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[ 書店について ]

本の返品を減らすより、死に筋を減らしなさい 寄稿:冬狐洞隆也氏

売場面積別書店数

売り場面積
書店数
2009年比増減
店舗占有率
500坪以上
401 店
22 店
2.9 %
499~300坪
956 店
▲12 店
6.9 %
299~100坪
3,061 店
▲9 店
22.2 %
99~70坪
1,166 店
▲17 店
8.5 %
69~40坪
1,722 店
▲68 店
12.5 %
39~20坪
2,409店
▲101店
17.5 %
19~1坪
2,743 店
▲97 店
19.9 %
不明
1,322 店
3 店
9.6 %
合計
13,780 店
▲279 店
100.0 %

※アルメデア調べ 2011年5月1日現在
※「不明」とは、出版物を置いていない事業所・外商部・本社等。
 

複合書店は6,000店を超えていると推測

「不明」を除くと書店数は12,458店と予測する。消費税を増税すれば廃業する書店も増えてくることは1977年以降で証明されている。表にある坪数全てが出版物の展示場所ではないし、又坪数が多くなるほど出版物以外の商品を陳列している複合書店が多くなっているのが現実である。


複合書店は規模の大小は別にして6,000店を超えていると推測される。なぜ複合書店が増えてきたかというと日本の小売業の中で書店は交叉比率が一番低いのである。(※交叉比率とは、商品や製品を販売する場合の効率性を示す指標)。いくら返品を自由に出来るからといっても商品回転率と粗利益率の関係で書店が出版物でいま儲かっているとの話は聞いたことがない。

小さい書店が減少している理由

69坪以下の書店数の減少が増えているのは100坪以上の書店が増えているのとネット書店の売上が増えたためと見ている。特にネット書店の利用増については出版社も流通関係者も十分認識をしている。注文に対する返答が正確なのと読者の手元に届く速さは物流業者の努力も見逃せない。


書店は大きく4分類できる。日本全国に展開している大手ナショナルチェーン書店・スーパーや鉄道会社を親会社にしているチエーン書店・地方の独立チエーン書店・単独独立書店とある。委託制度がある以上書店規模の大小に関わらず何処の書店も金太郎飴に近い書店が多いが、近年は個性的な書店も多くなってきた。その例が、雑誌『BRUTUS (ブルータス) 2011年 6/1号』の特集で紹介されている「スタイルのある全国の本屋200店」だ。

返品を少なくすればいいのではない。死に筋を少なくすることが重要

書店は書籍仕入の8割で売上が決まるといわれている。取次の配本では経験から成り立たないことは見えている。出版社・取次が市中在庫の管理が出来ていない現状では、その店舗に見合わない商品は直ぐ返品し、新たな商品を仕入れることが自店の売上にもなるし、読者にとっても良いことである。


売れない商品を並べ、返品サイクルが長くなればなるほど死に筋商品が多くなり販売機会損失となる。死に筋商品を除けば新たな商品を置くことができる。商品の最終的な責任を負う出版社はもっと積極的に流通のコントロールをしても良いのではないだろうか。


寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏

※紹介雑誌:『BRUTUS (ブルータス) 2011年 6/1号』