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[ 出版業界について ]

新聞広告の三段八割、三段六割には制約がある

新聞一面の一番下にある広告。主に書籍を扱うのが三段八割で、雑誌を扱うのが三段六割と言います。この三段八割、三段六割広告にはある制約があります。


制約とは活字と罫線のみが使用可能です。つまり、図や写真、白抜きなどは掲載不可ということです。また、活字の字体や大きさにも制約があります。これらは、新聞における統一感を損なわないように行われているものです。三段六割は三段八割に比べると少し規定が少ないのも特長。


その制約について書籍『本の情報事典(紀田 順一郎 監修)』と白水社の「かんたんサンヤツ講座」のサイトより学んで学んでみたいと思います。
 

--------- 書籍『本の情報事典(紀田 順一郎 監修)』より ------------------


三段八割も三段六割もその制作には新聞社によって多少異なるが、いくつかの制約がある。八割では、画・図・写真はもちろん、マークも置くことは出来ず、活字とケイだけが許される。活字もその新聞社の明朝とゴシックに限られ、大きさも明朝が七通りとゴシックが五通りと固定されている。紙面と広告の品位を守るための措置である。

             
●書籍『本の情報事典』より
紀田 順一郎 監修
出版ニュース社 (1986年12月初版)
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--------- 白水社の「かんたんサンヤツ講座」のサイトより -----------------


サンヤツ広告は新聞社の定める「広告掲載基準に沿ったもの」でなければならない。基準の内容はどの新聞社も似たりよったり。まとめるのが面倒だったのか、「朝日新聞の基準に沿ってください」なんて社もある。以下、レイアウトに関して主だったところを要約する。


* 写真、イラスト、スミベタ、白抜き等々すべて不可。使えるのは活字とケイ(線)だけ。
* 活字の書体は、ゴナとかナールとか勘亭流とかルリールとかはもちろんだめ。明朝とゴシックの2書体のみ。その大きさも明朝が7通り、ゴシックは5通りしか使えない。斜体や平体など文字の変形はもってのほか。
* ケイの種類と太さは許可されたものに限る(斜線・曲線はアウト)。記号類も同様。
* その他、書名以外の文字を書名より大きくしてはいけない。文字やケイをあんまり「意匠化」してはいけない。あえて明文化はしませんが全体を黒っぽくしてはいけないよ。白っぽすぎるのもいけません。


▼▼▼ かんたんサンヤツ講座 ▼▼▼
作成:白水社宣伝部、サンヤツ制作者
http://www.hakusuisha.co.jp/club/sanyatsu.php
※↑白水社のウェブサイトにリンクします。
 

また、『三段八割秀作集(森田誠吾 編集、精美堂 刊)』という書籍が1972年に出ていますが、初版300部と少なく見ることは限られているようです。