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安田 登 氏 書籍『能に学ぶ「和」の呼吸法~信長がストレスをパワーに変えた秘密とは?』(祥伝社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『能に学ぶ「和」の呼吸法~信長がストレスをパワーに変えた秘密とは?』(安田 登 著、祥伝社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・能の呼吸は「反復律動性の呼吸」である(中略)反復律動性の呼吸は、活気を保ちながらも、緊張・抑圧・混乱などを抑える効果を持っている


・なぜ現代、日本人は本番に弱いとか精神的に弱いといわれるのでしょうか。それは日本人の精神が「過敏」だからです。「弱い」のではなく「過敏」なだけ


・日本人が「敏感」なのは、その国土の特質に由来します。日本は島国です。そして土地も狭いために、そう簡単にどこかに逃げ出すわけにはいきません。イヤなことがあってもちょっとは我慢して、周囲の人との関係を常に穏便に保っておく必要があります。


・三野(美濃=岐阜)


・いまの日本人が精神的に弱いといわれる原因は、出口を見つけずに、ただ抑圧したり、激励したりするところからくる歪みの表れだということができるでしょう。

「過敏」さは、それがうまくコントロールされたときには異様なまでの「強さ」となって表れます。弱点は、それをちゃんと把握してコントロールすれば長所以上の強さを発揮します。


・能はこれとまったく違うアプローチをします。悲しいとか、楽しいとかそんな解釈は一切せずに、ただ「型」の稽古をします。この「型」は、舞の型だけでなく、謡の型も含まれます。(中略)

本番でも、ただ稽古したとおりに「型」をなぞります。そこにはこんな感情を表現しようなどという気持ちはまったくありません。が、観客は感動します。しかも、その感動は悲しいとか、楽しいとか、そういうことを超越したもっと深い部分での感動です。


・同じストレスでも「認知」を変えれば反応も変わる


・「能」の呼吸法(中略)

ゆっくりと繰り返される、リズミカルな深い呼吸は、「反復律動性の呼吸」と呼ばれます。


・「反復律動性の呼吸」はやる気を増し疲労や混乱を減らす


・反復律動性の呼吸は次の三要素を満たした呼吸です。

●意識的な呼吸
●リズミカルに繰り返される深い呼吸
●呼気(吐く)優位の呼吸


・本番において大切なことは、緊張や不安をちゃんと抱えながら、しかしそれを適切な状態に保つことです。


・行動エネルギーを大きくしようとするならば、不安や恐怖、すなわちストレスは大きいほうがいい。これが彼(織田信長)が、わざわざ敵を近くまで招いた理由です。


・いま日本で紹介されている呼吸法は、江戸時代の禅僧、白隠禅師が紹介したものがほとんどです。


・『中庸』は四書の中でも最も抽象的で、しかも難解です。『中庸』一書が理解できれば儒家の思想のほとんどが理解できたといってもいいくらいの書です。


・自分の感情に自然であり、自己の思慮に責任を持つこと、それが「中庸」です。だからこそただ隠棲をするではない。自己に閉じこもらず積極的に外界と調和することを主張します。枯木のように無になるのではなく、外界と接して喜怒哀楽を感じながら、しかもその喜怒哀楽の心の動きそのものの中にこそ、外界と調和する「中庸」の状態がおのずから備わっていると考えるのです。


・足裏を意識した「かかと呼吸」をすることによって、身体全体を使った全身呼吸を行うことなります。


・深呼吸というと「吸って吐く」という順番でしがちですが、「呼吸」という語を見てもわかるとおり東洋の呼吸は「吐いて(呼)吸う」のが」基本です。


・丹田はお腹の表面ではなく、その奥です。仙骨の二番目の前側に人間の重心がありますから、そこを丹田と呼んだのかもしれません。


・桶狭間の戦いは、誰もが織田信長が敗北すると思っていました。(中略)そのすごいストレス下で、彼は「人間五十年」という幸若舞(こうわかまい)『敦盛(あつもり)』を舞います。そして、その舞歌によって、ストレスを行動エネルギーに変えたのです。


・火事場の馬鹿力を競技の場で出す人たちがいます。たとえば重量挙げの選手です。彼らがすごい力を出すときに必要なものがふたつあるといます。ひとつは目であり、そしてもうひとつが声です。このふたつは密接につながっていて、声を出すときにも目は大切です。


・「ハッ」という能の掛け声などの激しい発声時には、呼吸横隔膜とともにこの骨盤横隔膜も一緒にして収縮されています。身体イメージでいえば、肚と肛門とを瞬時に引き上げるようなイメージです。


・声が自分のブレーキを外す(中略)

重量挙げの選手は、声を出すことによって自分の中のブレーキを外し、最大筋力に近い力を出します。テニスや卓球の選手も大きな声を出すことで有名です。スポーツや武道をする人の多くは普段の力以上のものを出そうとするときに、声を出すのです。


・無意識にかけているブレーキを外す声、それは激烈な響きを持った声、すなわち本来の意味での「歌」なのです。


・好きな人は好きですが、異常なまでに嫌う人が多いのも東洋音楽の特徴です。笑たくなったり、不快な感情が起きる人も思います。


・武道や能の掛け声は、お笑いに使われます。笑いの裏には必ずと言っていいほど恐怖が顔を隠しています。人はノイズが怖いのです。無意識に恐怖を感じていると人は笑ってしまいます。


・稽古とは「古(いにしえ)を稽(かんが)える」という意味


・基本姿勢スカイフックで立ち、丹田を感じる

頭の上にフックがついていて、それで天から吊られている姿をイメージする。これを「スカイフック」と呼ぶ。次に、軽く膝を曲げ、両足裏で床を押し、それと同時に膝を元に戻す。足裏から頭頂につながる軸を感じるようになり、体の真ん中に丹田があるのを感じる


・不安をエネルギーに変える基本
呼吸
すべては呼吸に始まり、呼吸に終わる(中略)息は「生き=活き」に通じます。


・かかと呼吸では、足の裏から息を吐いたり、吸ったりするイメージを持ちながら呼吸をします。


・「三呼一吸法」、反復律動性呼吸の特色である吸気の重視、それが荘子の呼吸法の基本なのです。


・具体的には次のように行います。

●吹(ハー!=あくびのように口を大きく開けて息を吐く)
●呴 (フー=静かに息を吹きかけるようなつもりで吐く)
●呼(ハッ! =最後に体中の力をすべて吐き出すようなつもりで大きく吐く)


・反復律動性の呼吸に声が加わると、ストレスを行動エネルギーに変換することができるようになります。


●書籍『能に学ぶ「和」の呼吸法~信長がストレスをパワーに変えた秘密とは?』より
安田 登 (著)
出版社: 祥伝社 (2018年8月初版)
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