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ネット書店の売上ランキングと売上金額 (寄稿:冬狐洞隆也氏)

書籍販売を主力にしているネット書店は取次直営を含めて18企業です。中でも、上位10社で販売金額2,000億円を超えています。ただし、専業ネット書店大手3社以外は売上も少なく本業では無いので集中力もあまりないように考えています。


では、実際に各ネット書店の売上ランキングと売上額、主要商材を冬狐洞隆也氏の寄稿文よりご紹介したいと思います。
 

順位
サイト名
決算月
売上
(百万円)
主要商材
1
アマゾン
12月
127,500
 書籍
2
楽天ブックス
12月
25,000
 書籍・CD・DVD
3
セブンネット
3月
*20,000
 書籍・CD・DVD
4
HMVオンライン
3月
17,500
 CD・DVD・書籍
5
ツタヤオンライン
3月
15,000
 書籍・CD・DV
6
ゲオオンライン
3月
7,000
 ゲーム・CD・DVD
7
紀伊國屋Web
8月
5,040
 書籍
8
ビーケーワン
1月
4,500
 書籍
9
虎の穴
6月
3,300
 コミック
10
ネオウイング
10月
3,227
 CD・DVD
11
イーブックオフ
9月
*2,988
 中古本
12
ブックサービス
3月
2,800
 書籍・DVD
13
駿河屋
2月
2,700
 中古本・中古ゲーム
14
ブックオフオンライン
3月
2,200
 書籍・中古本
15
新星堂ショッピング
2月
1,243
 CD・DVD
16
漫画全館ドットコム
3月
700
 中古コミック
17
ディスクユニオン
3月
600
 CD・DVD
18
ポニーキャニオン
3月
540
 CD・DVD
19
古本市場
3月
460
 中古本
※上記売上は民間信用調査機関調査を基に通販新聞社が推定値を算出
※ *は筆者推定
   

アマゾンはここ5年間で2倍の売上げ

1)アマゾンの書籍サイトの売上は1,275億円。2004年の書籍販売額が624億円であったので5年間で2倍の売上になる。アマゾンの商品調達スピードは他のネット書店の比ではなく読者の注文から手元に届くスピードは群を抜いている。但しアマゾンといえども調達日数が掛かる出版物もあることは認識した方が良い。

2)ネット書店の顧客は首都圏4県に集中している。次が大阪・神戸・京都を中心とした関西圏である。地方圏で出版物が売れなくなったのはネット書店の影響が大との発言もあるが全くのウソで、自助努力が足りずに他人に責任を押し付けているだけである。


3)ネット書店はその商品の大半を取次から仕入れている。取次経由の書籍の売上が8,492億円であるので如何にネット書店が読者に支持されているか理解できる。

中小出版社はネット書店抜きには語れない

4)中小専門出版社の売上の2割~3割はネット書店の売上との声が多くなった、この傾向は今後も続くであろう。後はどのように読者への告知・宣伝を仕掛けるか知恵比べとなる。


5)ネット中古書店の売上が徐々に拡大している。ネット古書店同様、読者にとって選択肢の幅が拡大したことは、欲しいコンテンツが新刊でなくとも簡単に入手できる可能性が出てきたのである。


6)CD・DVDの通販はネット配信に変化しており売上の減少は続くだろう。テレビとインターネットが融合すると止めを刺される可能性大である。


7)アマゾン・楽天ブックス2社が配送料の無料を続けることによって読者は無料が当然との認識を持った。出版物は利益率が低くクレジット決済料・配送料を負担したのでは利益を取りづらく、更なるサービス競争ではネット書店自らの首を絞めることになる。


寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏