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[ 本について ]

製本上での“良い本”とは何か

書籍「本をつくる者の心~造本40年(藤森 善貢 著)」より


本を十秒か十五秒で判断する秘訣はどこにあるか。本が開きやすいかどうかを確かめることです。開きにくい本はどうしてもこわれるから、自然に開いて、手で押さえなくても読めるような本をつくること、ということです。(中略)


同時に、背の丸み出しをみるとよい。上から下まですべての本の丸みが画然と揃っていなければ、本の出来としてはいいと言えません。


本が開くというのは、力学的にいって、丸みの円周が正方形の円周になるかたちに出ているといいのですが、日本の紙はすべる紙が多いので、最初は直角三角形の円周になるように丸みを出すようにしています。


使っている内に、理想的な丸みになるようになっている。
     
             
●書籍「本をつくる者の心~造本40年」より
藤森 善貢 著
¥2,100
日本エディタースクール出版部 (1986年10月初版)
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※藤森善貢氏とは、岩波書店で40年本作りに携わった方。特に、広辞苑、日本古典文学大系など岩波書店を代表するような本づくりをした製作者です。