FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 谷口 忠大 氏 書籍『ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム』(文藝春秋 刊)より

谷口 忠大 氏 書籍『ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム』(文藝春秋 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム』(谷口 忠大 著、文藝春秋 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・人生で読める本が限られているなか、一個人としての僕たちにとっては、「どんな本とどこで出会うか」の方が、ずっと大切な問題なのではないだろうか。


・本を薦める人は多数派ではない。たとえば、組織の中でも目上が目下に本を薦めるシーンはあっても、目下が目上に本を薦めるシーンは珍しいだろう。


・ビブリオバトルのルールはとても簡単であり、たった4つの項目で表現される。

【公式ルール】

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
2.順番に一人5分間で本を紹介する。
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分行う。
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたもの『チャンプ本』とする。


・ビブリオバトルが漫画を排除しないのは、漫画も立派な本であることを認めているからに他ならないが、だからといって、ビブリオバトルでは漫画が紹介されることはあまり多くない。


・時間が足りず途中で切れた場合は、なんとも滑稽で、観客から笑いが起こることが多い。ちなみに、五分以内で終わりそうになっても、五分間話さないといけないのがビブリオバトルのルールだ。


・ほとんどアドリブで五分間話すのだし、聞く側もそんな細かいことはあまり気にせず、暖かく見守る。ポジティブな空気がビブリオバトルの持ち味だ。


・ 一人につき発表五分と質疑応二〜三分で合計八分程度の時間を要するために、あまり発表者が多い、その分だけ時間がかかってしまう。(中略)

一回のビブリオバトルは経験上、四〜六人程度の発表者が適当だと思う。


・発表時間が5分の理由(中略)

三分で終わってしまう発表の多くは、ほとんど「あらすじ」だけである場合が多く、本の紹介として聴衆の聞きたい気持ちを十分に満たせていないことが多い。(中略)

五分という時間があることで、発表者はあらすじだけでなく、自分の感じたことやその本を読んだ理由など、ちょっとした自分史を語るようになるのだ。

聞き手は、本が紹介される時に実は、この読んだ理由や自分史にこそ喜んで耳を傾ける。


・投票権を一部少数のメンバーに集めると、発表者はそのゲームに勝つために、その場にいるみんなのためではなく、少数の審査員に評価されるような本を選び、審査員に受けの良い言葉で紹介し、語りかけることになる。


・ビブリオバトルには主に以下の四つの機能があるとしている。

1.「参加者で本の内容を共有できる」(書籍情報共有機能)(中略)

2.「スピーチの訓練になる」(スピーチ能力向上機能)(中略)

3 .「いい本が見つかる」(良書探索機能)(中略)

4.「お互いの理解が深まる」(コミュニティー開発機能)


・課題図書(中略)

「一人で見つけられないなら、みんなで見つければいいじゃないか」と考えた


・みんなで一冊ずつ本を読んできて、それをプレゼンして紹介しあう。その中で、みんなが一番「読んでみたい」と思ったことをみんなで読めばよいのではないか。そういう単純な発想がビブリオバトルの始まりだった。


・ビブリオバトルをやることで「本を通して、人が見えてくる」ということや、プレゼンテーションスキルが向上してくるということだ。また、ビブリオバトルをすることで、キャラが立ってくるのだ。

面白いと思った本の紹介を通して、人柄や興味がわかる。


・ビブリオバトルは「人を通して本を知る。本を通して人を知る」コミュニケーションの場作りの手法だ。


・ビブリオバトルでは発表者は本の紹介を通して、自らの解釈、人となりを吐露する。これが徐々に組織内部の共通知識を育んでいくことになり、コミュ二ティを育んでいく。その結果、コミュニティーの中でのコミニケーションが活性化されていく。


・ビブリオバトルが初めてマスメディアやネットメディアといった、一般向けのメディアに取り上げられたのは2010年2月11日、「Excite Bit コネタ」という小さなニュースであった。


・僕たちが禁じたいのは「ただレジュメを読み上げるだけの発表」なのだが、そのような発表では、(中略)まず「チャンプ本」に選ばれることはない。


・紀伊國屋書店とビブリオバトルの関係が生まれた。当時、著者や本屋が読者に働きかけるのではなく、読者同士が繋がる場に本屋はなり得ないか、という問題意識が紀伊國屋書店の中にもあったのだという。その後、書店で開催をできないかという話が持ち上がり、結実させたのが、紀伊國屋書店本町店(大阪市中央区)でのビブリオバトルの書店初開催だった。


・ 2011年3月13日には公共図書館として初めて、奈良県立図書館情報館にてオープンなイベントとしてビブリオバトルが開催された。


・ビブリオバトルは、もっぱらの公共図書館ではなかばタブー視されているニつの要素をはらんでいるからこそ、人々を惹きつけているのではないだろうか。

一つ目は「人を通して本を知る。本を通して人を知る」ことである。公共の図書館には、読書の秘密を守るという大きく、かつ大事な原則がある。(中略)

二つ目は、ビブリオバトルは賑やかな図書館を生み出すということだ。


・企業でのビブリオバトル(中略)

ビブリオバトルの導入初期は、プレゼンテーション力向上のための研修と思っていた人も多かったが、続けていくうちに「深く考える力」の涵養(かんよう)に効果を見出していくようになったそうだ。様々な書籍に触れるなかで、読者は著者の「深い考え」に触れることになる。


・教養特講の講義の中でも、僕たちのビブリオバトルの講義が就業力育成プロジェクトの言う『自分の言葉で表現できる学生』の育成の成果が一番大きかったんじゃないかなと自負しています


・ビブリオバトルの本質は、大人や子供が公園でフットサルやドッチボールをするように、みんなが草の根で興じることにある


・本をよく読んでいる生徒が、教室の片隅に座っているのではなく、クラスのヒーローになる。そんな世界があってもいいのではないかと思うのだ。


・「ビブリオバトル普及の目標は何ですか?」と、聞かれることもあるが、その質問には、「普通名詞になること」と、答えている。


・谷口 忠大 (たにぐち ただひろ)(中略)

ビブリオバトルの考案者。


●書籍『ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム』より
谷口 忠大 (たにぐち ただひろ) (著)
出版社: 文藝春秋 (2013年4月初版)
※amazonで詳細を見る