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松浦 広 氏 書籍『図説 印刷文化の原点』(印刷学会出版部 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『図説 印刷文化の原点』(松浦 広 著、印刷学会出版部 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・印刷に関わる仕事をしている人なら、知らなくてはならないことがある。(中略)

たとえば、次の四つの設問に答えられますか。

<1>日本には、歴史書に制作年代が明記されている世界最古の印刷物があるが、その名称と、印刷された時代。

<2>築地に<活字発祥の碑>が置かれているが、この碑に記されている著名な印刷会社の名称と、その創設者の氏名。(中略)

<3>字体と書体について説明してください。

<4>印刷物または印刷に関する「国宝」「重要文化財」は、それぞれ何件ありますか。(中略)

<1>名称は「百万塔陀羅尼」。時代は奈良時代の後期。 ちなみに(中略)「百万塔陀羅尼経」などという経典は存在しない。

<2>企業名は「長崎新塾出張活版製作所」または「株式会社東京築地活版製造所」。創設者は「平野富二」。(中略)

<3>「字体」とは文字の形をいう。たとえば登用漢字の「鉄」は、旧字では「鐡」と書く。(中略)「書体」とは書風、つまり楷書、隷書、行書など文字書きぶりをいう。(中略)

<4>「重要文化財」に指定されている印刷物は158件。そのうち12件は「国宝」に指定されている。


・千年間で最大の出来事は、ドイツ人グーテンベルクによる一四五五年の聖書の印刷


・中世の三大発明として、活版印刷・火薬・羅針盤があり、その活版印刷の発明者がグーテンベルクという名前だった


・ 「42行聖書」(中略)現在では49部が現存する。


・グーテンベルク聖書所蔵先一覧


・ 【印刷・いんさつ】語源は、「印(しるし)+刷(版木でこする)」です。「刷り表す」 意です。


・「百万塔陀羅尼」を「百万塔陀羅尼経」などと読んだり、書いたりするべきではない。「百万塔陀羅尼経」という「経」は存在しないのである。


・現存する「世界最古の印刷物」は、このほかに二つある。ひとつは、中国の聖域への始発地である「敦煌」の洞窟で発見された「金剛般若波羅蜜経」。もうひとつは、韓国の慶州にある古刹那、仏国寺の釈迦塔に納めてあった「無垢浄光台陀羅尼経」である。


・築地周辺には中小の印刷企業が林立し、銀座には大小の新聞社や出版社が軒を並べるようになった。明治14年の東京府による調査では、新聞・雑誌社108社のうち、半数近い50社が集中している。大手8社のうち7社が銀座に在った。活字の供給源の築地活版製造所がここにあったからである。


●書籍『図説 印刷文化の原点』より
松浦 広 (著)
印刷学会出版部 刊 (2012年3月初版)
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