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酒井大輔 氏 書籍『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』(日経BP 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』(酒井大輔 著、日経BP 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・2018年9月に誕生した新業態「ワークマンプラス」の1号店。売り場の見せ方を変えるだけで、アウトドアショップに変貌した。


・ワークマンプラスという全く新しい店をオープンした(中略)並んでいる商品は、すべて既存のワークマンで扱っているアイテムだった。


・従来のワークマン  職人向け
ワークマンプラス   一般客向け


・ワークマンは1980年9月30日、群馬県伊勢崎市昭和町に「職人の店・ワークマン」として産声を上げた。


・ワークマンの創業者である土屋嘉雄氏


・ワークマンの源流は、1959年、群馬県伊勢崎市に創業した「いせや」という衣料品専門店にある。(中略)このいせやこそ、現在のベイシアグループの前身である。

ベイシアグループは、スーパーマーケット「ベイシア」を筆頭に、ホームセンターの「カインズ」、そして「ワークマン」、コンビニエンスストア運営の「セーブオン」、家電量販店の「ベイシア電器」、カー用品店の「オートアールズ」という物販チェーン6社を中心に計28社で構成する。その総売上高は9435億円(2020年2月末時点)


・土屋氏は、ワークマンの商品を仕事でもプライベートでも着続けることを己に課した。(中略)

家での評判は最悪だった。上着から下着までワークマンで固め、パジャマ代わりにして24時間、ワークマンを着続けた結果、「家内からは『家では良いけど、外出時には着ないで』と言われ、娘には『ダサい、ダサい』と言われ続けた。(中略)」


・ついに見つけた4000億円の鉱脈(中略)

高いか安いかという価格軸に加え、機能性という軸を1本加え、4象限でライバル候補をポジショニングした、すると、低価格かつ高機能を両立させたブランドが、市場からすっぽりと抜け落ちていることに気づいたのだ。耐久性や防水、はっ水など、作業現場で磨いてきた機能性を売りにすれば、ユニクロとも差別化でき、なおかつ圧倒的な安さを押し出せば、スポーツメーカー、アウトドアメーカーとの競合を避けられる。


・出店するたびにABテストでデータを蓄積した(中略)。モール内かどうかは関係ない。3キロ圏内の人口が30万人近くあり、駅から5分、10分以内であれば大ヒットする」というデータが浮かび上がり、自信を持って全国展開に踏み切った。


・980円のニッカポッカ「白狼」だ。これが大ヒットし、「そこから低価格に走るようになった」と八田氏は明かす。ワークマンの売りである「低価格でも高機能」は、このときに生まれたのだ。


・全社員がエクセルの達人(中略)土屋哲雄氏が絶対に必要だと考えたのは、データ経営だった。


・今や、全国のほとんどの店舗がFC店で、その比率は95%を超える。直営店は約30店舗に過ぎず


・社内でも“名人級”にデータ分析が得意なSV部の社員。習熟度を測るテストにも工夫がある。平均点が90店になるよう問題のレベル調整しているのだ。すべては、自信をつけさせるためである。(中略)

難しすぎると、苦手意識が生まれて、かえってデータが嫌いになってしまう。そもそも得意だと思ってもらうのが目的


・AIは大量のデータから相関関係を見つけるのは得意だが、ビジネスで必要なのはむしろ因果関係を見極めること。例えば、「給料が高い」と「業績がいい」は相関関係を見いだしたとして、AIは因果関係までは示してはくれない。


・AIは、たちどころに結果を教えてくれる。だからこそ、社員が考えなくなってしまう。


・ワークマンは、100坪(330平方メートル)の店舗に1700種類のアイテムを並べ、さらにサイズや色違いを含めれば、9000SKU(品目)をそろえる。「9000SKUというのは、ニトリの中型店舗並み。それを100坪で扱っているのは、結構すごいこと。しかし、その分、7割の商品は1個しか置けない。(中略)」


・「結局、部分改装のほうが(投資額に対する)コスパが良かった」(土屋氏)


・マネキンに着せるだけで、ワークマン色はかなり弱まり、アウトドアショップに見える。


・「朝の7時から10時までがプロ客(職人客)で、10時から17時までが一般客。17時以降がまたプロ客と、来店する時間が分かれている」(土屋氏)


・土屋氏いわく、職人客は、一般客と比べて駐車場の回転率が3倍いい。


・メーカーが生産した分は、ワークマンが無条件ですべて買い取る。商品が倉庫に届いた時点で全量分の代金をメーカーに支払い、ワークマンに所有権が移るという仕組みである。


・ワークマンの商品カタログだ。発行部数は約40万部。春夏と秋冬で商品を入れ替えるため、年間80万部を発行している。

このカタログはインターネット上でも公開しており、「ネットではそれ以上の方が見ている。しかも全100ページほどのうち8割のページが読まれている」。こう語るのは、土屋哲雄氏だ。


・ワークマンでは1個しか陳列しない商品が全体の7割を占める。


・職人のためを思って、多品目を少量ずつ扱う


・加盟店に聞いてみると、どうもバイク乗りの間で話題になっている商品があるらしいという。確かな防水性能を誇る、コスパ最強のレインウエアがあると、ネットで評判になり、ワークマンは気づかぬうちに、バイカー御用達ブランドに(中略)

上下で4900円(税込み)に「透湿レインスーツSTRETCH」はワークマンを代表するヒット商品。累計85万着を売り上げた


・580円の靴下 ↓実は超激安だった(中略)

登山ブロガーの手によって、この靴下は一躍、時の商品となる。メリノウールは高級素材で、靴下とはいえ、2000円はしてもおかしくない。


・作業用のレインスーツをバイカーが買い求め、綿かぶりヤッケがキャンプ用品の定番になる。原因を探ると、いずれもブログやSNSの書き込みに行き着いた。


・熱い本物のファンを身内化する

この商品発表会を発展させたのが、製品開発アンバサダー制度である。よくあるインフルエンサーマーケティングと一線を画するのは、芸能人や著名人を一切起用していないこと。重視したのは、フォロワー数ではなく、ワークマンをどれだけ愛してくれているか。


・“目視”と“捕獲”を繰り返し、ワークマンのアンバサダーは1年間で25人まで増えた。


・19年10月には「ワークマンは『アンバサダーマーケティング』を本格化します」と題したプレスリリースを発表した。


・2019年9月5日、ワークマンは東京・新宿のルミネゼロを貸し切り、秋冬の新作発表会を開いた。ただの発表会ではない。「過酷ファッションショー」という名の、サブタイトルがついていた。(中略)

視界を遮るほどの濃霧、容赦なく襲いかかる風、土砂降りの雨、季節外れの雪。悪天候にもひるむことなく、ランウェイを進むモデルたち。(中略)

実は、舞台袖に暴風を吐き出すブロアーや降水機、降雪機を持ち込み、考え得る限りの荒天を再現していたのだ。過酷な環境に強いワークマンを、目に見える形で発信した、実にユニークな試みだった。


・ワークマンっぽい、ワークマンならではのファッションショーとは何かと掘り下げていくと、悪天候を再現するというアイデアが必然的に出てきた」と振り返るのは、営業企画部の林知幸氏だ。


・プレスリリース(中略)極め付きは、タイトルだ。「日本初!?新宿ルミネゼロで大雨・大雪・暴風が登場する『過酷』ファッションショーを開催」と銘打った(中略)

この過酷ファッションショーが、絵になるし、動画映えもするとあって、大々的に報道された。会場に詰めかけた報道陣は119人。19年9月12日までのわずか1週間で、テレビが13番組18回放映し、新聞・雑誌が9媒体、ウェブメディアが145媒体という驚異的な露出を勝ち取った。


・クリック&コレクトとは、通販サイトで商品を選んで購入し、店頭で受け取る仕組みのこと。


・「基本的に直営店は10店舗以下にしたい」と八田氏は明言する。直営店が増えると人件費がかさみ、固定費も増える。会社の業績を揺るがしかねないからだ。


・ワークマンの競争力の源は、なんといっても安さにある。売価に占める輸入原価や仕入れ原価を指す「原価率」は驚異の64%(目標は65%)。つまり、商品が売れても粗利は36%にとどまる。ここからフランチャイズ加盟店に利益を分配しても、なお10%を超える営業利益を出している。ローコスト経営が徹底されているからだ。


●書籍『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』より
酒井大輔 (著)
出版社 : 日経BP (2020年6月初版)
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