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[ 読者について ]

読者の書籍入手方法と傾向 (寄稿:冬狐洞隆也氏)

本(新刊)を購入したお店はどこ?

順位
区分
パーセント
1位
大型書店
71.4 %
2位
アマゾン
40.0 %
3位
小規模書店
31.4 %
4位
アマゾン以外のネット書店
28.6 %
5位
電子書店
2.9 %
6位
その他
0.7 %

※複数回答可
※雑誌も含む
※取次経由
 

リアル書店の対抗手段が見えてこない

購入金額は全国平均で15,584円/年。アマゾンとアマゾン以外のネット書店を合計すると68.6%と大型書店71.4%に肉薄する。如何にネット書店が読者にとって便利な入手方法か改めて確認したい。


永久に送料無料が続くと地方の読者にとってはありがたい話で、読者が購入する店舗は大型書店とネット書店に集中するだろう。これに新刊発売前の事前予約がネット書店で可能になると更にネット書店が拡大するがリアル書店の対抗手段が見えて来ていない。


電子書店については、電子書籍を読むために高価な端末機を買う必要があるので読者に支持されるのは当分先の話しとなる。しかも、既刊のコンテンツを買うならブックオフより安くないと買う気になれず、読みたいコンテンツが無ければ電子書籍端末機を利用する必要も無いと考える。


中古本を購入したお店はどこ?

順位
区分
パーセント
1位
ブックオフ
73.3 %
2位
アマゾン
40.0 %
3位
中古書店(ブックオフを除く)
28.6 %
4位
新刊本主体の書店
5.7 %
5位
その他
5.7 %

※複数回答可
※雑誌も含む
※取次経由

中古本が指示される3つの理由

中古本販売店舗数約1500店舗・売上も1,000億円を超えている。ブックオフ直営店は従来よりも店内が明るく綺麗になり臭いも消えて女性・子どもも店内に入りやすくなったのが支持される理由であろう。


従来は母親に汚いと嫌われていた絵本・児童書の動きも目立ってきた。棚も新刊書店と違い著者別になっており読者にとっては選択するのに非常に便利である。更にネット中古書店の活躍も見逃せない。ネット書店同様に中古本もネットで簡単に購入できるようになったし、バーゲンブックの扱いも徐々に新刊書店で増えつつあり読者の出版物購入選択肢は更に拡がる傾向にある。

まとめると、

  1、店内が明るく綺麗になり、臭いも消えて女性・子どもも店内に入りやすくなった。
  2、書棚が著者別になっており、選択するのに便利。
  3、ネット書店同様に中古本もネットで簡単に購入できるようになった。


借りて読んだ本はどこから借りた?

順位
区分
パーセント
1位
図書館
75.7 %
2位
友人
31.4 %
3位
家族
17.2 %
4位
その他
4.3 %

※ 複数回答可
※雑誌も含む
※取次経由

個人収入の格差が拡大するにつれて図書館の利用も多くなった。中には15日間で30冊借りられる図書館も出現した。図書館サービスも従来から大きく変化し、借りやすく読書の相談もしやすくなっている。


公立図書館だけでなく大学図書館も利用者が増えているのは不況で大学生の書籍購入費が減額されているのも原因の一つであろう。電子書籍では図書館・友人や家族からも簡単には借りられないだろう、これが電子書籍の欠点でもある。


寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏