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福田 健 氏 書籍『子どもは「話し方」で9割変わる』(経済界 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田 健 著、経済界 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・お互い、なんでもないことを話し合い、それによって親しみを確認する。ここでのコミュニケーションの目的は、情報の伝達ではなく、心の交流である。挨拶とは、それによって心の交流を促し、お互いに親しみをましていくための、人間的なコミュニケーションなのである。


・「挨拶をする人」が少なくなった二つの理由

失われた心の余裕(中略)

課題達成にばかり目が向き、相手への関心を失い、心が通わなくなっている

作家 井上ひさし氏


・いやな思いをしたり、被害を被るのを警戒して、リスク回避をする人々が増えている。いまの世の中、いい思いはしても、いやな思いはしたくないという人が多く、いやな思いをすることへの警戒心が過度に膨れ上がっている。

挨拶する人が少なくなった第二の原因がここにある。


・相手の持つ親近性をどう引き出し、育てるか。次の三点に注目したい。

①相手に関心を持つこと
②相手を明るく受け入れる態度を保つこと
③相手の話を活かしていく努力をすること

自分のことをに関心を持ってくれ、気にかけてくれる人がいれば、誰でもその人に親しみを覚え、好意を抱く。反面で無視されるのを警戒もしている。


・「お前にちょっと頼みたいことがあるんだか、あとにするか」
ニヤニヤしながらこんなふうに言うと、子どもはつられて、身を乗り出してくる。
「なあに、頼みたいことって?」
「あとでいいよ」(中略)

人間、あとでいいと言われると、なんだろうと不思議に中身を聞きたくなったりする。返事には、子どもの心があらわれる。だから、子どもの心を読み取る手がかりでもあるのだ。メッセージの交換過程を話したり聞いたりやりとりのプロセスがコミニケーションである。


・コミュニケーションを支える三条件(中略)

①「お互いに」---話し手は聞き手を、聞きては話し手を、双方が相手をということである。

②「認識する」---相手の存在を認めること。目の前に人がいるのに、物でもどけるかのように、押しのけて降りていく乗客は、相手を無視しているのである。

③「理解し、尊重する」---相手を知らなければ話はできないし、また、理解できなければ、話は聞けない。一歩進めれば、理解できないことを理解しようと努めるのが、コミニケーションである。

④「メッセージの交換過程」---話したり聞いたりのやり取りのプロセスがコミニケーションである。話す一方、聞く一方ではやりとりにならない。


・子どもの前で言ってはいけないこと

①他人の悪口
②夫婦間の争い
③悪い冗談 ●「お母さんが死んじゃったら、どうする?」。もちろん冗談だが、子どもは本気で考えてしまう。
④強い否定の言葉 ●「お前なんか大嫌い!」「何度言ったらわかるの!」「何をやってもダメなんだから」。いくら、虫の居所が悪くても、親として言うべきではない。


・簡単に解決策を提示しないこと。
「ああ、それはこうすればいいんだよ」
これでは、妻にしたって、
「そんなことくらい、私だって考えたわよ」
と、ムッとする。
「キミはどうしたらいいと思うんだい?」
彼女の考えを聞いた上で、自分の意見を述べる。


・相談とは、一緒に考えることなのだ


・「勉強しなさい」と言わない(中略)人間、不思議なもので、催促されるとやる気がしなくなる。


・先回りしてあれこれ言うより、子どもが自分からその気になるように、コミュニケーションの取り方を工夫するとよい。


・「聞く=受け身のコミュニケーション」というイメージが定着してしまった。 (中略)待つという姿勢は、なんの働きかけもないところでは生きてこない。こちらから近づき、声をかけ、世間話などをして、ものが言いやすい雰囲気や状況づくりを、聞き手が行った上でなければ、「待つ」は生きてこないのだ。


・聞くのは受け身ではなく、活動であり働きかけ


・無口にも二つのタイプがある。

一つは「言ってもムダ」と諦めているタイプだ。以前、親に話したところ聞いてもらえなくて、
「バカだね、そんなことで心配するなんて、どうかしてるよ」
と片付けられてしまった。その経験が心に重くのしかかって、口を閉ざしている子どもに多く見られる。

二つ目は、自分の思いを、言葉に出してきちんと言えないタイプである。親が子供の言いたいことを先回りして言ってしまったり、子どもに発言の機会を与えなかったりした結果、思っていることうまく言えなくなってしまった子どもたちである。


・相手が話したくないことを無理矢理聞くのは、質問ではなく、詰問である。
「ウソをついてもダメよ。お母さんには全部わかるんだから」


・なぜ叱るかをきちんと伝える(中略)

オレはお前が自分で何かしたことに対して、怒ったことがあるか。何かすれば、失敗したって怒りゃしない。お前が、自分から何もしようとしないから怒るんだ。


・子どもを厳しく叱る時の心得

①愛情を持って叱る(中略)
②許せないことを叱る(中略)
③言葉遣いを叱る(中略)
④感情的に叱らない(中略)
⑤叱った理由を説明する


・ほめるという行為は、人が育つのを促すために行われるコミュニケーションである。相手が嬉しくなり、自信を得られるようでなくてはならない。そのために、何をどうほめたらよいか工夫するのである。


・欠点と長所は表裏一体、欠点は長所に通じる。とすれば、長所をほめるとは、「欠点をほめる」ことに通じる。


・短距離は無理でも、長距離ランナーとしてならば、力を発揮するかもしれない。マラソンの宗茂、宗猛兄弟の母親は、子どもたちが100メートル競争でビリになると、こう言ったそうである。
「あなたたちには、100メートル は短すぎるのよ」


・子どもをほめるときの心得

①長所を見つける(中略)
②実感をこめる(中略)
③タイミングよくほめる(中略)
④「ただし書き」はつけない(中略)
⑤「頑張る姿」をほめる


・「また、トイレの電気、つけっぱなし。まったく、だらしないんだから」
最後のひと言は余計だろう。非難には非難しか返ってこない。 こうした会話循環では、子どもを「攻撃型」か「閉じこもり型」の人間しかならない。


●書籍『子どもは「話し方」で9割変わる』より
福田 健 (著)
出版社: 経済界 (2009年2月初版)
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