真であり、写真店でプリントさせた写真だったということだ。


・有事に際して経営者がやるべきこと

------「読む」「構想する」「伝える」「実行する」


・有事に際して経営者がやるべき四つのこと

一、読む(中略)何を読むのかと言うと、一つは自分たちの置かれている状況だ。(中略)

二、構想する(中略)それをもとに、「どこに向かうか」「何をするべきか」を考え、具体的な作戦やプランに落とし込む必要がある。これが構想だ。

三、伝える(中略)

四、実行する


・経営とは数字である。市場規模はどこまで落ち込むのか、利益はどうなるのか、すべて数字に落とし込み、シミュレーションを重ね、会社がどうなっていくのかを読む。


・顔つきや姿勢には、その人の生き様が現れるものだ。そこで重要なことは、美しいかどうかではなく、しっかりした信念を持ち、使命感や責任感、自信に溢れた顔つきかどうかということだ。


・会社は自分を育ててくれる学校ではない(中略)

自ら学んでいかなくてはならない。「自ら成長するのだ」という強い意欲を持って仕事に取り組むことで初めて、自分を成長させることができるのだ。


・人頼みする前に、自分は何をしたいのか


・どんな問題に直面したときも、他人事や人任せでなく、自分事として捉え、「その問題を解決するために自分は何ができるのだろうか」と考えるようになった。下や横がやってくれないとか言っているようではダメで、自分が働きかけなければいけないことを学んだのだ。


・「後向き、内向き、下向き」を「前向き、外向き、上向き」に


●書籍『魂の経営』より
古森 重隆 著
東洋経済新報社 (2013年11月初版)
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