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宗田 哲男 氏 書籍『甘いもの中毒~私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体』(朝日新聞出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『甘いもの中毒~私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体』(宗田 哲男 著、朝日新聞出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・「賢い子」はお肉しか食べない(中略)

とくに食べ始めの赤ちゃんは、おかゆを嫌がって食べたがりません。では、何が好きなのか。子育て経験のある方なら心当たりがあると思います。赤ちゃんが最初から好んで食べたがるのは、実はお肉(魚介類を含む)です。(中略)

なぜかというと、お肉こそが私たちヒトの本来の主食だからです。一番主食から遠い食べ物がお米だからでしょう。


・子どもが食べたいと感じているお肉を食べさせたほうが、もっと丈夫なよい子に育ちます。お米ばかり食べるよりはお肉ばかり食べたほうが、本当は医学的・栄養学的には断然よいのです。


・お米の主成分である糖質には、(中略)「麻薬」(ドラッグ)のような作用もある


・お米は大量の「砂糖」(中略)砂糖水とごはんの食後1時間の血糖値は、じつはまったく同じ数値になるのです。


・私たちの健康にとって危険な糖質は、むしろ「甘くないもの」に潜んでいるのです。


・炭水化物とは「糖質と食物繊維を出したもの」です。さらに、糖質を分類すると、主に単糖類・二糖類・多糖類に分かれます。


・「脂っこい肉は太るもの」だと思っていて、ごはんやパンといった「炭水化物は太らないもの」と思っているのではないか(中略)

実は、これが肥満にまつわる二つの大きな誤解です。つまり彼女は、知識不足ゆえに90キロにまで太ってしまったわけです。


・ヒトは、①食品に含まれる脂質やタンパク質で太るのではなく、あくまでも炭水化物に含まれている糖質で太るのです。すなわち、②食べ過ぎて太るのではなく、糖質の摂り過ぎで太るのです。


・炭水化物とは、栄養学的に厳密にいえば「糖質と食物繊維を足したもの」。医学的に補足すれば、食物繊維は体によいもので摂り過ぎによる弊害もありませんが、糖質の摂り過ぎは肥満や糖尿病といった健康問題を引き起こします。


・たとえは、2リットルのコカ・コーラには200gもの糖質が含まれているので、一気に飲めば、血糖値は500ほどにも上がってしまうのです。


・ビタミンB郡は非常に重要な栄養素で、生命活動に必要なエネルギーを産生する細胞内の「クエン酸回路」(TCA回路)に働きかけて、それを稼働させています。


・糖質過多の人は、クエン酸回路を有する細胞内小器官の「ミトコンドリア」の元気がなくなっているとも言えるでしょう。


・先ほどは糖質過多になる誘因が「思い出」や「習慣」と深くかかわっていると述べましたが、そんな経験がなくても、まさに反射的に「おいしい」と感じて、また食べたくなるわけです


・じつは、砂糖は脳に強い影響を及ぼして「麻薬」のような役割を果たしてしまうのです。つまり「甘いもの」は、私たちの意思に関係なく、脳に直接働きかけて糖質過多になるように誘うことができる物質というわけです。


・じつは、砂糖と白米も麻薬と同じく、脳内のドーパミン報酬型を強く刺激します。だから、本人の意思とは無関係に依存症になってしまう危険性が高いのです。


・この実験は、砂糖の濃度が10%を超えるエサを与えられたラットが確実に砂糖中毒になることも明らかにしています。


・つまり、人工甘味料では血糖値が上がらないのでインスリンは分泌されないということです


・じつは、ヒトの「もっと食べたい」という欲求は、インスリンが分泌されることによって脳内の摂食中枢が刺激されて生まれます。(中略)

だからこそインスリンを分泌させない人工甘味料は「もっと、また」という「癖」にならないわけです(ただし、人工甘味料のサッカリンを食べさしたラットの実験では、麻薬と同じ状態になったとの研究報告もあります)。


・たっぷりと「甘いもの」に浸っている糖尿病とわかった人に、その瞬間から「糖質は全部やめなさい」といっても、まずできないでしょう。それよりは「砂糖は人工甘味料に代えなさい」と指導したほうが、はるかに現実的なわけです。


・つまり、ヒトは栄養価の高い肉類(脂質とタンパク質)を食べられるようになったおかげで、脳の容積が増えて、生存競争に必要な知恵を発達させることができたと考えられるのです。


・「食の欧米化」で日本人は長寿世界一になった(中略)

1950年の平均寿命は男性58歳、女性62歳でした。当時トップクラスのオランダは男性71歳、女性73歳ですから、それに比べるとかなり短命だったわけです。


・じつは、最近の研究でも「欧米型の食事のほうが長生きする」ということが明らかになっています。


・秋田県の人は塩分だけが過剰なのではなくて、漬物と一緒にお米もたくさん食べるわけです。じつは、お米による糖質過多によって血糖値が上がり、血圧も上がって、脳卒中になっていたと考える方ほうが理にかなっているのです。


・お米をたくさん食べる村の人たちは短命であると、はっきり報告されています。


・高級食材の「フォアグラ」でしょう。よく知られているように、ガチョウの脂肪肝であるフォアグラは、肝臓に脂肪を蓄えさせるエサを大量に与えることで、人工的に作られています。


・つまり糖質過多は、老化の元凶である「糖化」と「酸化」の両方を加速させてしまうわけです。


・要するに、糖尿病はいわば田舎の病気になっているのです。(中略)


鉄道網に恵まれていない田舎のほうが車での移動が多いのです。つまり、田舎の人ほど歩かないというわけです。とくに田舎のお年寄りは、食事も昔ながらで、ごはんに根菜といった糖質が多く含まれる炭水化物が中心です。脂質はタンパク質が豊富な肉類をあまり食べず、そのうえ体を動かさないのですから、総じて糖尿病になりやすいのです。


・日本には、1965年から日本糖尿病学会が出版している『糖尿病食事療法のための食品交換表』という冊子があります。一般向けに広く販売されていますが、栄養士のバイブルの一つともいわれている、いわば栄養指導の教科書です。

※参考:※amazonで書籍『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』(日本糖尿病学会 編さん、出版社: 文光堂、2013年11月初版)の詳細を見る


・まず重要なのは、日常の食生活においては「糖質が血糖値を上げる」という科学的常識をいわば覚えてしまうことです。


・いまだに「脂っこい欧米型の食事が糖尿病を急増させた」などと解説する専門家が少なくありません。これはまったくの誤解といってよいでしょう。重要なことなので何度も繰り返しますが、三大栄養素のうち、タンパク質や脂質ではなく、糖質こそが血糖値を上げる元凶なのです。


・糖質は骨格や細胞をつくるために役立つ栄養素で、体内でアミノ酸にも変換されますが、メインの使われ方が脂肪として蓄えられることなのです。


・炭水化物=糖質を制限しただけで糖尿病が改善できた


・大量のインスリン投与が突然死を招いた


・インスリンには活性酸素を大量につくり出して細胞を酸化させるマイナスの働きがあるので、インスリン投与によって細胞が酸化されて、合併症を引き起こす原因になっていることは容易に推測できることなのです。


・糖質制限こそが生活習慣予防=アンチエイジング(抗加齢)に最も効率的かつ合併的な食事法であると確信しています。(中略)

大きな理由は、糖質の摂取量を制限することで、血管の損傷=動脈硬化を招くといわれる「血糖値スパイク」(血糖値の乱高下)を確実に抑えることができるからです。


・「糖質制限」という食事法です。たったそれだけで、血糖値スパイク=インスリンの過剰分泌がなくなり、血管の損傷=動脈硬化が抑えられ、生活習慣予防=アンチエイジングが実現します。しかも、いまのところ深刻な弊害は「ルール」を守っている限り一切ありません。


・スウェーデンではすでに2008年から、社会保険庁が肥満・糖尿病の食事療法の有効性を認めています。また、英国の糖尿病学会は2011年から、米国の糖尿病学会も2013年から、食事療法の選択肢として認めているのです。


・重要なことなので何度も繰り返しますが、血糖値を上げるのは糖質だけです。


・近年では、「卵を一日2個以上食べると、血中のコレステロール値が下がる」といった、まったく逆の研究データがいくつも発表されているのです。つまり、食品に含まれるコレステロールと血中のコレステロール値には因果関係がないことが明らかになったのです。


・たとえば米国の公立の小・中学校では、糖質過多の清涼飲料水の販売が2009年から全面的に禁止されているそうです。カリフォルニア州バークリーなどでは炭酸飲料などに課税する「ソーダ税」も導入されています。ワシントン州やシアトルなどでも2018年から課税が始まるといいます。


・コカ・コーラは、砂糖に代わる「天然で安全、低カロリー、砂糖のような味覚が得られる甘味料』を専用ホームページで賞金をかけて募集するなど、いわば「脱砂糖ビジネス」を早くも模索しているようです。


・じつは、胃はタンパク質を分解しますが、炭水化物は分解できません。つまり、お肉は消化がよく、お米や小麦は消化が悪いというわけです。


・「お腹を壊したら、おかゆ、うどんがいい」などとよくいわれますが、まったくの間違いであって、本当は肉のほうがよいのです。


・糖質制限をしてお肉中心の食生活になると、ごはん中心の食生活で感じていたような「空腹」を、それほど感じなくなります。


・食べた糖質を脂肪にして蓄えるのがインスリンの働きだと述べました。これはつまり、人体にが糖質を「ブトウ糖のまま」長期的に大量に備える仕組みがそもそも備わっていないということを意味しています。


・「私たちは、自分の体内でブドウ糖をつくれるのだから、外から糖質を入れる必要がない」ということなのです。


・ケトン体こそ、人類本来のメイン・エネルギー


・よく騒ぐ乳幼児に肉類を食べさせようにすると、不思議なくらい落ち着くようになります。日本の赤ちゃんや子供どもは総じて鉄不足と考えてよいのではないでしょうか。


・血糖値が極めて高い数値で常態化している糖尿病患者の傷は、ほとんど治らないといわれています。しかも、インスリンで無理やり下げても治らないのです。ところが糖質制限をしたら治ったわけです。


・ケトン体は認知機能を高める(中略)

たとえば、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の功刀浩氏らと(株)明治の共同研究グループは2016年8月に、中鎖脂肪酸(MCTオイル)を含むケトン体の摂取により、認知症でない高齢者の認知機能が向上する」という研究結果を発表しました。


・じつは前途の食用油の中で、ココナツ油が唯一、食べれば食べるほど血中のケトン体が増えてくる油なのです。


・つまり糖質制限には、がんの成長や増殖を抑える効果が期待できるのです。方法はいたってシンプルです。がんのエサであるブドウ糖の摂取を断って、いわば兵糧攻めにしてがん細胞を餓死させればよいわけです。


・ケトン体の「サプリメント」も登場

米国では、すでにケトン体そのもののサプリメント(栄養・健康補助食品)が販売されています。それを飲むと糖質制限をしなくてもケトン体の血中濃度が上がるというものです。


・徹底した糖質制限によってがん細胞を「餓死」をさせることで、ステージ3ならかなり治る、ステージ4でも体力があれば治ることがわかってきました。


・日本の医師が「インスリン注射」にこだわる理由(中略)

糖質制限で糖尿病が治せたら、格段に医療費を削減できるでしょう。けれども、それが達成されたら医療関係者の収益は激減してしまうわけです。要するに、今日の日本に温存されている医療費の構造じたいがおかしいということなのです。患者の病気をよくすると儲かるというシステムではなくて、悪いままキープすると儲かるというシステムになっているわけですから。


・自分で血糖値とケトン体値を測ってコントロールする時代へ(中略)

実際、「FreeStyleリブレ」(アボット社)という自分で血糖値をケトン体の数値が測れる手軽な機器もすでに販売されています。(中略)

500円玉よりもやや大きいコイン型の針付センサーをニの腕に装着しておけば、14日間連続で血糖値のケトン体値をいつでもリアルタイムで測ることができます。価格は本体+センサーで1万5000円ほど。センサーが使い捨てなので決して安価とはいえませんが、もっと手ごろな値段になって、さらに改良されれば、一気に普及すると思います。


・自分の血糖値を自分で測って知っておくということが毎日の習慣になったら、それだけで、日本人全体の医療に対する、自分の健康に対する意識が飛躍的に向上すると思うのです。


・甘いもの中毒は先の章で述べたとおり、大きく「砂糖中毒」と「ごはん中毒」に分けることができます。どちらがより深刻かというと、明らかにごはん中毒のほう。


・私のクリニックでも、砂糖たっぷりのお菓子や飲料、スナック菓子などは、先に紹介したとおり、ビタミンや鉄剤などを服用するとわりに早く止められる(食べたいと思わなくなる)のですが、ごはんのほうはそう簡単ではありません。


・食後に眠くなるのは、先に説明したとおり、糖質の摂取によって上がった血糖値がインスリンの働きで急激に下がるせいです。


・肉・卵・チーズには、糖質が含まれていないことはもちろんですが、鉄分とビタミンB郡が豊富に含まれています。ビタミンB群が私たちのエネルギー産生にとってとても大切な物質である


・じつは近年、鉄不足は貧血だけでなく、なんとなく元気がない、悲観的になるといった「うつ病」の原因の一つともいわれています。


・わたしは、とくに女性の糖尿病患者に対してですが、糖質制限の指導と同時に鉄とビタミンB群の錠剤を処方するようにしています。それはもちろん、糖質過多によって不足してしまった鉄分とビタミンB群を補充するのが目的です。

すると、ほとんどの女性が2~3カ月で「あんなに好きだった甘いものがあまり食べたくなくなった」などと言い出します。

これは単に「習慣が変わった」ということではありません。つまり、鉄分とビタミンB郡が十分に補充されたことによって細胞内のミトコンドリアが活性化されて、心も体もエネルギー源として糖質を必要としなくなって、むしろ脂質・タンパク質が必要になったということを意味しています。


・糖質「1日50g程度」からケトン体値が急上昇する

糖質の摂取量を「1日50g程度」まで制限するとケトン体がより多く産生されるようになります。目安としては、朝食20g・昼食20g ・夕食20gでも、朝食10g・昼食10g・おやつ10g ・夕食10gでもよいでしょう。


・主食の穀類を減らした分、「おかずの量を増やす」ことが糖質制限を始める際の重要なポイントです。


・食べてよいもの・食べてはいけないもの(中略)

たとえばイチゴは1個、ブルーベリーは4個で糖質1gと糖質少なめ。バナナは1本で20g弱なので避ける


・世界一、二を争う長寿国の日本ですが、じつはほかの長寿国に比べて寝たきりの期間が長く、健康寿命は思いのほか短いわけです。糖質制限によって、この健康寿命は確実に伸びるでしょう。思えば日野原氏の食事も低糖質で、肉食中心でした。


●書籍『甘いもの中毒~私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体』より
宗田 哲男 (著)
出版社: 朝日新聞出版 (2018年1月初版)
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