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司馬 遼太郎 氏 電子書籍『竜馬がゆく(一)Kindle版』(出版社: 文藝春秋)より

このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『竜馬がゆく(一)Kindle版』(司馬 遼太郎 著、出版社: 文藝春秋)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・竜馬は、うまれおちたときから、背中いちめんに 旋毛がはえていた。父の八平は豪気な男だったからこれをおかしがり、「この子はへんちくりんじゃ、馬でもないのにたてがみがはえちょる」 といって、竜馬と名づけた。


・竜馬は、もともと頑固でなさすぎるほどの男だが、他人にきめられたとおりにするのが、だいきらいなたちなのである。後年、かれは口ぐせのようにいった── (衆人がみな善をするなら、おのれひとりだけは悪をしろ。逆も、またしかり。英雄とは、自分だけの道をあるくやつのことだ)


・坂本という、土佐にはめずらしい苗字は、家祖左馬助光春が、琵琶湖のほとりの坂本城に在城していたことにちなんだもので、紋所は、明智の桔梗である。


・竜馬は、本家があきんどのせいか、ただの武家育ちとちがい、どういうはなしをきいても金銭のことがまず頭にうかぶ。


・武市半平太といえば、鏡心明智流の免許者で、儒学、軍学にあかるく、智謀秀で、大軍を指揮する器量がある。


・じつをいえば竜馬は十九歳になるまで、喧嘩というものをしたことがなかった。するどころか、幼童のころは、外へ出ると遊び仲間に泣かされ、屋敷までの道中を長泣きしながら帰ってくる子だったから、しない、というより、できなかったというほうが正確である。


・「大賢は愚に似たりと古語にもいうぞ。鋭さを面にあらわして歩いているような男は才物であっても第二流だ。第一流の人物というのは、少々、馬鹿にみえる。少々どころか、凡人の眼からみれば大馬鹿の間ぬけにみえるときがある。そのくせ、接する者になにか強い印象をのこす。


・切先が、鶺鴒の尾のように動いている。これが北辰一刀流の特徴であった。


・竜馬の考えでは、男には、農夫型と猟師型がある。野の片すみに安住して作物を植え、女房を愛し、子を育てることによろこびを見出す型と、山野を踏みわけ、山から山へと獣を追い、ついには家郷を忘れる型のふたつである。


・「されば、おンしァ、武士ではないのか」「武士々々とがみがみいわンすな。耳が鳴るわい」「されば、おンしァ、何じゃい」「坂本竜馬じゃ」ケロリとしている。これが竜馬の一生を通じての思想だった。武士であるとか町人であるとか、そういうものはこの世の借り着で、正真正銘なのは人間いっぴきの坂本竜馬だけである、と竜馬は思っている。


●電子書籍『竜馬がゆく(一)Kindle版』より
司馬 遼太郎 (著
出版社: 文藝春秋 (1998/9/10)
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