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司馬 遼太郎 氏 電子書籍『竜馬がゆく(六) Kindle版』(出版社: 文藝春秋)より

このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『竜馬がゆく(六) Kindle版』(司馬 遼太郎 著、出版社: 文藝春秋)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・どんな無口な男でも、坂本竜馬という訪客の前では情熱的な雄弁家になる、といわれていた。ことばをかえていえば竜馬は、異常な取材能力をもっていたといっていい。これが特技であった。自然、かれはいわゆる志士のなかでは抜群の国際外交通であった。


・「金が儲かることなら、薩摩も長州も手をにぎるだろう」と竜馬は政治問題がむずかしければまず経済でその利を説くつもりであった。要するに政治的には 薩長を同盟させて討幕に時勢を転換させるとともに「討幕会社」として長崎で両藩の資金資材持ちよりの会社をつくり、大いに軍資金をかせぐ一方、外国製の銃砲を両藩にもたせ、幕府を倒してしまう。新政府ができればこれを国策会社にして、世界貿易をやる。


・国を出て天下に散った土佐浪士は、多くは風雲のなかで死んだが、その生き残りは、いま三つの集団にわかれている。

一つは、竜馬の亀山社中。
一つは、中岡慎太郎を頭とする長州忠勇隊の面々。
一つは、土方楠左衛門久元を頭株とするこの三条実美護衛組。

土地は、長崎、長州、筑前大宰府にわかれ、機能は、海軍、陸軍、それに流亡の公卿を擁する政治結社、とそれぞれ特色があって、これが一つの目的のために機能的に動けば、倒幕活動にはうってつけというべきものだった。


・つまりまず商いの道で手をにぎる。そこでおたがいの心底がわかれば、同盟ということになる(中略)


薩長連合ひとつにしても、主義をもって手をにぎらせるのでなく、実利をもって握手させようというのである。(中略)


観念や思想から入った、という意味である。ところが竜馬は、利害問題から入ってゆく。 薩長の実情をよく見、犬と猿にしてもどこかで利害の一致するところはないか、と見た。それが、兵器購入の一件である。長州もよろこび、 薩摩も痛痒を感じない。そこからまず糸を結ばせた


・長崎の丸山(中略)

丸山は、江戸の吉原、京の島原とならんで日本三大遊里のひとつにかぞえられたところである。


・自分の防衛に汲々としているようなことでは大事が成せるか、というのが、竜馬の考えかただった。


・「皇家」と、みじかくいった。皇家とは、狭義では朝廷、天皇家という意味である。広義では「京都朝廷を中心とした新統一国家」という意味


・「坂本さんの覚悟はなんですか」とも、慎蔵はきいた。死生観のことである。


・「生死などは取りたてて考えるほどのものではない。何をするかということだけだと思っている。世に生を得るは事を成すにあり、と自分は考えている」 「事とは何ですか」 「しごとのことさ。仕事といっても、あれだな、先人の真似ごとはくだらぬと思っているな。釈迦や孔子も、人真似でない生きかたをしたから、あれはあれでえらいのだろう」


・西郷のいう「傷にきく温泉」とは、霧島山の山ふところにかこまれた塩浸温泉


・新婚旅行である。この男は、勝からそういう西洋風俗があるのをきいている。


・この風俗の日本での皮切りは、この男であったといっていい。


・霧島国立公園の圏内から西南へ離れた茶色っぽい山中に、「塩浸」という地名がある。こんにちは町村合併で牧園町という自治体に属しているらしい。


・竜馬が逗留したのは、塩浸温泉のなかの鶴ノ湯という湯壺である。断崖に杣道がかかっており、その道の下、渓流の瀬に熱湯が湧いている。泉源はそこひとつしかない。


●電子書籍『竜馬がゆく(六) Kindle版』より
司馬 遼太郎 (著
出版社: 文藝春秋 (1998/10/10)
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