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[ 出版業界について ]

読書離れ、活字離れは起きていない

寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏

新刊本離れで、中古本の販売冊数は拡大している

  出版物推定販売金額(取次経由)  2,162,846百万円
  出版物直販金額              515,828百万円

                                  (※2008年日販調べ)

出版物の販売金額は取次・書店経由の数字が一般的に通用している。しかし実際は
 

取次・書店経由していない出版社直販の販売金額もある。出版業界では2兆円を割ったので大変だとの話もあるが、大変なのは取次依存型の出版社だけで読者直販を経営の一部と考えている出版社の影響は少ない。


新刊書店の経営は以下の数字を比較すると確かに厳しくなっている。それは結果的に出版経営にも影響を与え、近年は日常的赤字に転落している出版社が多くなるも顕在化していないだけの話となってきた。

2008年の本の販売冊数で比較すると

  書籍販売冊数        75,126万冊
  図書館貸出冊数       95,408万冊 (大学図書館含む)
  ブックオフ販売冊数     27,812万冊


図書館の貸出冊数+ブックオフの販売冊数だけを合計しても取次経由の書籍販売冊数を上回っている。その他の急激に勢力を伸ばしている中古書店・ネット中古書店・古書店の販売冊数を加えるとその差は更に拡大していると推測する。


以上のことから評論家・業界関係者がよく言う読書離れ・活字離れは全くのウソで図書館の貸出冊数と中古本書店の売上冊数と店舗数が年々増加しているのが証明している。業界関係者の力不足の言い訳にしか聞こえてこないのは筆者だけであろうか。


新刊の販売金額が落ちているのとネット書店読者アンケートの結果から一部の新刊書店が読者に見放されているだけの話で読者の購入選択肢は更に広がり歓迎されているようだ。実際、日販の調査によると新刊書店の昨年の平均客数は前年比▲5.3%で、年間通して▲3%~7%で推移して来た。


今後はネット書店が益々支持される

何故読者の新刊書店離れが起きているのか、理由は多々有るが、基本的には書店の努力不足と資本力が足りずに店舗の移転・改修が出来ず、読者の支持が無い書店には人が集まらない結果となっている。


今後出版社は書店の選択が重要課題になってくると同時に供給サイド側の論理ではなく需要者サイド(書店ではない)に立った視点が必要になってきた。更に老齢化社会(65歳以上が25%を占める)になると坪数の大きな書店に行っても探すのが面倒になり、逆に中小書店を見ても目的の本が無いとなると、自宅に居ながら本が選択できるネット書店と定価の半額で同一商品が買えるネット中古書店への選択肢が広がると考えられる。


寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
※次回は『電子書籍ブームは本当に来るのか?』アンケート結果からの話