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[ 書店について ]

書店が出版社の営業に求める姿とは

東京/紀伊國屋書店新宿南店 白井 恵美子氏より

~私の好きな営業さん~

毎日、色々な出版の営業さんが売場に来て下さる。営業さんは出版社と書店を繋ぐ大切な役割だと思う。その中でも、日頃特に印象に残る営業さんが何人かいる。

新年早々、版元のWさんが年明けのご挨拶に来てくれた。しかし、担当が替わるという。新担当の方のご紹介も兼ねてだった。それを聞いた瞬間、私は衝撃を受け、たいしたお礼も言えないうちにWさん達は去られた。

Wさんは私にとって心強い存在だった。

数年前、私が新しい棚を持ったばかりで右も左も分からない頃、Wさんは「こういう本が他店では動きが良いみたいですよ」「これとこれを併売するのは良いかもしれないですね」と自社商品の案内だけでなく、いろんな情報やアドバイスをくれた。私が不在の際には短い手紙を残していってくれるキメ細やかさで、営業とはこういうものだと新人の私に教えてくれた。

そんなWさんともう一緒に仕事が出来ないのかと思うと悲しかった。Wさんのような公平な言葉をもった営業さんに会うと、私の感度は一気に高まる。

また別の日、大手版元のYさんが直木賞受賞作家の既刊本の注文を取りにきてくれた。とても気さくな方で大手らしかぬ雰囲気。売り場のスタッフや他版元さんからの人気も高い。その作家はいろんな版元から本が出ているが、受賞後、売場に来てくれたのはYさんだけだった。

それから、雑誌営業の女性のYさん。Yさんと話すようになったのは最近だが、とてもたくさん本を読んでいることがわかった。最近この本を何処の書店で買った、から始まり、あの書店の棚のアレンジは魅力的でついつい買ってしまう、こういうPOPが目を引くなど、鋭い観察眼から繰り広げられるお話は本当に興味深い。Yさんに会うと背筋がしゃきっとして感化される。こういう女性になりたいと思わせてくれる素敵なひとだ。

営業の方はあらゆる所を飛び回り、色々な方と話し様々な情報を持っている。お店から出ない私にとっては羨ましい限り。さて、今日はどんな営業さんと会えるのか楽しみだ。
 
 
 
2006年2月2日 新文化 「レジから撽」のコーナーより