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坂井 建雄 氏 書籍『腎臓のはなし~130グラムの臓器の大きな役割』(中央公論新社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『腎臓のはなし~130グラムの臓器の大きな役割』(坂井 建雄 著、中央公論新社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・腎臓という臓器は、背骨の両側に位置し、左右それぞれ一三〇グラムほどの小型の臓器である。腎臓の内部は皮質と髄質に分かれ、糸球体という毛細血管の糸玉と、そこから続いてぐねぐねと走る尿細管とからできている。腎臓は身体の状態に合わせて尿の成分を臨機応変に調整する。これによって体液の成分を一定に保ち、身体を作る細胞たちが生きるための環境を整えているのである。


・腎臓は、絶えず黙々と命を作り続けている。尿の成分のほとんどは水であり、そこに若干の塩分や、身体に不要な尿素などの物質が溶けている。


・実は消化器では、見かけ以上の激しい水分の出入りが起こっている。唾液や胃液などとして、大量の水が胃腸の中に分泌され、そのほとんどが再び吸収されて血液中に戻っている。その量は、一日あたり七~一〇リットルになり、飲食物として口から取り入れる量よりもはるかに大きい。


・一日に二度か三度、薬を服用するのは、血液中の薬の濃度を一定に保って効き目を保つためである。


・腎臓の中の血管の走り方には、他の臓器の血管と大きく変わっているところがある。普通の臓器では、動脈が枝分かれして毛細血管になり、それが再び集まって静脈となって出ていく。ところが、腎臓では、動脈から入った血液は毛細血管を二度通ってから出ていく。一度目の毛細血管は糸球体の中にあり、二度目の毛細血管は尿細管の周囲にある。両方の毛細血管の間は、動脈によってつながれている。


・人間が呼吸して吐き出す力の中には、相当量の水分が含まれている。また皮膚から蒸発して失われる水分も少なからずある。


・腎臓は、濃い尿を作ったり薄い尿を作ったり、尿の濃度を変えているが、尿細管の最後の部分である集合管の働きを変えることによって、この尿の成分と量の調整を実現している。


・人間の身体の中ではアミノ酸が分解されてアンモニアが生じるが、それが肝臓で作り替えられて無害な尿素になる。


・腎臓の大切な働きとして、体液の量と成分を一定に保つこと、そのために尿の量と成分を大幅かつ迅速に調節すること


・腎不全の原因となる慢性腎疾患(CKD)は、メタボリック症候群と密接な関係がある。


・腎臓は、無口でありながら誠実で責任感の強い臓器である。生命の維持に不可欠な体液の量と成分のバランスを、余裕を保ちながら黙々と守っている。身体にどのような無理がかかようと、腎臓は何の文句も言わずにその仕事をこなしていく。ストレスが加わるとたちまち音を上げてしまう胃や腸との大きな違いである。


・人工透析には二種類の方法がある。血液透析と腹膜透析である。


・現在、我が国で人工透析を受けている患者は三〇万人を超えている。そのうち九七パーセントの人は血液透析を、三パーセントの人が腹膜透析行っている。


・腎臓は再生することができない。だから糸球体の負担を軽くしたり、原因を取り除いたりして、腎機能が一定以上に悪くならないようにすることが大切である。要するに無理をしないで残された腎機能を大切に温存しながら生きていくこと、それが腎臓とともに生きる知恵である。


●書籍『腎臓のはなし~130グラムの臓器の大きな役割』より
坂井 建雄 (著)
出版社: 中央公論新社 (2013年4月初版)
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