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[ 出版業界について ]

タブレット端末で何を利用するか調査 日米比較 寄稿:冬狐洞 隆也氏

電通総研の「タブレットに関する利用傾向と意識に関する日米比較調査」を紹介したい。
 

順位
項目
日本
米国
1位
ソーシャルメディア
26.1 %
40.8 %
2位
ネットメディア
(ポータル・ニュース・専門サイト)
22.9 %
38.9 %
3位
動画・共有サービス
21.2 %
25.1 %
4位
ゲーム・ソーシャルゲーム
9.1 %
33.7 %
5位
電子新聞
8.9 %
27.3 %
6位
ネットショッピング
7.4 %
22.8 %
7位
動画・配信サービス
7.2 %
23.2 %
7位
音楽配信サービス
7.2 %
21.7 %
9位
電子書籍
5.9 %
35.2 %
10位
電子雑誌
4.9 %
22.8 %
11位
ラジオ番組配信サービス
4.7 %
18.0 %
12位
ソーシャルマガジン
4.2 %
20.1 %
13位
写真共有サービス
4.0 %
15.9 %
14位
電子コミック
3.0 %
15.9 %

※電通総研の「タブレットに関する利用傾向と意識に関する日米比較調査」より作成
※順位は、日本での利用ランキング
※20代以上の男女を対象に、日本が東京都全域、米国がニューヨーク州全域で調査。


アメリカのタブレット利用は多岐に渡る

米国ではタブレットによる電子書籍利用の定着率の高いことがわかる。未だ日本はタブレットの利用者が200万人に達していないと思われる。日米のライフスタイルの違いから行動が同じになることはないが、日本で20%を超えているのはソーシャルメディア(26.1%)・ネットメディア(22.9%)・動画共有サービス(21.2%)と僅か3項目しかない。


日米の差が最も大きく表れたのは「電子書籍」

電子書籍は米国が 35.2%なのに日本ではわずか 5.9%となっているのは、コンテンツの少なさが原因なのか、それとも読書スタイルの違いなのか。電子新聞・電子雑誌・電子コミックも同様に一桁台と言うことはタブレットで読むというスタイルに慣れていないのかもしれない。


電子コミックと違い電子書籍はタブレットか電子書籍専用端末機で読まれると考える。ただ、両方とも売れているとの話が聞こえてこないのは、紙の本がいまだに支持されている証拠か。これでは2015年の電子書籍市場が1500億円・電子書籍リーダー向け市場規模は700億円になるというのも淡い幻想と思われても仕方がない。


出版社は電子書籍である程度の利益を考えているだろうが、電子書籍だけで儲けが出る時期が来るのは、電子教科書の普及拡大(当分無理)が条件と考える。電子化によって紙の本が売れなくなるのではという幻想があったりなかったりする。しかし、電子書籍の制作は出版社の専売特許ではない事だけは明記しておく。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏