FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 出久根 達郎 氏 書籍『作家の値段』(講談社 刊)より

出久根 達郎 氏 書籍『作家の値段』(講談社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『作家の値段』(出久根 達郎 著、講談社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・司馬遼太郎(中略)

司馬文学は、朗読すると数段、面白さが増す。目で読む文章ではなく、発声してこそ味わいのある文章なのである。これが氏のエッセイも、そうだ


・司馬遼太郎(中略)

「龍生書林」主、大場啓志氏に教えを乞うた。ただちに、氏を思いだしたのは、近代文学と大衆文学の古書の価値に、最もくわしい業者だからである。特に、三島由紀夫の著作収集においては、屈指の業績を持つ。


・司馬遼太郎(中略)

「司馬さんの著作の中で、最も入手の困難なのは、昭和三十年九月に福田定一(ふくだていいち)の本名で出版した新書の『名言随筆 サラリーマン』かしら? 司馬さんの最初の本だよね」


・司馬遼太郎(中略)

司馬文学って一見、男の世界を描いているようだけど、実は女性像の方が鮮明なんじゃないかな。女性がくっきりと描かれているから、相対的に男がきわだつんじゃないか


・司馬遼太郎(中略)

『竜馬がゆく』全五巻初版の値段だ」と続けた。「現在、この初版の入手が一番むずかしいんじゃないかな。『名言随筆 サラリーマン』の比じゃない。五巻のうち、特に一巻と二巻の初版は、あったら奇蹟だ」(中略)


「昨年の暮れに横浜の古書展に出た。複数の注文が入ったという」
「値段は?」
「三十二万円」


・三島由紀夫(中略)

「三島由紀夫の小説作法」と刷られた細い朱色の帯付き本が、希少本として出回っている、これは再版に付けられた帯が、何らかの理由で初版本に巻かれた、と推測する。


・三島由紀夫(中略)『裸体と衣装』は、「帯付きの古書価が極端に上がった本」の例に挙げられている。帯が無くカバーのみの初版本は、一万五千円で、カバー帯共に備わった初版は、十五万円である。帯一本で、これだけ値段が違うのである。


・三島(※由紀夫)の著書の面白さは、帯にあると言ってもよい。


・夏目漱石(中略)

新任教師坊ちゃんの月給は、四十円とある。明治三十九年の銀行員の初任給が、三十五円である。


・石川啄木(中略)

ながいこと探していて、未だに見つからない本がある。特殊な本だから、無理もない。いわゆる、春本、である。なぜ、その本を探しているか、というと、石川啄木が愛読したものだからである。


・司馬氏は古書価の絶妙に感心したという。使える本は、それなりの価格で、使えぬ本は安い。


●書籍『作家の値段』より
出久根 達郎 (著
出版社: 講談社 (2010年3月初版)
※amazonで詳細を見る