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出口 治明 氏 書籍『「働き方」の教科書~「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』(新潮社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『「働き方」の教科書~「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』(出口 治明 著、新潮社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・古今東西さまざまな本を読んできて感じるのは、人間にとって原理原則がいかに大切かいうことです。とくに、優れた人の伝記などを読むと、凡人と偉人の違いは、常に原理原則に則って自分の頭で考え、行動できるか否かにあると痛感します。一般に、自分の価値観、思考軸がしっかりしている人ほど、偉大な仕事をしているのです。


・自らの原理原則を確認し、価値観や思考軸を強固なものにするためには、常に「学ぶこと」「知ろうとすること」「考えること」が大切です。(中略)

「学ぶ」「知る」「考える」


・現代の子どもは、裸足で大地を踏みしめる感触や、友だちを殴り合いの喧嘩をする経験をあまり持てないのではないでしょうか。大人が意図的にそうした機会を遠ざけているからです。乱暴な意見であることは承知のうえで言うと、あえてそうした経験を子どもに積ませ、体に覚えていくことの重要性を見直す必要があると思います。


・人生を無駄にする三つの行動です。

「済んだことに愚痴を言う」
「人を羨ましいと思う」
「人によく思われたいと思う」


・人生は、トレードオフです。二つのものを同時に手に入れることはできません。何かを手に入れれば、何かを失うのです。(中略)一つを選ぶということは、一つを捨てることなのです。時計を持っていることでイライラするのであれば、時計を捨てればいいのです。


・「大手生保が嫌がる製造原価を公開したことで、嫌がらせを受ませんでしたか」
僕は、この質問に対しては当時から同じ答えを繰り返しています。
「池に石を投げ入れれば、必ず波紋が生じます。石を投げ入れておいて、波紋が起こるのを恐れるのは筋違いというものです。大きい石を投げ入れれば大きい波紋が起こり、小さい石を投げ入れれば小さい波紋が起こります。ただそれだけの話です」


・新しいものを入れようと思ったときには、先に何かを捨てなければならないのです。


・早く正しく意思決定ができる人は、決断力があるわけではありません。物事を決めるためのルールを決めるのが上手なだけです。トレードオフの要諦を知り抜き、潔く割り切ることができる人なのです。


・アメリカで最高級の高齢者ホームは、中西部の平凡な大学の中にあると聞いたことがあります。大学の敷地内に建設された高齢者用高層マンションの価格は、ニューヨークの最高級マンションの価格の二倍ぐらいするそうですが、入居待ちの列ができているそうです。(中略)

彼らの最大の関心ごとは、大学の講義を自由に受けられることだったのです。(中略)高齢者は若い人に自分の経験を話し、彼らとディスカッションすることほど楽しいことはないということに気づいていくのです。(中略)

地位や名声を持つ人が最後にたどりついたのが、仲間との触れ合いだったということは抽象的です。


・日本の社会には「異質な人は秩序を乱す」「異分子が入ると意思決定が遅くなる」という誤った認識を持っている人が数多くいます。もしそれが正しいとしたら、どうしてグローバル企業は意思決定が早いのでしょうか。


・いろいろな才能を持った人がいるほど組織は強くなります。企業で言えば、さまざまなアイデアを人を集めないとビジネスに勝つことはできません。さらに言えば、元気で明るく楽しい企業をつくることで、さまざまなアイデアが出てくるのです。

現代の企業で、従業員を楽しませることで脳を活性化させているのがグーグルだと思います。グーグルには、労働時間のうち二〇パーセントに当たる時間は仕事以外のことに取り組んでよいというルールがあるそうです。


・仕事の成果を出すために必要なのは、まず第一に仕事の目的を考えることです。この仕事は何のためにやっているのか。常に考える癖をつければ、どのように仕事を進めればいいかということも、自ずとわかってくるものです。


・自分に与えられた仕事が、課や部や企業全体の仕事のどの部分に当たるのか。そうしたことをよく考える必要があると思います。しっかりと仕事の目的や位置づけを理解してれば、自分なりの応用を利かせることもでき、つまらない仕事を楽しい仕事に変えることもできます。


・仕事はスピード(中略)仕事におけるスピードは、目的を考えて仕事をすることと同様に、極めて重要な要素になるのです。


・本店の指示を見れば、本店が何を望んでいるのかがよくわかります。企業全体の方向性を知れば、自分が何をすればいいか、部下に対してどのように仕事を割り振ればいいか、先回りして対応することもできるのです。


・先輩が机の上をチェックしているのです。ここでも、全体を見て次にやるべき仕事を予測し、先回りして準備しておくことの大切さ、仕事をスムーズに回すための段取りなどを学びました。


・グローバリゼーションによって要求されているのは、外国人をマネジメントする力です。(中略)要するに、進出する国がどんな地域で、どのような先祖を敬っていて、どういう文化や慣習を持っているかを知ることです。


・自分の得意分野を持たないと世界に通用しません。


・人は本当にやりたいことや得意分野においてこそ、本来の力を発揮するものです。昔から適材適所という素晴らしい言葉があるではありませんか。


・部下はみんな「変な人間」である(中略)

人間世界をリアルに認識すれば、部下はみんな変な人で、なまけものです。目的と期限を明示したところで、忘れてしまうこともあれば、わかっていてサボる者も出てきます。期限を一週間後に設定してのであれば、三日ぐらい経過した段階で「うまく進んでいるか?」と丁寧にフォローすることが大切です。


・二回褒めて一回叱る組織に属する人間のモチベーションは明らかに下がり、三回以上褒めて一回叱る組織の人間のモチベーションは維持できるのです。いい組織では、六回褒めて一回叱るということを実践しているそうです。


・人間の最も厄介な性質は、自尊心が強いということです。うぬぼれが強く、たいした仕事もできないのに「自分はできる」「自分はえらい」と思っています。人間は褒めれれるのは大好きで、叱られるのは大嫌いです。これは人間の脳の癖なので避けて通れません。


・部下に対する指導は、付加価値を付与することです。部下が気がつかないところを教えなければ、上司としての存在価値はありません。


・愚かな管理者ほど、有限の感覚に乏しいものです。時間も無限にあり、部下の能力も鍛えれば無限に伸びると思っています。四〇代になったら有限の感覚を持つべきです。与えられた一定の時間のなかで、どの幹を押さえ、どの枝を見ないようにするかという訓練をしなければなりません。


・組織の上に立ったら、忙しいのですべてのことには目が届かないと思ったほうがいいでしょう。その状況で部下をどのように見ていくか。一番いいのは「王様は裸ですよ」と直言してくれる部下を持つことです。四〇代はそのことを真剣に考えるべきでしょう。


・無理のない程度で「ライフワークバランス」を大事にしつつ、ちょっとがんばれば達成できそうな目標。そのことを常に意識してマネジメントに取り組んでいました。


・二〇代は自分一人でやる仕事のやり方を覚え、三〇代では人を使いながらチームで仕事をすることを覚え、四〇代では組織を率いることを覚える


・五〇代になったら何をするか(中略)どんな遺書を書くか(中略)

書くときに気をつけることは、自分の成功体験を忘れるということです。自分が培ってきた価値観に固執するのもいただけません。
「俺が二〇代のころは、徹夜でがんばったものだ」
こんなものは、まったく不要な根拠なき精神論にすぎません。


・五〇代ほど起業に向いた年齢はない


・「強い思い」と「算数」。この二つがベンチャー企業を興すときの基本です。強い思いとは、(中略)「自分のやりたいこと」です。(中略)

もう一つの算数というのは、事業計画のことです。


・「株を買うカネ、人に貸すカネ、返ってくると思ったらだめだぞ。返ってこないものだと思っていれば、人生は楽しいぞ」

日本生命に入ったころ、先輩にそう言われました。


・起業(中略)旗を掲げるとは、強い思いと算数を文書化する作業にほかなりません。株式会社でもNPOでも、旗に大義がなければ人の心は打ちません。また大義には共感しても、本当に実現可能な事業であると理解されなければ、人もお金も集めることはできないのです。


・起業(中略)強い思いを文書化するときに考えなければならない三つの要素があります。
「ミッション」
「コアバリュー」
「ビジョン」


・コアバリューとは「どういう会社をつくりたいのか」という思いそのものです。


・僕たちがライフネット生命を起業したときも、最初に入居したのはそれほど広くないスペースに三つの企業が入った共同オフィスでした。


・例えばSNSで旗の概要を示し、こんな会社をつくりたいので若いみなさん助けてくれませんかと、広く呼びかけてはどうでしょうか。人材として必要なのは、自分の足りないところを補ってくれる人です。経理が弱ければ経理に強い人、営業が弱ければ営業に強い人。


・現在の世界では、どれほどニッチな分野で新しい事業を始めても、すでに世の中にあるモノやサービスの亜流の域を出ないと思います。そうであれば、真の意味で差別化が図れる要素は、大義や理念のようなものになっていくはずです。真っ当なことをやり、その理念に共感してもらうことが、ビジネスの成功確率を高めるのではないでしょうか。


・僕は、アメリカにはさらに優秀な人が増えると考えています。その最大の根拠は、大学の高い競争力です。世界の有名大学のほぼ半分がアメリカにあり、常に八〇万人を超える留学生を抱えています。中国からの留学生だけでも、二三万人を超えていると言われているのです。しかも、アメリカの大学の授業料は年間二〇〇万円から三〇〇万円と高額のうえ、ほかにも生活費が必要です。つまり、留学生が大学院に二年間通うためには最低でも約一〇〇〇万円くらいの大金が必要になるのです。それだけでも、八兆円の有効需要が生まれます。

優秀で若い人が八兆円持ってアメリカに来てくれる。これほど強い国はありません。
留学を終えたらほとんどの学生は母国に帰るにしても、一定の割合で残る人もいます。


・日本の未来(中略)

さまざまな推計を見ると三〇年後には八〇〇〇万人から九〇〇〇万人に減少すると言われています。人口の二割から三割がいなくなる計算です。このまま放っておけば企業の売り上げも二割から三割減少し、多くの企業や店舗が潰れていきます。これから三〇年の日本の政策課題の人は、人口減少問題への対応になると思います。

僕は、中長期的には赤ちゃんを産みやすくする政策の実行が最大の解決策になると思っています。


・人間は給料もらえて名刺さえあれば人生が楽しいわけじゃない。自分に向いてやりたい仕事を最前線でやるからこそ楽しいんだ(中略)

やりたいことがやれず、ただ給料もらっているだけでは人間がダメになってしまいます。


・人間の歴史を見ると、人が集まり、その次にモノが集まり、やがてお金が集まるという順序で町が発展してきたことがよくわかります。発展した町には、やがて情報が集まるようになっていきます。


・「衣食足りて礼節を知る」
人間は着る物がなく、ご飯が食べられず、安心して眠れる場所がないと、仕事もできなければパートナーを見つけることもできません。人間の人生では、衣食住が足りることが大前提になっています。大人になるということは、自分の力で衣食住を確保することであって、これを「自立」と呼んでいます。しかし、衣食住が満たされれば人間は満足するのでしょうか。
「人はパンのみにて生くるにあらず」
この聖書の言葉は、人間は衣食住が足りただけでは満足しないことを表現しています。


・今より世界をもっとよくしたい。
何かを変えたい。
こう考えるのは、人間の自然な性だと思います。


・世界はこうなっていて、そのなかのどこが嫌で、その嫌なことを変えるために自分は何ができるのかということを整理すれば「強い思い」を描き出せると思います。


●書籍『「働き方」の教科書~「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』より
出口 治明 (でぐち はるあき) (著)
出版社: 新潮社 (2014年9月初版)
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