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本橋 信宏 氏 書籍『ベストセラー伝説』(新潮社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ベストセラー伝説』(本橋 信宏 著、新潮社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・ベストセラーができるまでの過程を追う


・「冒険王」と「少年チャンピオン」(中略)

みんなが面白いと言うものはつまらない


・「冒険王」と「少年チャンピオン」(中略)

会議における多数決は誰も責任をとらない。没個性の凡庸なものになりがちだ。壁村耐三のとった一人編集会議というのも、理にかなったものと言えよう。


・少年画報社の前身は明々社といって、英会話本、自動車教習書といった専門書を出す出版社として戦後まくなく出発1947(昭和22)年、紙芝居で大人気を誇った「黄金バット」(永松健夫)を読み物として出版したところ大ヒットとなり、「冒険活劇文庫」という名で絵物語を中心にした月刊誌を創刊する。

同社が飛躍的に伸びるきっかけは、なんといっても1954年から始まった「赤堂鈴之助」(武内つなよし)のメガヒットだろう。


・「科学」と「学習」(中略)

-------科学……理科って、何が楽しいんだ?

自分たちが子どものときを思い出して何が楽しかったのか、やっぱり実験観察だ。本には実験観察の仕方が載っているけれど、自分でモノを集めてこないといけないので、なかなか実験観察ができない。だったら付録に全部付けてあげよう! 本と一緒に実験機材をつけてあげよう!

「そういう発想をした人が中川浩さんでした。編集長が6人いるなかのリーダー的存在だったんです。けれどみんなから反対された。正直なところ、自分たちは本を作るために学研に入社したのであって、オモチャを作るために入ったわけではないというプライドみたいなものがあったんでしょう。それに付録を作るノウハウがないし自信もない、しかも毎月でしょう。これは無理。絶対無理。けれど中川さんは譲らなかった。(中略)最後はじゃやってみよう! それで走り出すわけです」


・「平凡パンチ」と「週刊プレイボーイ」(中略)

知名度のある女優、歌手がヌードになると、部数が伸びる。雑誌にはたいてい脱がせ屋とでもいうべき編集者がいて、週刊プレイボーイでも、名うての編集者がいた。疑似恋愛で信頼感を得ただけでなく、本気で惚れてしまい。深い仲になった担当者もいたようだ。


・「平凡パンチ」と「週刊プレイボーイ」(中略)

警視庁が問題視しているヌードは、妊婦・セーラー服・レイプを連想するものと、すべて社会的にタブーとされる3点だった。意外なことに、ヘアの露出という点は、かなり認可していることがうかがわれた。


・「豆単」と「でる単」(中略)

愛称「豆単」と「でる単」であった。「豆単」は正式名称は「英語基本単語熟語集」、発行元は旺文社。「赤尾の豆単」とも呼ばれ、旺文社の創業者赤尾好夫が編纂した暗記用の英単語集であり、1942(昭和17)年の初版から21世紀の現在も9度目の改訂を経て現役である。71年間(2013年当時)で累計1700万部超(!)という驚異的なロングセラーだ。

「試験に出る英単語」、通称「でる単」(関西以前ではもっぱら「しけ単」と呼ばれていた)も1967(昭和42)年初版から現在に至る46年間で累計1500万部以上というこれも超弩級のロングセラーである。


・「豆単」(中略)受験によく出る英単語3800語をABC順に網羅したこの暗記用単語集は、赤尾好夫によって編み出されたものである。


・「豆単」を王座から引きずり下したのは、1955年に設立され、啓蒙書やくだけたエッセイ集の新書版を出す青春出版社から発行された青春新書シリーズの1冊だった。その名は「試験に出る英単語」、愛称「でる単」。


・「豆単」と「でる単」(中略)

著者は都立日比谷高校の現役英語教師・森一郎だった。「森先生は明治時代からの英語入試問題を全部持ってらっしゃって、その中からコツコツ調べた重要語をプリントして生徒に配っていたんです。それが生徒たちに非常に評判が良かったんです」


・「試験に出る英単語」が画期的だったのは、ABC順に並んでいた英単語集ではなく、重要度順に並び替え、原則として一単語一訳語に絞り込んだことだった。さらに豆単が3800語だったのに比べ、「でる単」は1800語に絞った。


・世の中おもしろいもので、絶版になってから欲しくなる人が増えたんです


・社名の祥伝社の“祥”は小学館創業者・相賀祥宏の“祥”の字から来ている。「最初は“祥文社”だったんです。(中略)占い師によると、『社名はもっと強いほうがいい』ということで、文ではなくて“伝”にしたんです」


・「ノストラダムスの大予言」も当初は「大予言」というタイトルに決まりかけていたが、それでは印象が薄い、と伊賀弘三良はあえて聞き慣れないノストラダムスという人の名前をタイトルの付け加えたのだった。すると、おどおどろしさが立ちこめ、気になるタイトルに変身したのである。


●書籍『ベストセラー伝説』より
本橋 信宏 (著)
出版社: 新潮社 (2019年6月初版)
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