FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > リンダ・グラットン 氏 書籍『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(池村 千秋 翻訳、プレジデント社 刊)より

リンダ・グラットン 氏 書籍『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(池村 千秋 翻訳、プレジデント社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(リンダ・グラットン 著、池村 千秋 翻訳、プレジデント社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・未来を形づくる五つの要因

要因1 テクノロジーの進化
要因2 グルーバル化の進展
要因3 人口構成の変化と長寿化
要因4 社会の変化
要因5 エネルギー・環境問題の深刻化


・働き方を〈シフト〉する(中略)

第一のシフト------ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ(中略)

第二のシフト------孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」(中略)

第三のシフト------大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ


・昔と違って、過去の延長線上に未来を思い描くことが不可能になった


・今後、状況は大きく変わるだろう。二〇三〇年頃までには、エネルギーと気候変動の問題が世界の最重要課題に浮上しているはずだ。石油などの化石燃料の枯渇が現実問題となり、また、気候変動の影響が目に見えるようになり、世界中の人々の仕事への影響を感じはじめる。


・自分の未来予想図を描く(中略)以下のプロセスで自分なりのストーリーを描けばいい。

1 不要な要素を捨てる(中略)
2 重要な要素に肉づけする(中略)
3 足りない要素を探す(中略)
4 集めた要素を分類し直す(中略)
5 一つの図柄を見いだす


・こういう世界で成功するためには、どういうふうに時間を使い、エネルギーと資源を割り振るかという選択がきわめて大きな意味をもつ。ゆでガエルにならないために、専門技術を身につけるという<シフト>を選択する必要があるのだ。


・研究者やコンサルタントが有意義な成果をあげるためには、遊び心を発揮して問いを発し、その答えを探す姿勢が欠かせない。「好きなことをしてお金をもらえるなんて、最高だ!」と思える仕事こそ、最高の仕事なのかもしれない。


・時間に追われる未来を迎えないためには、三つの<シフト>を成し遂げることが効果的だ(中略)

<第一のシフト>で目指すのは、専門技能の習熟に土台を置くキャリアを意識的に築くこと。一つのものごとに集中して本腰を入れることが出発点となる。(中略)


<第二のシフト>は、せわしくなく時間に追われる生活を脱却しても必ずしも孤独を味わうわけではないと理解することから始まる。目指すべきは、自分を中心に据えつつも、ほかの人たちとの強い関わりを保った働き方を見いだすこと。(中略)


時間に追われる日々を避けるうえで最も有効なのは<第三のシフト>だろう。消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的になにかを生む出す人生に転換することである。ここで問われるのは、どういう職業生活を選ぶのか、そして、思い切った選択をおこない、選択の結果を受け入れ、自由な意思に基づいて行動する覚悟ができているのかという点だ。


・「グルーバル化」では、都市化と国際移住の活性化が家族の結びつきを弱める。「エネルギーと環境問題」では、エネルギー価格の上昇により、交通手段の利用を減らすためのバーチャル勤務が一般化して、同僚との接点が減る。「人口構成の変化と長寿化」では、家族のあり方が変わり、孤独を和らげる役に立つはずの自然な絆の多くが弱まる。「社会の変化」では、大企業や政府への信頼低下、幸福感の減退、受動的なテレビ視聴の増加がひとびとの孤独を深める。これらの要素が合わさり、きわめて孤独が深まりやすい状況が出現するのだ。


・格差が拡大すれば、人々の生活にどのような影響が及ぶのか。はっきり言えるのは、人々の健康と幸福感を大きく左右するのが所得の金額の絶対値ではなく、ほかの人との所得の格差だという点だ。ブリアナアンドレがクラス先進国の社会では、なにを買い、なにを身につけたり使ったりするかによって、その人の社会階層が判断させる面が大きい。物質主義的傾向が強い世界では、所有する物がその人の成功の度合いを判断する物差しになるのだ。


・バブルが崩壊して不況に突入すると、人々は打って変わって過度に自信を失い、株式市場が急激に冷え込んだ。景気が上向きと、私たちはえてしてお祭りさわぎのなかで自信満々になる。そのうえ、他人の成功物語を聞いて、ますます楽観的になる。こうして大勢の人が自身を膨張させると、楽観的な空気がマーケットを支配し、過剰な投機が幅を利かせはじめる。


・二〇二五年には、世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、ほかのミニ起業家とパートナー関係を結んで、相互依存しつつ共存共栄していく仕組み------「エコシステム(生態系)」と呼ばれる------を築くようになる。


・次の三つの問いを自分に投げかけてみてほしい。

第一に、あなたは大きな企業の中心で働きたいのか、それともシュイ・リーのように、企業に属さずに自分でビジネスをおこないたいのか。(中略)


第二に、あなたは何歳頃まで働きたいのか。七〇歳代まで生産的に仕事を続けたいのであれば、自分のエネルギーをさまざまな活動にどのように割り振るかが重要になる。(中略)


第三に、あなたはどこで暮らしたいのか。グルーバル化が進めば、あなたが生活する土地の選択肢は大きく広がる。


・本書で提案する〈第一のシフト〉は、知的資本を強化することを目的するものだ。


・未来の世界では、その他大勢から自分を差別化することがますます重要になる。そのために、時間と労力を費やして専門分野の知識と技能を高めなくてはならない。いわば、熟練の技を磨き上げる必要があるのだ。


・第一のシフト
ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ

なぜ、「広く浅く」ではだめなのか?(中略)

多くの分野について少しずつ知っているのではなく、いくつかの分野について深い知識と高い能力を備えなくてはならないのだ。


・第一のシフト
ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ(中略)

〈第一のシフト〉に関して、私は次の二つの資質が重要だと考えている。

※専門技能の連続的習得------未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職種を選び、浅い知識や技能ではなく、高度な専門知識と技能を身につける。その後も必要に応じて、ほかの分野の専門知識と技能の習得を続ける。


※セルフマーケティング------自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する。グルーバルな人材市場の一員になり、そこから脱落しないために、そういう努力が欠かせない。


・労働人口に占める割合で言えば、一人で働く人や、小人数のグループの一員として働く人が増える。とくに、大企業を中核に成り立つビジネスの「エコシステム(生態系)」のなかで働く人が多くなる。


・働き方の未来を形づくる五つの要因の影響が本格化するにつれてとくに重要性を増す専門技能としては、生命科学・健康関連、再生可能エネルギー関連、創造性・イノベーション関連、コーチング・ケア関連の四つが挙げられる。


・専門技能に習熟することについて回る落とし穴は、狭い専門分野に特化するあまり、広い視野を失いかねないことだ。(中略)複数の分野な専門知識と技能を組み合わせることが欠かせない。それを成し遂げる方法は、大きく分けて二つある。

一つは、特定の専門分野の枠を超えた幅広い人的ネットワークを築き、そのなかで複数の専門技能を組み合わせるという方法。(中略)

もう一つは、自分自身で複数の専門技能を身につけるという方法。


・自分の関心テーマを人々に知ってもらうには、どうすればいいのか。私の場合は、執筆する本がその手段になっている。著書を通じて、自分の専門分野や関心テーマを世界に知ってもらえる。


・第三のシフト
大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ


・どうして、お金が増えても幸福感が高まらないのか。一つには、収入が増えるほど、贅沢なライフスタイルを実践するようになり、多少のことでは幸せを感じなくなるからだ。


・仕事の世界で長く過ごすについて、私たちは仕事の金銭的側面に重きを置くようになり、お金を稼げる仕事がおこがましい経験で、お金を稼げない仕事が悪い経験だという思考様式に染まっていく。


・私にとって重要なことがあなたにとって重要だとは限らないし、私が望む働き方があなたの望む働き方と同じだとも限らない。私たちは、一人ひとりが自分なりの働き方の未来を築いていかなくてはならない。


・<第一のシフト>は、一つの企業の中でしか通用しない技能で満足せず、高度な専門技能を磨き、ほかの多くに人たちから自分を差別化するために「自分ブランド」を築くこと。


<第二のシフト>は、難しい課題に取り組むうえで頼りになる小人数の盟友グループと、イノベーションの源泉となるバラエティに富んだ大勢の知り合いネットワーク、そしてストレスを和らげるための打算のない友人関係という、三種類の人的ネットワークをはぐくむこと。


<第三のシフト>は、大量消費主義を脱却し、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること。


●書籍『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』より
リンダ・グラットン 著
池村 千秋 翻訳
プレジデント社 (2012年7月初版)
※amazonで詳細を見る