FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 三戸 政和 氏 書籍『営業はいらない』(SBクリエイティブ 刊)より

三戸 政和 氏 書籍『営業はいらない』(SBクリエイティブ 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『営業はいらない』(三戸 政和 著、SBクリエイティブ 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・私は10年後には営業という概念がなくなっていると確信している。大量生産、大量消費を煽ってきたビジネスモデルから、「本当に必要なモノやサービス」だけが生き残る時代に移行すると考えているからだ。


・『サザエさん』の中でサブちゃんが、サザエさんにこんな提案をする。

「そろそろビールが切れる頃ですよね、1ケース、入れておきましょうか」

これは磯野家の家族構成、お酒の好み、購買状況、消費スパン、季節や天候といった条件をすべて把握しているからこそできる絶妙なレコメンドだ。(中略)

サブちゃん的営業は今、AIなどのテクノロジーに代替され、スマホの中で蘇っているのである。これはつまり、小売店型BtoCの営業マンが、テクノロジーに代替されたということだ。


・郵便局の「保険の押し売り」はなぜ起きたのか? (中略)

顔なじみの郵便局員が自宅に立ち寄り、20~30分ほど世間話をした後、「営業で立ち寄ったことを報告しなければいけないから、ここにサインしてほしい」と紙を差し出す。特に疑うこともなくサインをすると、なぜか高額の保険に加入したことになっている。そんなことが全国で相次いでいたという。

また、ゆうちょ銀行の通帳は緑色、かんぽ生命保険の保険証券は青色であるが、「通帳が緑から青に変わる」などと言って、貯金と保険を混同させるようなトークで保険を契約させた事例すら見られた。


・郵便局の「保険の押し売り」はなぜ起きたのか? (中略)

ノルマを達成できない職人には、「恫喝研修」「懲罰研修」と呼ばれる研修も行われていたという。実績の低い局員が支社に集められ、「お前らここにきて恥ずかしくないのか!」などと、1時間にわたって教官からなじられ続ける、正に「パワハラ研修」である。


・「不正」と「ノルマ」の問題は郵便局だけじゃない


・特に営業マンを多く抱える企業において、「ノルマ」と「不祥事」の問題が併存してしまうのでだろうか。

考えられる要因としては、これらの企業のビジネスマンが時代に追いつかず、多くの営業マンを余剰に抱えた結果のトラブルであることがうかがえる。


・郵便局や野村證券、スルガ銀行がここまで追い詰められた背景には、企業が旧来型のビジネスモデルを捨てられず、過剰な営業マンを抱え続けなければならないという要因が横たわっている。


・富裕層が住んでいる場所(中略)レクサスやセンチュリーといった「いわゆる高級車」が並んでいるのだろうと思っていた。しかし実際にはまったく目にしない。そこに出入りする車は、みな示し合わせたかのように、アルファードなのだ。

ここから垣間見えるのは、「他人からどう見られるか」といった見栄にはあまり興味がない現在の成熟した消費者の姿だ。

自分がいかに快適に過ごせるか。そのような実用性こそが重視されているのである。


・モノがあふれる時代においては、モノを所有することがステイタスでなくなると同時に、ステイタスを誇示することで承認欲求が満たされる時代は終わりつつある


・営業マン受難の時代を証明するかのように、この20年の間、営業マンの数は2001年の968万人から、2018年にがついに864万人まで減少した。これはピーク時に比べて、約100万人の営業マンが消滅したことを意味している。


・エクスペリエンス、すなわちユーザーが得られる「体験」や「感動」を想像しながら製品やサービスの開発にあたるのが「エクスペリエンス優先型の発想法」だ。(中略)

より具体的に言えば、シュルツ氏はスターバックスを、ただ「コーヒーを提供する店」ではなく、「お客さまにとっての、家や会社(や学校)とはまた違う、心地よく過ごしてもらう第三の居場所を体験する場」と再定義したのである。(中略)

その結果が、世界最大のコーヒーチェーンという、大きなセット成果につながった。


・テスラ社が他の追随を許さない確固たるポジションを築いているのは、次の二つの機能を持っているからだ。

●永遠に進化しつづけるソフトウェア
●他の追随を許さないビックデータの蓄積


・テスラ社は自動車メーカーではあるが、通常の自動車メーカーとは大きな違いがある。ディーラーを持たないのだ。(中略)

ディーラーとは車の販売とアフターサービスを専門的にする会社で、たいていの自動車メーカーにはそれぞれ系列のディーラーがある。

ディーラーとメーカーは別の会社で、自動車メーカーは、「ディーラーに車を売ることで利益を上げている会社」とも言える。(中略)

マスク氏が自動車の低価格化を図るための徹底したコスト削減策は、実はこれだけではない。2019年3月1日の各種報道によれば、マスク氏は直営販売店さえも一部の店舗を除いて廃止し、インターネット販売に全面的にシフトすることを発表した。

テスラ社の新車は今後、テスラ社のホームページ上でのみで買える形にするというわけだ。


・最先端の戦略を採っているテスラ・モーターズが、すでに営業マンを必要としない世界を生み出しつつある


・事業者が卸業者に頼っていた間接材の販売において、モノタロウは「ほしいものがすぐ手に入る」システムを作り上げた。(中略)

ここで私が強調したいのは「モノタロウのサイトが営業マンの代替になった」という点である。


・テクノロジーが生身の営業マンを代替するという事態は、医療業界においても進んでいる。今、日本では製薬会社の営業マン、いわゆるMR (医薬情報担当者)が、どんどん減っているのだ。(中略)

MRの数をここまで顕著に減らした裏には、実は「MR君」と言うWebサービスの存在がある。「MR君」は、日本最大級の医療情報専門サイト「m3.com」等を運営するエムスリーによって提供されているもので、従来はMRから医薬品を購入していたしていた医師の動きを、Web上に代替したサービスである。(中略)

現在、エムスリーが展開するサイト「m3.com」を利用する医師は28万人で、国内の医師の約9割にのぼる。このサイトを通じてMR君を利用する医師も増えているため、今や製薬会社の営業活動にMR君は欠かせない存在となっている。


・新しく生み出された商品やサービスは、既存サービスの代替のみならず、その延長線上、ときにはジャンルの垣根を越え、飛び火のようにあたりを焼き払っていく。


・ちなみに日本にも、インサイドセールスに力を入れている地方が存在する。それが「通販王国」と呼ばれる九州地方である。「青汁のキューサイ」や「やずや」、「再春館製薬」や「ジャパネットたかた」など、売上高100億円を超える通販企業が九州に集中している。


・営業マンが今後どう生きていければいいかについて考えたい。考えられる道は三つある。

①セールステックを使いこなし自らのセールスの成果を底上げする。
②セールステックを使いこなすセールスチームの指揮官になる。
③営業職から離れ自ら戦略を立てられる新たな地位に就く。


・営業マンは経営者に向いている


・クラウドファンディングで出資した人は、先の「WAGYUMAFIA」同様、「開店準備に参加した」という当事者意識を持っているため、開店後、必ず店に足を運ぶ。

※参考:「WAGYUMAFIA」のウェブサイトはこちら


・クラウドファンディングでその店や商品を支援した人は、資金を提供した上に、宣伝までしてくれる。これによって現在、開業や起業は、これまで難しかったスタートダッシュを決めやすくなった。そんなクラウドファンディングは、いわば「熱量の高さ」を資金に変える両替機のようなものである。


・オンラインサロンというのは、インターネット上で展開される会員制コミュニティーサービスのことだ。新しいスキルを身につける、知識を学ぶ、共通の趣味を持つ仲間を作る、新しいことにチャレンジする。そのような場として活用されている。簡単に言ってしまえば、私塾であり、カルチャースクールのオンラインバージョンだ。


・箕輪氏は、「箕輪編集室」を立ち上げた経緯について(中略)

「------オンラインサロン(筆者注:「箕輪編集室」)はどうしてはじめようと思ったのですか」

「もともとはホリエモン(堀江貴文氏)のサロンがきっかけです。昔からホリエモンの本は売れてましたけど、安定的に5万部を軽く超えるようになったフェーズがあって。その理由が何かって考えたら、オンラインサロンだったんです。

本の構成の一部を担当したり、SNSで拡散させさせたりするのを、サロンのメンバーがわちゃわちゃと楽しんでやっていて、発売前から『前バズ』のような盛り上がりがありました。そこから販売がはじまると、初速の売り上げ売れ行きがガーンと出て、アマゾンや書店のランキングに入る。そうすると、ホリエモンファン以外の人たちにも本の評判が届くような流れができていたんです。(略)最初の火種って、実は数十人でいいんです。


・活動に参加したサロンメンバーにとって、その本はもはや我が子同然である。苦労して産み落とした我が子を、鳴かず飛ばずで終わらせるわけにはいかない。だから本が発売されると、その本を広める「最初の火種」となってくれるのである。


・営業マンには経営者になる素質がある。私は元はと言えば営業マンだ。独立を決意するならば、戦わずして勝つために、あらゆる工夫を試みてほしい。


・人を抱えて部署を作れば、メンバーは自分の居場所を守ろうとモノを作り続ける。一人ひとりのミクロ環境ではこれが正解かもしれないが、会社全体というマクロ環境では、これはマイナスに働くことも少なくない。経営学にある「合成の誤謬」が発動されるのである。

※補足:「合成の誤謬(ごびゅう)」とは

ウィキペディアによると、合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。


・近い将来、営業(という行為)がなくなる可能性が高いのであれば、営業マンは次なら道を模索し、準備しておいたほうが得策なのではないかという提案をしたいと思っている。


●書籍『営業はいらない』より
三戸 政和 (著)
出版社: SBクリエイティブ (2020年2月初版)
※amazonで詳細を見る