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ビートたけし 氏 書籍『「さみしさ」の研究』(小学館 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『「さみしさ」の研究』(ビートたけし 著、小学館 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・歳をとるっていうのは残酷だよな。昔の自分と比べて、ドンドン不自由さが増していくのがよくわかる。だから、多くの男たちは老いることに一抹の「さみしさ」を感じてしまう。


・老後なんてのは「くだらなくて、みすぼらしい」のが当然だ。それを「素晴らしいもの」「いいもの」にしようなんて思うから、かえって辛くなってしまうんだよ。


・男が老いと付き合っていくということーーーそれはちょっとカッコつけて言えば、必ずやってくる「さみしさ」とどう向き合うか、ということなんだと思う。


・人生は、年齢を重ねるほどつまらなく不自由になっていく。夢のように輝かしい老後なんてない。それこそが真理だ。老いるっていうことは、想像している以上に残酷だ。まず、それを受け入れることから始めないとさ。


・「何も持っていないジジイ」っていうのは、逆転の発想すれば守るものがない「怖いものなし」の存在ってことでさ。


・総じて「世間や家族に尊敬される人間じゃなきゃいけない」って考えて、それががんじがらめになっちまってる気がするんだよな。

その考え方には大きな落とし穴がある。それは、「尊敬できる老人」かどうかを判断するのは、大抵が自分たちより若い世代の奴らだってことだよ。(中略)

他人からどう思われるかじゃなく、自分が満足いくかどうか。そっちのほうが大事なんだよな。


・自分がいかに知識がないか、知らないことがたくさんあるかを知ること。それしか自分を客観視できる力を鍛える方法はないんだからさ。


・行方不明の2歳児(中略)

子供は高いところに登る習性がある


・世間が落ちつける「充実した老後」なんてものに縛られる必要はない。何かやりたいことがあるヤツは残った時間をそこにガンガン費やせばいいし、特にやりたいことがなけりゃ、ただボーッと暮らしたっていい。そんな当たり前のことすら、ハッキリと言えないバカな世の中になってきている。


・そもそもオフィス北野は、オイラと軍団のヤツラがワイワイ楽しくやっていくための事務所だ。オイラがジャンジャン稼いでいるのに、一部のスタッフだけが懐を潤わせてて、軍団がカツカツだっていう状況はやっぱりおかしいよ。


・「生」にしがみつくっていうのは、なんだか絶対的な存在である「死」の反対側に怖いから逃げていくだけっていう気がしちゃうんだよ。


・自分の限界がわかって、「できること」と「できないこと」が判断できるようになると、自然と肝が据わる。「人はいづれ死ぬ」という当たり前のことを受け入れられるようになって、少々のことでは動じなくなる。もし「理想の老い」ってのがあるとしたら、そういうことなんじゃないだろうか。


・芸能界の「二世の不祥事」を見れば、親が出張ることの珍妙さを感じずにはいられない。(中略)

「世間をお騒がせして申し訳ありません」なんて言っちゃってさ、とっくに成人してる男の犯罪に、親は関係ないだろ。


・アメリカじゃ「成人の犯罪は家族に責任がない」って考えが定着してるから、そういう「一族連座」みたいなことにはならないんだよ。もしかしたら、二世の不祥事をタレントがペコペコ謝っているうちは、ニッポンは本当の意味で先進国にはなれないのかもしれないぜ。


・老人の運転もそれと同じだ。自分で「退き際」を客観的に見られるかどうか。それが重要なんだよ。こればっかりは、自分の実力を過信したら取り返しがつかない。


・“頭が回るヤツ“かというと、必ずしもそうじゃない。ただ受験勉強のテクニックに秀でているだけで、社会を生き抜く知恵を持っているとは限らないわけでさ。


・世の中は「◯か×か」じゃ決まらないことだらけなのに、そうゆう純粋培養のヤツラは「こっちが正しくてこっちが悪い」っていう二元論にすぐ寄りかかっちゃう。マークシートの解答みたいで、そっちのほうが居心地がいいんだろう。


・「単純な二元論を疑え」っていうのは、老後を生きるための手がかりになるんじゃないかとは思っている。


・オイラが「死刑廃止論者」である理由。「命の重み」がわからないヤツに、死刑は意味がない。(中略)

必死に生きていない人間には、死は重みを持たない(中略)

2001年に大教大付属池田小事件で児童8人を殺した宅間守はその典型だった。本人が「早く死刑にしろ」なんて言ってやがったのに、望み通りすぐ死刑にしてやったのは大きな間違いだったと思う。


・オイラが「死刑廃止論者」である理由。(中略)

「死刑=最高刑」という考え方はもう古い、これからは「これなら死んだほうがマシ」というくらい「生きていく辛さ」を思い知らせる形を考えなきゃいけない。


・松方弘樹さん(中略)

あの人は、とんでもなくカネ払いが良かった。あんなに大豪儀な人はなかなかいないぜ。京都で超一流のステーキ屋に連れてってくれたときは驚いたよ。なんと5人で食いに行って、その勘定が2000万円だぜ。(中略)

ロマネ・コンティのビンテージものだか、1本数百万円するようなヤツを10本近く飲んじゃったんだ。


・オイラは映画ってのは「間」の芸術だと思ってる。作品中の間もそうだし、役者と役者の間の取り合いってのも大事だ。樹木希林さんはそれがバツグンに上手かった。共演俳優がいくら熱演していても、そこに台詞をかぶせちゃったり、逆になかなか台詞を言わないことで間を外すこともあった。相手の演技を潰して、自分のペースにしてしまえる役者だった。


・結局、テレビの世界で「ウケる」っていうのは、意外性があるかどうかに尽きるんだよ。


・結局、生き残るのに大事なのはネットだとかテレビだとかという「箱」の問題じゃなくて、どんな媒体であろうが、客の心を動かせる「核」を持っているかどうかにかかっている。(中略)

要は「客が見たいと思うのは何か」ってことに尽きるんだよ。


・都民ファーストのファーストってのは「一番」の「FIRST」じゃなくてファストフードの「FAST」だったんじゃないか。お手軽なだけがウリで、使っている材料は安物ばかり。とにかく薄っぺらで画一的な味というね。


・タレントでも政治でも、人気商売ってものの基本的な考えは「新鮮さが薄れるほど人気が落ちる」てことだ。勢いがあって、世間の注目が集まっているうちに「次の手」を打っておかないと、世間はドンドン飽きていってしまうんだよ。


・大人が子供のために考えた道徳なんて、「都合のいい子供」を育てるための道具みたいなもんで、子供を育てるために必要なのは、道徳の授業なんかじゃなくて周りの環境だ。上から押しつけたルールを守らせるんじゃなくて「自分で考えて動くことができる子供」を育てるほうがよっぽど大事なんだよ。


・「危なっかしいものは排除する」って理論はけっこう危険でさ。世の中にドンドン余裕がなくなってる気がするんだよな。

結局そういう風に表向きだけキレイに取り繕ったって、PTAが気にするような“汚いモノ“は見えないところに隠れちまうだけだからね。


・政治家も「少子化対策は急務」とか言っておいて、片方じゃセックスを「わいせつ」と咎めるのはナンセンスだろっての。


・日本のスポーツ・教育の現場で「パワハラ」が止まないのは、子供たちをなめているからだ。


・オイラの話なんだけど、こないだ小学校時代の先生とメシを食った。足立区の梅島第一小学校てトコで、2年生から6年生まで担任だった藤崎先生っていう人なんだけどね。


・炎天下で投げ続けた金足農業・吉田を褒め讃える。のは「ハラスメント」じゃないか? (中略)

そもそも、こんな炎天下の野外で野球をやるのも、過密日程で肩を酷使するのも、全く理にかなっちゃいない。一刻も早く対策をとらなきゃいけないはずなのに


・地方の公立高校がエリート私立をバッタバッタなぎ倒すというのは、ニッポン人がいかにも好きそうなストーリーだよ。


・芸能人なんて、世間に顔が知られているだけで一般の人たちにとってみりゃ「心の底では腹立たしい存在」に決まってる。人気があって、女にモテて、それでカネまでもらいやがってってね。


・今や30代や40代の男すらガキみたいに見えちゃう。「高齢化社会」てのは実は「大人の幼稚化社会」なのかもしれないな。


・ホリエモン(堀江貴文)やらも「文春は調子に乗ってる」なんて批判してたけど、お前が何言ってるんだってツッコミたくなるね。自分こそメディアを利用して「時代の寵児」みたいなイメージを使って、サンザンやりたい放題やってたクチじゃないかってさ。


・旦那のいる女がヨソで男を作ったとなると、世間は大騒ぎでね。特に同性である女から「許せない」ってギャンギャン批判されちまうんだよな。ベッキーが復帰しようってときにクレームを入れたのは、ほとんどが主婦だったっていうしさ。(中略)

だから不倫の当事者は、男に比べてオネエチャンのほうが損をしてしまうというね。(中略)

ホントのところで「男女平等」なんて求めちゃいないってオチなんだよな。


・何を考えてるかわからないトップなんて、メーワクでしかないからね。


・そろそろ大相撲は「スポーツ」なのか「神事」なのかをはっきりさせたほうがいい。

栃ノ心みたいなヨーロッパ出身者とか、モンゴル勢とかが活躍して「相撲も国際化してよかった」って言うなら、インターナショナルスポーツとしてルールを固めなきゃ。カチ上げ、張り手「OK」なのか「禁止」なのかを定めて、世界の誰もが納得するルールを作るしかないよ。(中略)

もしエンターテインメント産業として本気で生まれかわる気があるなら、いろんな「新プラン」を考えなきゃな。(中略)

とにかく「客が見たい対戦」を優先的に披露するんだよ。最初はやっぱり「日馬富士VS貴ノ岩」の因縁対決だよ。引退した日馬富士をモンゴルから呼び寄せてね。この一番では、凶器としてビール瓶とカラオケリモコンを使ってもいいルールにしてさ。


・人間の仕事がAIに奪われるという大ウソ。得するのは、一部の賢い人間だ。(中略)

このAI化を進めているのは、何より「賢い一部の人間」なわけでね。

AI化の問題ってのも、本質的には「格差」なんだよ。賢くてカネを持ってる人間が、「普通のヤツ」に払う金をケチろうとした考えた結果が、AI化なんでさ。人間みたいにバカなミスはしねェし、窓口でクレーマーと揉めることもない。機械のほうが人間より安くて便利でよっぽどいいじゃねェかってことでさ。


・これから貧乏人で学ばないヤツが出世するのはドンドン難しくなってくるね。AI化ってのはニッポンの二極化を固定する最終兵器みたいなもんだよ。


●書籍『「さみしさ」の研究』より
ビートたけし (著)
出版社: 小学館 (2018年11月初版)
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