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大村 大次郎 氏 書籍『やってはいけない相続対策』(小学館 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『やってはいけない相続対策』(大村 大次郎 著、小学館 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・最近、よく話題となっている節税法に次のようなものがあります。

1、「タワーマンション節税」
2、「アパート経営」
3、「お墓の購入」(中略)


これらには、大きな落とし穴があり、きちんとした知識を持たないまま、業者のいいなりになってこれらの方法を使うと、多くの人は大損をしてしまいます。


・最近、よく話題となっている節税法に次のようなものがあります。

1、「タワーマンション節税」(中略)

「タワーマンションでは、高層階でもあっても低層階でもあっても、相続税の評価基準は同じ」
「高層階のマンションを買えば、低層階の価格で相続税に申告ができる」(中略)


たとえば、3億円の高層階のマンションを購入しても、相続税の資産評価額は低層階と同じ5000万円となる、というのです。つまりタワーマンションを買うだけで、3億円の資産を、5000万円として申告できるというわけです。(中略)


税務署がやって来た! (中略)


「タワーマンションは、節税だけのために購入されたのは明らかです。そういう場合、通常の路線価基準ではなく、市場価格で申告をしてもわらなければなりません。だからマンションは5000万円ではなく、3億円として申告をし直してもらうことになります」(中略)


このケースの場合でいえば、父親が亡くなってすぐに売却しなければよかったのです。税金の時効となる7年くらい賃貸にしておけばよかったのです。


・最近、よく話題となっている節税法に次のようなものがあります。(中略)

「アパート経営」(中略)

「相続税対策ためにアパート経営をしよう」(中略)

しかし、自分には相続税がいくらかかるのか? ということをちゃんと考えておかないと、とんでもないことになってしまいます。


・税務署というのは、銀行の預金記録などは、すぐに調べることができます。税務署は税金に関するあらゆる記録を調査する権利を持っています。銀行の預金の出し入れについても、当然、見る権利を持っています。


・1億円を超えると「マルサ」が動く(中略)

市民の方は、預貯金は税務署に見つかるかもしれないけれど、現金なら見つからないのではないか、と考えることが多いのかもしれません。だから、相続税の申告で、現金分を除いて申告するケースが非常に多いのです。


・「遺産が現金であれば、バレない」という考えは、まったく通用しないと肝に銘じてください


・最近、よく話題となっている節税法に次のようなものがあります。(中略)

「お墓の購入」(中略)


お墓に関しては、一つだけ重要なポイントを補足しておきます。お墓は(中略)相続財産から控除されます。しかし、それには条件があります。相続が開始した時点でお墓の代金を支払い終えていること、です。(中略)ローンが残っている場合は、それは相続財産から控除できません。お墓を買う時は、現金一括が大原則です。


・葬儀費用は財産から控除できますので整理しておきましょう。


・相続税の申告と納付(中略)

この10か月という納付期限は厳密で、納付期限までに納付しなかった場合は延滞税が課されます。延滞税は(中略)非常に高いので注意が必要です。


・遺留分というのは、民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のことを指します。

たとえば、夫に愛人がいて夫婦仲が悪く、別居していたとします。(中略)

仮に「妻にはビタ一文渡さない」という遺言書があったとします。いくら夫婦仲が悪くても、(中略)

本来ならば全相続財産の2分の1の権利を持つ妻にはその2分の1である4分の1が遺留分ということになります。


・生命保険や死亡退職金の非課税限度額(500万円×法廷相続人の数)です。(中略)これを超える分が正味の遺産額に加算されることになります(みなし相続財産といいます)。


・年次相続控除(中略)

10年以内に2回以上の相続が発生して相続税が課せられた場合は一定額を引くことができるという制度です。


・遺産は家で残せ(中略)

たとえば、1億円の預金で残せば、1億円まるまるが相続税対象額になってしまいます。しかし、「家」の場合は、そうではありません。というのも、家の場合の遺産額としての評価額は、土地の部分は路線価を基準に、建物部分は、固定資産税の評価額を基準に決められます。(中略)


路線価にしろ、固定資産税評価額にしろ、たいがいの場合、市場価額より若干少なめに設定されています。


・遺産は預貯金で残すよりも、家で残した方が、遺産としての評価額は減少します。


・330㎡以内の宅地を相続すれば相続税は80%減(中略)

「死亡した人と同居していた家族が、死亡した人の家を相続した場合」には、その土地の評価額が80%も減額される、という特例がある(中略)


この特例は、2015年から大幅に拡充されます。対象となる土地が240㎡以内から、330㎡になるのです。330㎡といえば100坪です。


・二世帯住宅は相続対策の切り札!(中略)

「小規模宅地等の特例」は、2015年の改正により、完全分離型の二世帯住宅も対象とされることになったのです。


・相続税はゼロでも申告はしなければならない(中略)

遺産の中に住居があれば軽減処置があったり、遺族に配偶者がいたら、大幅に免税対象額が増額されるなどの割引制度があります。しかし、この割引制度を使う場合は、申告をしなければなりません。

もし、申告をしなければ、無申告とみなされ罰則の対象となります。しかも、申告をしていなければ、割引制度も使えません。割引制度がない中で、まともに相続税を払わなくてはならなくなるのです。


・アパート経営での節税は、大きく二つのポイントがあります。

一つは、アパート経営のための土地は、相続税の評価額が自宅以外の土地よりも50%も減額される、ということです。たとえば、相続税評価額1億円の土地を買ってアパート経営をした場合、その土地は5000万円として評価されます。

もう一つは、ローンを組んでアパートなど購入すれば、その分、相続税の対象となる資産が減額される、ということです。


・1億円程度の資産ならアパート経営には手を出すな(中略)

というのも、アパート経営の土地で、相続税の減額対象になるものというのは、200㎡以内です。ということは、それほど大々的なアパート経営をすることはできません。(中略)


筆者が何を言いたいかというと、節税できる相続税額は1000~1500万円に過ぎないのに、わざわざ土地を買って、アパート経営をする必要があるのか、ということなのです。(中略)


つまりは、節税できる相続税額の何倍も資産を減らしてしまう危険性があるのです。何十億円も資産がある家は別として、1億円程度の遺産があるような家では、妻と子どもを相続をした場合は、ほとんど相続税はかかってきません。


・タワーマンション節税の考え方は簡単にいえば、次の通りです。(中略)5000万円で購入した低層階の部屋も、2億円で購入した高層階の部屋も、相続税の評価額は同じであり、安い方の5000万円となる。だから高層階のマンションを買えば、相続税が少なくて済むので節税になる。


しかし、このタワーマンション節税にも、大きな落とし穴があります。相続税の対象となる土地の価格というのは、必ずしも路線価が基準になるとは限りません。


相続税法では、相続財産の価格は時価で判定されるといことになっています。


・タワーマンションを利用した相続税対策は、最近になって開発されたものではありません。あちこちでトラブルを起こしています。(中略)なぜ「タワーマンションの高層階が節税になる」というデマが今ごろになって流布しているのか、よくわかりません。


・将来の相続税を安くするためには、これまで説明してきたように、今のうちから相続財産を減らせておくことです。(中略)基礎控除110万円以内での贈与が基本


・贈与税をかけずに、親から支援をしてもらう方法をご紹介しましょう。それは、親からお金を借りることです。親からお金を「もらう」のではなく、「借りる」のであれば、贈与税はかからないのです。(中略)


この方式の要点は、二つあります。まずは、金銭消費貸借契約を結ぶことです。他人同士が交わすのと同じような契約書をきっちりとつくり、利息も決めておきます。

もう一つは、返済金と親からの贈与金を相殺するのではなく、一旦親からお金をもらい、それを親に返済するという形をとること、です、そのためにも銀行振り込みなどを利用して足跡を残しておくことが重要です。


・「○○市○○番地に住む○○という人間は脱税している!」
いわゆるタレコミですが、この密告情報で一番多いのが、実は相続税に関するものなのです。しかも、密告者のほとんどが、親族です。


・現金で遺産を隠していても税務署にバレる(中略)

生前に多額の金を稼いでいる人に関しては、税務署はリストをつくっています。その人たちが死亡したときには、生前の稼ぎと比べて申告された遺産の額が適正かどうかは、当然、チェックされるのです。


・税務調査に関して、納税者には黙秘権は与えられていないのです。もし嘘をついたり、知っていることを黙っていたりして、それが後日判明した場合は、ペナルティーの対象になったりもします。


・相続税というのは累計課税になっており、もらった財産が多いほど税率が高くなる仕組みになっています。


・「孫を養子にする」という手法は、一般社会でもある程度の資産家で、相続に詳しい人はかなりやっているワザです。


・富裕層が行っている相続対策の一つをご紹介したいと思います。それは「財団法人」を使った相続税対策です。(中略)


この財団がなぜ節税になるのか? というと、そのカラクリはこうです。資産家が財団をつくったり、財団に寄付をすれば、税金はかかりません。通常、自分の資産をだれかに与えれば、贈与税がかかりますが、財団をつくるような場合にはかからないのです。(中略)


財団には、資産家が自分の身内を送り込むのです。送り込まれた身内は、その財団から高額な報酬などをもらいます、つまり資産家が身内に財団の役員や職員にしてしまえば、合法的に財団を身内に移転することができるというわけです。(中略)


財団の財産は、構成員の協議で使い道が決められる、という建前があります、でも財団の構成員は、資産家の息がかかった人ばかりです、だから財団の財産の使い道は財団をつくった人の思いのままにできます。


第三者を財団の中に入れなくてはならないという法律もなければ、財産の運用を厳しくチェックする外部機関もありません。


・自筆証書遺言書(中略)封印がされた遺言書は、そのままので状態で家庭裁判所に持参し裁判官や相続人の前で開封することを肝に銘じたいものです。


・この40年位の日本の税制は、税金を「狭く深く取る事」ではなく「広く浅く取ること」にシフトしてきました。所得税に最高税率は40年前に比べて、約35%も引き下げられてきます。


また日本の税制というのは、実は富裕層に対しては抜け穴がたくさんあります。たとえば、「日本の取得税の最高税率は40%で世界的にも高い」とよくいわれます。しかし、実際の所得税の税収は、先進国の中では非常に低いのです。(中略)


大金持ちの中では定番の職業である開業医は、健康保険料の売り上げの約70%を自動的に差し引いて所得の計算ができる超優遇制度があります(売り上げ5000万円以下の場合)。ちなみに、開業医の場合、子どもが病院の施設を引き継いでも、相続税はほとんどかからないようになっています。


●書籍『やってはいけない相続対策』より
大村 大次郎 著
小学館 (2014年12月初版)
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