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大坪 ケムタ 氏 書籍『少年ジャンプが1000円になる日~出版不況とWeb漫画の台頭』(コアマガジン 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『少年ジャンプが1000円になる日~出版不況とWeb漫画の台頭』(大坪 ケムタ 著、コアマガジン 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・Webの無料漫画やマンガアプリを読むようになって漫画と接する生活が変わった。とにかく単行本を買う量が増えたのだ。


・「出版不況」と言われる現状を知るべく様々なデータを追っていって気づかされるのは「漫画ですら不況」という側面。しかしまた別の角度で見ると、かつてない「漫画景気」がある。


・中には紙の雑誌よりも読み放題の方が読まれているものもある。たとえば2016年上半期『SPA!』は紙の雑誌の実売が5万6000部なのに対して、読み放題では12万も超えるユーザ読んでいる。それ以外にも2016年上半期のデータを見る限り『週刊プレイボーイ』『FLASH』『DIME』などは部数より読み放題のユニークユーザー総数の方が多い。


・最近では「電子書籍のみ」という出版物も珍しくなくなってきた


・コミックの電書化率は全体でいえばなんと49.2%。この数字は作品点数のみの比較


・『Gのサムライ』の単行本人を買って書影をツイートしてくれた人には、シモネタツイートをリプライで送ったんですよ。(中略)


あれはSNSを使った有効なファンクラブ活動だなぁと思いました。(中略)


読者のツイートひとつひとつに「ありがとうございます! あなたの家に未来からネコ型ロボットがやってきて、あなたがた夫婦の夜の営みにスパイスの役目を果たしますように! 『どこでも性感帯〜!』


・販促グッズを作って各書店に送るんじゃなくて、データをネット上にあげて、各お店でダウンロードしてもらうようにしました。


・最近は「漫画を紹介するための乗り物」ではなく、漫画そのものが投稿されて広まるメディアとなりつつあるツイッター。その「拡散」という力は紙メディアになかったものだ。


・誰でもぽんと発表できて、世界中の人が一斉に見られる。それがネットの良いところですよね。


・これからの優勝は審査員が決めるのではなく、ファンが作る。その在り方は実にネット的だ。


・出版社がデジタルコミックに力を入れているのは、もちろんそれによる収益が期待できるからですが、もうひとつ背景にあるのは、コミコやLINEマンガなどIT系の巨大アプリが新しい書き手を抱えていくことへの危機感でしょうね。


・『ブラックジャックによろしく』『海猿』の佐藤秀峰先生は、2009年頃から出版社との確執を理由にインターネットの活動にシフトすることを宣言。


・近年、日本にもアメコミファンが増えていますが、読者の数は限られている。しかし年齢が高く、数千円もする単行本が出て、着実に売れている現実があります。『薄利多売』ならぬ『高利薄売』が成立してるんですね。こうした売り方は1つのヒントです


・ASCII.jp 2017年0 3月0 1日「電子書籍で2億9000万円 漫画家・佐藤秀峰さんの収支報告」
http://ascii.jp/elem/000/001/436/1436928/


・出版社系アプリの強みは、既に漫画家を抱えているところと、過去の作品という財産があるところだ。特に過去の人気作の復刻連載はヒキが強い。


・アプリ収益世界8位にまで昇りつめたLINEマンガ

LINEマンガの強みは「無料連載」。250社以上の出版社・レーベルを通じて、約200作品が更新される無料連載プラットフォームであり、気に入ればそこから電子書籍を即購入可能。出版社横断ということで、まさにオールジャンルな漫画との出会いがあるそのトップページは、ある意味出版社が作る漫画雑誌以上に雑多で、文字通り「雑誌」らしさがある。


・出版社の紙の販売部でも『LINEマンガで連載が始まるのでこれ仕入れてください』と書店営業に活用しているということも聞きます。プロモーションの手段としてLINEマンガを考えていただけるいただけるようになっています。


・『まだ知られていない面白い作品を見つけて盛り上げたい』みたいな“応援”とか“発掘”みたいな要素が今の若い子にとって読みたくなる、読ませたくなる動機として大きいようですね


・今は「読みたい漫画だけ読みたい」。同じ「もったいない」でも「読む気のない漫画が入った雑誌を買うのがもったいない」という意識になってきている。そしてLINEマンガに限らずアプリだったら、読みたいものだけ読め、単行本も買うことが出来る。


・エージェント制とは、海外では芸能・スポーツ選手などでも多い契約のかたちだ。営業や契約、権利問題などのプロフェッショナルである“エージェント”と漫画家個人が契約。エージェントは独自のバイブで出版社やメディアに営業かけたり、トラブルの場合作家の代理人として処理する。一見「事務所所属」に似ているが、形式は漫画家がエージェントを雇う形になる。また作家の全仕事ではなく、作品単位の契約ということも可能だ。


・ LINEマンガの村田氏に再び聞いてみた。

「LINE漫画で『どのようなシーンで漫画を読みますか』ってアンケートをとっているんですが、その結果を見ると『紙で読むシーン』と『デジタルで読むシーン』が分かれているんです。デジタルだと多いのは通勤通学電車の中ってのが多くて、あと朝起きてベッドの中とか、寝る前ベッドの中とか。これって『1日の中でどんなシーンでスマホを使っているのか」というのとほぼイコールなんです。

それに対して、紙で読むのは家でくつろぎながら漫画に集中したい時。


・スマホは紙の敵ではない。スマホが生まれて、新しい漫画を読む層が掘り起こされた、という希望として捉えるべきだ。


・求められるのは「ストーリー」よりも「キャラクター」


近年、マニア向けの高額商品を出す流れは音楽業界にもある。2015年には、「国民的バンド」サザンオールスターズとMr.Childrenのアルバムがいずれも通常版と限定版の2種類が発売されて話題になった。


・漫画も音楽も無料で見たり聞いたり出来る時代、本やCDに特別な価値をいかにつけていくか、までこれから売り手は考えるべきなのだろう。握手券として買われるアイドルのCDのように、今後「本としての価値」を見られなくなることすらあるかもしれない。


・小飼弾さん(中略)にインタビューしたときに『固定ファンが3000人いれば食っていけるよ』って話をされていて(中略)

3000人ファンがいてくれて、そのうち2000人が月に100円払ってくれればなんとかなるかと


●書籍『少年ジャンプが1000円になる日~出版不況とWeb漫画の台頭』より
大坪 ケムタ (著)
出版社: コアマガジン (2018年2月初版)
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