FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 三品 和広 氏 書籍『リ・インベンション~概念(コンセプト)のブレークスルーをどう生み出すか』(三品 和広 著、三品ゼミ 著、東洋経済新報社 刊)より

三品 和広 氏 書籍『リ・インベンション~概念(コンセプト)のブレークスルーをどう生み出すか』(三品 和広 著、三品ゼミ 著、東洋経済新報社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『リ・インベンション~概念(コンセプト)のブレークスルーをどう生み出すか』(三品 和広 著、三品ゼミ 著、東洋経済新報社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・リ・インベンションとは、直訳すれば「狙い定めた事物をゼロから再発明する」という意味ですが、それを私は「前衛への挑戦」と意訳します。前衛とは、先駆的かつ実験的な創作のことで、規格大量生産の対極に位置する概念です。


・一九世紀末、それまでの努力の方向性を真っ向から否定するような発明が誕生しました。その発明とは、写真技術です。イーストマン社による簡易カメラの実用化に伴い、写真はいよいよ画家の商売を驚かすようになりました。(中略)

彼らは光や風景の一瞬をとらえ、感じたままにキャンパスに色をのせて描き上げる新たな流派を生み出しました。白黒写真には出せない色や、光を表現することに重点を置いたのです。


・ホヴディング
自転車用ヘルメットをつくり直す(中略)

このヘルメットは、普段はスカーフの形をしていますが、いざ事故に遭遇すると、スカーフの中からヘルメットが飛び出してきて、頭部全体を保護します。言うなれば見えないヘルメット、それがホヴディングです。

※参考:ホヴディングのウェブサイトはこちら


・ホヴディング
自転車用ヘルメットをつくり直す(中略)

ホヴディングには、高度な技術が使われています。飛び出すヘルメットの正体はエアバッグで、その中には事故を検知するセンサー、エアバッグ本体、エアバッグを膨らますガスインフレーター、事故の発生時にサイクリストの動きを記憶するブラックボックス、およびUSBポートが掲載されています。エアバッグが開いてしまった製品は、割安に提供される新品と引き換えに回収され、ホヴディングの改良に活かされます。


・ホヴディング
自転車用ヘルメットをつくり直す(中略)

ホヴディングは公的機関のお墨付きを得ています。EUの厳しい安全基準をクリアして、自転車用ヘルメットを販売するライセンスとも言うべきCEマークもホヴディングも取得しているのです。


・ホヴディング
自転車用ヘルメットをつくり直す(中略)

スウェーデンは世界で第四位の自転車保有国です。保有台数は人口の七割に達してており、若者からお年寄りまで皆が自転車に乗ります。スウェーデン人にとって自転車は重要な交通手段なのです。


・ホヴディング
自転車用ヘルメットをつくり直す(中略)

ホヴディングは、従来型ヘルメットに比べると五割増以上の価格を設定しています。日本円では四万五〇〇〇円相当です。二〇一一年一一月に販売を開始して、半年間の販売実績は七〇〇個だそうです。


・レボライツ
自転車用灯火装置を創り直す(中略)

注目すべきは、走行中にタイヤ全体が光るのではなく、前輪は前半分、後輪は後半分だけが光る点です。それを可能にするのは角速度センサと、そこから送られてくる信号を処理するソフトウェアにほかなりません。


・発売前の段階で潜在顧客からフィードバックを受けられたのは、クラウドファンディングならではのメリットでしょう。


・経験のない人物は業界の一般常識に毒されていないため、新鮮なアイデアを思いつきます。凝り固まっていないエンジニアの方が、ずば抜けて良いアイデアを思いつくものです


・アイパッドは、「ブラウジング」に不必要なキーボードとマウスを捨て去って、USBポートやイーサーネットポートまでなくしてしまいました。まさに引き算の美学と言ってよいでしょう。


・ベイブレード
ベーゴマを創り直す(中略)

ベイブレードを一言で説明するなら、現代版のベーゴマです。ベーゴマは平安時代、バイ貝の貝殻に砂や粘土を詰めたものをひもで回したのが始まりとされています。これは「バイゴマ」と呼ばれ、この「バイ」がなまって「ベーゴマ」という名前になったそうです。


・ベイブレードは八〇種以上が売り出され、パーツの組み合わせは四〇〇万通りに達しています。これが、子どもたちの奥の深い世界で独自の組み合わせを見つけようと夢中になるゆえんです。


・ウォークマン
カセットテープレコーダーを創り直す(中略)

たとえば、録音機能を取り去ったり、ヘッドホンを使うことについては、社内でも最後まで抵抗がありました。それを押し切ることができたのは、ウォークマンがただの新製品ではなく、いままでにない音楽の聴き方を提案するものであると、大曽根氏が明確に理解していたからでしょう。そして、コンセプトが妥協なく、忠実に形になったとき、熱狂的なファンが生まれたのです。


・ウォークマン
カセットテープレコーダーを創り直す(中略)

テープレコーダーが普及して、音楽を録音したカセットテープを何本も保有するようになっていた消費者は、とり貯めたテープを聞く手段を潜在的に求めていたのです。


・ウォークマン
カセットテープレコーダーを創り直す(中略)

なんとしてでも実現したい新しい音楽の楽しみ方が明確に像を結んでおり、それを時代が暗黙裏に求めていたところに、成功の真因があります。そして、一日持ち歩いても疲れないところまで軽量化するために、カセットオーディオの必須条件であった録音機能を思い切って取り払ったり、コンパクトなボディーで最高級の音質を実現するところまでこだわり抜いた姿勢が、ウォークマンに元祖ヘッドホンステレオの称号を与えたのです。


●書籍『リ・インベンション~概念(コンセプト)のブレークスルーをどう生み出すか』より
三品 和広 (著)
三品ゼミ (著)
出版社: 東洋経済新報社 (2013年3月初版)
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