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[ 書店について ]

主なネット書店 推定販売額 2010年  寄稿:冬狐洞 隆也氏

2010年ネット書店の推定販売額が発表されました。2010年と2009年を比較した推定販売額をご紹介します。
 

ネット書店名
2010年
2009年
増減率
備考
アマゾン・ジャパン
156,000
127,500
22.3 %
総合 3900億円
楽天ブックス
32,840
25,000
31.3 %
書籍・CD・DVD
セブンネット
19,500
18,600
4.8 %
書籍
ツタヤオンライン
16,600
15,000
10.6 %
書籍・CD・DVD
紀伊國屋書店Web
5,700
5,040
13.0 %
書籍
駿河屋
5,300
2,700
96.2 %
中古書籍・中古ゲーム
ビーケーワン
4,700
4,500
4.4 %
書籍
虎の穴
3,300
3,300
― %
コミック
イーブックオフ
3,226
996
中古書籍
ブックサービス
2,600
2,800
▲7.1 %
書籍
ブックオフオンライン
2,593
2,200
17.8 %
中古書籍
古本市場オンライン
557
460
21.0 %
中古書籍

※単位:百万円
※ネット販売白書より

アマゾン・ジャパン 一人勝ちの理由

リアル書店が不振の中、ネット書店だけが伸びております。アマゾン・ジャパンの書籍の売上が圧倒的で、他のネット書店の追随を許しておりません。伸びの原因は一昨年から続いている「送料無料」と言われていますが、「アフェリエイト」の効果も多くあると見ております。


兼業を含めてネット書店は全国に約70社(殆どがリアル書店)近くありますが、ここに掲載されているネット書店以外はそれなりの規模で頑張っているようです。


ネット書店における取次経由の売上占有率は28.9%

新刊ネット書店は、殆どが取次経由です。2010年の取次経由書籍の売上が8,213億円ですからネット書店の占有率がいかに多いかわかります。


ここに紹介しているネット書店で、中古書籍やコミックを除いた推定販売額だけをみても2379億円になります。実に売上占有率は28.9%です。とはいえ、電子書籍が普及始めるとこの売上が維持できるとは思っておりませんし、生産年齢人口の減少も影響するでしょう。


中古書籍を扱っているネット書店も健闘しているようですが、新刊書店の売り上げが落ちているのに中古書店だけが売上増加の継続があるとも思いません。読者の選択肢が多くなっただけでリアル書店が苦境になっているだけです。


電子書籍の拡大が予想されるだけにパッケージ(書籍・雑誌・CD・DVD)に対する消費者の思いは何年先になるかわかりませんが順次インターネットに移行されるでしょう。
 
  
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏