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富澤 豊 氏 書籍『ロングセラーを生み出す カスタマイズの法則』(日本実業出版社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ロングセラーを生み出す カスタマイズの法則』(富澤 豊 著、日本実業出版社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・本書は、ロングセラーを生み出すためのアイディアとして、「カスタマイズ」という行為に着目した。


・そんなダサイ通学カバンを、女子高生のほとんどは飾り立てている。もちろん校則の許す限りという条件付きであるが、だいたい何かしらのキャラクターアイテムをつけている。(中略)

ところで、OLや女子大生のカバンはどうだろう? ルイ・ヴィトンのモノグラムに、ディズニーキャラクターをつけている女子大生を見たことはない。ケリーバッグにジャラジャラと銀色のアクセサリーをつけているOLも見たことはない。(中略)

校則に縛られた女子高生たちは、限られた条件下で、自分のセンスの良さを周囲にアピールする。


・あるモノを自分仕様にカスタマイズすることにより、多くの人が持つありふれたモノにすぎなかったものが、自分だけのモノへと変化する。


・梅田の阪急百貨店の食堂で、「ソーライス」という、ごはんにソースをかけただけの食事をすることが学生を中心に流行った。(中略)

街の食堂には「ソーライスお断り」とする店も増えた。ところが、阪急グループの創業者の小林一三は、そんな学生を追い返すどころか、「ソーライス歓迎」の貼り紙をさせ、さらに福神漬けまでサービスしたそうである。「彼らは、今はまだ貧しいかもしれないが、いずれ結婚し、家族を連れて思い出の食堂に来てくれるだろう」という考え方である。


・ライフタイムバリューとは、ある企業がユーザに対して、一生涯の間にどれだけ価値を提供できるかということ。ある単品が売れたらそれで終わりではなく、そのまま長くつき合い続けるという発想である。


・ベトナムに派兵されたGIたちは、肌身離さず持っていた自分のジッポーに、思い想いのメッセージや図画を刻み込ませた。


・人間はなぜ愛着を求めるのか。それはアイデンティティが表現できず、ストレスを感じている状況下で安心を得るためである。


・人はなぜ、ケータイをカスタマイズするのだろうか。(中略)

本能的カスタマイズは、何らかの不安や不満を、身近なものをカスタマイズすることで回避し、安心を得る。


・根付は、侍から庶民にまで広がったカスタマイズだったが、武士に限定されたカスタマイズもある。それは日本刀の「鍔」(つば)である。


・市販されている多くの袋麺は、玉子を加える以外にも「野菜などを加えますと、さらに美味しく召し上がれます」と、積極的にカスタマイズを推奨している。


・ ひと手間加えるメニューとそのまま食べるメニュー(中略)

カレーは、その発祥であるインドでは、各家庭により、スパイスの調合や入れる野菜・果実がまったく違っているという。これは、日本の「みそ汁」の感覚に近い。インド版おふくろの味である。


・牛丼(中略)「自分はツユだく派」という人もいれば、「あえてツユぬきにして、生玉子をかける」といったマニアックな牛丼にこだわる人もいる。(中略)それぞれの好みの仕様があるのが吉野家なのである。


・「バイクはカスタマイズしてナンボ」とお考えの方もいるはずだ。(中略)ハーレーダビッドソン


・最もカスタマイズしてきた食品ーーー、それが「ごはん」ではないだろうか。(中略)

水分を調整する  おかゆ

混ぜる      おじや、雑炊、お茶漬け

混ぜて炊く    赤飯、炊込みごはん、松茸ごはん、カニ飯、鯖飯、パエリア、リゾット

具をのせる    牛丼、カツ丼、天丼、親子丼、豚丼、そぼろ丼、鉄火丼、ネギトロ丼、
         鰻丼、中華丼、麻婆丼、天津丼、カレーライス、ハヤシライス、
         ちらし寿司

混ぜて具を載せる   江戸前寿司

炒める        チャーハン、ナシゴレン、ジャンバラヤ

携帯する       おにぎり、巻き寿司、

保存する       餅、煎餅、鮒寿司

発酵させる      日本酒


・グーグルで「iPad アクセサリ」と入れて検索すると、表示される件数は約18万2千件。「ウォークマン アクセサリー」は約2万8800件。この差がそのまま、ソニーが逃した商機である。


・無駄がないからカスタマイズできる
あれこれ付け加えたくなる落とし穴


・ユーザーの声は神の声とは限らない


・削る発想がユーザーのカスタマイズをもたらす


・アンケート調査をする場合、「どんな機能があればよいと思いますか?」という設問は、時に愚問となる。むしろ、「あなたはどの機能を使っていますか?」と質問すべきである。


・テレビ番組に日清食品現社長・安藤宏基氏が出演したときのことである。カップ麺の製品開発について、こんなことを語っておられた。新製品をはじめとしたカップ麺の味についてのコメントである。

「ちょっと控えめくらいがいいんです。商品を作る時に、研究者は相当にうまいものを作ることができるんですよ。でも、インパクトがありすぎるよりも、ちょっと控えめ位くらいがいい。インパクトを求めたがるんですね、大衆商品ですから。インパクトがありすぎると、リピートが落ちてくる。濃すぎることもよくないし、薄すぎるのもよくない。ほどよいのが長くつき合っていくにはよい」
(テレビ東京系「カンブリア宮殿」、2008年3月31日放映分)(中略)


インパクトが強いと、発売当初の売上はよくても、いずれ飽きられるということである。


・石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)(中略)完璧すぎるヒーローは愛されることがない。むしろ「不完全なものが生み出す余韻」といえるものが、結果として多くの人に愛されると、石ノ森は語っていたそうである。


・ユーザーのカスタマイズニーズを刺激することは、自社製品に対する愛着を強ることにつながる。


・ロングセラーとは、単に長い間売れていればよいというものではないはずだ。コンセプトの確かさ、品質の高さ、価格の妥当さなど、製品のあらゆる要素をユーザーが高く評価していることが前提となる。


・「コンツアー・ボトル」を開発した。意匠登録もし、あのデザインを保護したことが、現在のコカ・コーラブランドの価値を確実に増大させている事は間違いない。


●書籍『ロングセラーを生み出す カスタマイズの法則』より
富澤 豊 (著)
出版社: 日本実業出版社 (2008年9月初版)
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