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福澤諭吉が指南する広告論とは

福澤諭吉というと、作家という印象を持っています。しかし、福澤諭吉氏は作家だけでなく、出版社でもあり、書店も営んでいました。そんな幅広く本をつくることに従事していた福澤諭吉氏には、ある広告論があります。書籍『本が生まれるまで』(小尾 俊人 著)よりご紹介したいと思います。
 

-------- 書籍 『本が生まれるまで』 (小尾 俊人 著) -----------------


明治の出版人の一人、福澤諭吉は、誇り高い自恃(じじ)の、独立自尊の人であるが、彼の広告論は核心をついている。(「商人に告るの文」『時事新報』明治一六・一〇・一六)いわく----

(一) 商業の目的は利益を得るにある。

(二) そのためには、正直・熟練・安価を宣伝するのが大切だ。

(三) その手段は新聞広告を使うのがもっとも効率的だ。

(四) 広告はタイムリーであるべし。しかし西洋の諺に、一年三六〇日・広告に最上の日は三六〇日あるは、「甚だ味ある言」だ。

(五) 広告文はハッキリしていなければダメ。長口上は無用。思うままに書き下ろしたあと、熟読して、無用の字句を削りに削れ。


※自恃(じじ)とは、自分自身をたのみとすること。http://kotobank.jp/より


●書籍『本が生まれるまで』より
小尾 俊人 著
築地書館 (1994年8月初版)
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