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欧州主要国における書籍の価格拘束の事例

日本の出版される書籍や雑誌には「定価」があります。これは、再販制度といい、出版社が書籍と雑誌の定価を決定して、書店やコンビニ等で販売できる制度のことです。


この制度のお陰で私たちはどこで買っても同一の金額・内容で買えることができます。他の国ではこの「再販制度」はあるのでしょうか。ヨーロッパの主要国23カ国における現状を、書籍『白書出版産業 2010』(日本出版学会 著, 編集)より、ご紹介したいと思います。
 

国名
書籍の
価格拘束
価格拘束の基盤
歴史
オーストリア
法律
2000年7月より適用
ベルギー
×
-
-
チェコ
×
-
-
キプロス
-
-
-
デンマーク
協定
(Tradeagreement)
1837年より価格拘束、2001年より現行の枠組み
エストニア
×
-
-
フィンランド
×
-
1971年廃止
フランス
法律
1953年に廃止されるが、1981年にLoiLangが再び価格拘束導入
ドイツ
法律
100年以上価格拘束の歴史を持つ、現行規制は2002年10月より
ギリシャ
-
1997年以来
ハンガリー
協定(市場の85%)
1992年以来
アイルランド
×
-
-
イタリア
法律
試行期間を経て、2005年1月より正式に価格拘束
ラトビア
-
-
-
ルクセンブルグ
×
協定が存在
(有名無実)
-
オランダ
法律
2005年1月より法が貿易協定に置き換わり、試行段階
ポーランド
×
-
-
ポルトガル
法律
1996年より価格拘束
スペイン
法律
1975年より価格拘束
スウェーデン
×
-
1970年に廃止
イギリス
×
-
1900~1995年、正価本協定
(Net book agreement)
ノルウェー
協定
1950年代中頃から貿易協定
スイス
×
-
2007年廃止
日本
法律
1953年より適用
※出典:欧州書籍商連盟(European booksellers federation)のウェブサイト等を参考に筆者作成
※筆者は、遠藤貴宏氏
※書籍『白書出版産業 2010』(日本出版学会 著, 編集)より
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