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小霜 和也 氏 書籍『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(小霜 和也 著、宣伝会議 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・コピーライター/クリエイティブディレクターとは何をする人なのか。それは、商品を売ららずに、言葉を使って商品の価値を上げる人


・広告の役割とはなんぞや。それは、モノとヒトとの新しい関係を創ること


・「この水のコピーを書いて、5分ぐらいで」。受講生たちは一斉にメモ帳やスケッチブックを取り出して、ペンを片手に書き始めました。(・・・・・・アウト)僕は心の中でつぶやきました。(中略)


コピーを書くときの最も大切なことがわかっていない(中略)


商品の具体的な情報、競合商品との違いがわからない状態で広告コピーは書けません。(中略)


●商品としての具体的な情報、競合との違い“USP”
●その商品を買ってくれそうな“ターゲット”

この2つがそろわないと、広告のコピーを書くことはできません。


・誰でも少し“ツボ”を押してやればコピーの本質を探る方法はあると思います。そのツボが“USP”と“ターゲット”ということです。自分が広告しようとしている“モノ”(=商品)はいったい何なのか。他の競合商品とどう違うのか。それを“どんなヒト”(=ターゲット)に売るべきなのか。


・価値とはモノとヒト(の置かれた状況)の関係性で決まるのです。


・日本で最初のコピーライターは「エレキテル」を完成させたことで有名な平賀源内だと言われています。彼が「土用丑の日」を普及させたのは広く知らせています。


・●商品としての具体的な情報、競合との違い“USP”
●その商品を買ってくれそうな“ターゲット”

この2つがそろわないと、広告のコピーを書くことはできません。


・水道水を本格的な経口補水液にしたい場合は水1リットルに砂糖大さじ4と1/2杯、塩小さじ1/2杯を溶かして作る


・以前、スポーツ用品ブランドであるReebokの仕事をしていた時、トレーニングウェアのタグラインを依頼されました。機能的な新しさは特にありません。ただ色が派手でした。(中略)


僕は派手な色彩には人のアドレナリン分泌を促し、集中力を高める効果がある、という文献を見つけました。それを根拠に、「色彩の科学。アドレナリン・デザイ」というコピーを提案しました。(中略)


“派手な色のウェア”を“アドレナリン分泌を促し、集中力を高めるウェア”と定義づけしたわけです。


・タグラインはむしろベタで(中略)

「それ、コピーと言えるんですか。普通の言葉じゃないですか」(中略)


タグラインとは
商品の価値が最大化されるような「定義付け」に特化したコピーのこと。


・人間の“心の動き”を体系的に知るには、「進化心理学」という学問が有益です。


・昭文社の旅行ガイドブック「ことりっぷ」は働く女性にターゲットを絞った斬新な内容を目指しています。「面倒くさいのがイヤ」という彼女たちの不満を解消するために、情報量を大きく絞り込み軽量化したことで、特に目立った広告活動もしていないのに累計1千万部近いヒットになっています。こういったものが本来のマーケティングだろうと僕は認識しています。


・コピーライターとして、今まさにクライアントから商品広告の依頼があったとします。最初にするべきことは何でしょうか? (中略)それは、競合を調べること(中略)仮想的を定め、その強さを知ること(中略)

ただの「特徴」とUSPを混同しないことです。USPとは、あくまで「競合に対しての」優位性を言います。競合ありきじゃないと存在しない概念です。(中略)競合に比べて勝っているところのことです。


・本当に敵が誰だ(中略)

ある出版社では、OLの憩いの時間を提供するという視点に立てば競合はスターバックスのラテだ、ということで女性誌をスタバのラテと同じくらいの値付けにした、とう話もあります。意外な相手を競合と定めることで躍進した商品や企業の例は他にもあります。


・コピーを書く時に先に書くのはタグラインであるべきです。キャッチフレーズはその後。(中略)タグラインの方が重要だからで、戦略そのものだからです。


・アメリカの往年の名コピーライター・ジョン・ケーブルスは必要な要素を4つ挙げています。それは、

1 ターゲットの利益
2 新しさ
3 好奇心
4 シンプル&スポーディ

です。一言でまとめると、ターゲットに、「自分に関係する話かも」と一瞬で感じてもらうこと。


・トランクをカウンターにおいて、追加料金を請求させるシーンが考えられますね。ならばキャッチフレーズは「えっ、超過料金4000円!?」など。(中略)


「商品があることによる喜びMAX」と、その裏返しの「商品がないことによる悲しみMAX」は、キャッチフレーズのきほんと覚えていてください。


・コピーを書くときのマーケティング的思考

競合を調べ、商品のUSPを見極め、ターゲットを決め、彼らの欲求や不満、不安に思いをはせる。こういったことが「コピーを書く」ということの本質。ここに9割の時間をかける。実際に書くのは最後でよい。


・商品特徴とUSPは違う

USPとは、あくまで「競合に対しての」優位性を言います。競合ありきじゃないと存在しない概念。大事なことは、敵を誰と考えるか。他社商品とは限らない。


・タイガーマスク運動(中略)

自分がいらないものを届ける、ではなく、何が必要か確認してから贈る、というものがあればもっと素晴らしい運動になっていたと思います。


・「ブランドとはそもそも何ぞや」(中略)プロのライターなた押さえておくべき知見(中略)

ブランドとは「気持ちいい記憶」である。(中略)


コカ・コーラのラベルが貼ってあると、(中略)“のどがスカッとする気持ちいい記憶”が蘇るになったのです。(中略)


ブランドとは、ラベルを見ることでターゲットの中に気持ちいい記憶を蘇らせる作用のこと


・人の嗜好は記憶に左右される


・「ブランドとはそもそも何ぞや」(中略)

一般的に「ブランド」というと、メルセデス・ベンツやエルメス、シャネルなどの「憧れのブランド」のこととなっています。広告業界の人もこれをけっこう混同していますが、本質的には「ブランド」と「憧れブランド」は区別して考えなければいけません。


・ブランドの強さを測る指標には大きく3つあります。

1つは、今の述べた気持ちいい体験の蓄積度。
2つ目は、その人がその時、感じている課題(アンチエンジングしなきゃ、とか、明日の朝までに企画書仕上げなきゃ、とか)との関係の深さ。
最後は、ブランドロゴを目にする頻度です。


・テレビCMには重大な役割があります。それは商品の疑似的な体験をしてもらうことによって、その商品を体験した偽の記憶を創り出すことです。


・ラジオCM(中略)音だけで内容をわかってもらい必要があるんです。(中略)「音だけで構成する」スキルがテレビCMに役立ちます。ラジオCMにもシズル音など、気持ちいい体験を呼び醒ます音は欠かせません。


・商品の購入は目的ではありません、目的は新しい自分。商品は使用によって得られるストーリーのための手段に過ぎないのです。


・成功したブランドは、必ずと言っていいほど「ブランド・ストーリー」を持っています。平たく言うと、「苦労話」、ルイ・ヴィトンの場合は、貧乏なヴィトンさんが牧場を転々と働きながらそのお金でパリを目指し、何年かの苦労を経てパリに着いた時には素晴らしい革製品をつくる技術が備わっていた、といったものです。


・いまはとにかく「答えをすぐ見せてくれ」という時代ですから。


・『人生はワンチャンス!』(文響社刊)という写真集がヒットしましたね。(中略)その最初の名言は、「基本を制する者が世界を制する」です。ピカソは基本を押さえていたからこそ、その天才性が賞賛されることに繋がったのだ


・僕は「提案」という言い方をあまり好みません。僕は常に「回答」のつもりでプレゼンしています。企業は課題解決を望んでいるからです。唯一の正解ではなくとも、提出ものは確度の高い仮説でなければいけないと思っています。


・コピーを書くには締切前日でいい

若手コピーライターがやってはいけない仕事のやり方があります。それは、最初からカタチにしてしまうこと。(中略)コピーはまず考えてから、書く。


・プレゼンでは基本的に2案を提案します。(中略)A案を出す意味は、「ちゃんとご意向を理解していますよ」という確認でもあり、発注主は安心します。その上でB案を出すと、「これあるかも」とスムーズに決まりやすいのです。


・「化ける」人たちには共通点があります。それは、すぐに、「まあいいか」と思わない。どこか臆病で、「これでいいのか」と疑っている。自分を追い込むことができて、自分を沸騰させることができる。


・コピーライターがやってはいけない仕事のやり方

最初からカタチにしてしまうこと。最初に言葉というカタチにしてしまうと、「コピーができた」と錯覚してしまう。


・現代人は、「聴いて聴いて星人」です。ペットは最高の聴き役です。ペットに何を語りかけても反論されたり説教されたりはしません。聴いてもらうだけでも癒されたり元気になったりするんです。


・「空気・音・広告」。これは、現代の都市生活者が避けることのできない生活環境です


・CIというのは、その時代の変動の企業がその先も生き残っていくために必要な事業コンセプト、活動領域、自分は何者であるべきかなどを再点検していく作業のことを言います。

※CI=コーポレート・アイデンティティ


・コーポレート・アイデンティティ(中略)

たとえば、エルメスはもともと馬具屋さんでした。鞍(くら)などを作っていたのです。(中略)自動車の時代になり、馬は年からどんどん姿を消していきます。この危機に臨んで、エルメスは自社のアイデンティティを「革屋」へと変更します。


馬具を作る上で欠かせないのが皮革(ひかく)を扱う技術ですが、これを利用して今後はカバン、バッグ、靴など皮革商品一般を扱う企業になろうと脱皮したのです。この「CI」があったためにエルメスは生き残り、さらに活動領域を服飾に拡げることで世界を代表するファッション企業として発展してきました。


・言葉というものの役割は、大きく2つあります。1つはコミュニケーション。もう1つは思考の補助です。


・老舗鰻屋「野田岩」(中略)天然か養殖かが問題ではない。本物を追及する心が問題なのだと気づいた彼は、養殖で天然を超える本物の味を追求しようと決心する。これもまたCIです。ひとつの言葉が枯れの人生と、長年続いたのれんを守り、変えたわけです。


・映画「シンドラーのリスト」の台詞で「1人を救う者が世界を救う」という言葉が僕は好きなんです


・報酬とは

どれだけ多くの人を、どれだけ喜ばせたか、その総量に比例するもの。


・コーポレート・アイデンティティ(CI) (中略)

企業が生き残っていくためにに必要な事業コンセプト、活動領域、自分は何者であるべきか、などを再点検していく作業のこと。

●書籍『ここらで広告コピーの本当の話をします。』より
小霜 和也 (こしも かずや)著
宣伝会議 (2014年11月初版)
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