FaxDMトップ > 出版業界の豆知識 > 読者について > 読者が選ぶ理想の書店像  寄稿:冬狐洞隆也氏

[ 読者について ]

読者が選ぶ理想の書店像  寄稿:冬狐洞隆也氏

日本出版インフラセンターより、「読者が選ぶ理想の書店像」の調査結果を紹介したい。
 

順位
項目
実数
1位
広大なフロア内に大量の本を揃えているショッピングモールのような書店
53.7
577
2位
新刊だけでなく中古本も取り扱っている書店
45.6
490
3位
椅子やカフェなどがあってくつろぐ事が出来る自分の書斎のような書店
36.3
390
4位
特定分野の専門書やある作家の作品を網羅的に陳列している博物館のような書店
29.0
311
5位
商品知識が豊富で信頼できる店員と気軽にコミュニケ―ション出来る書店
23.6
254
6位
雑誌・コミック・文庫など全ての商品が500円均一で変える書店
20.9
224
7位
トークショウ・サイン会・握手会などイベントを頻繁に開催している書店
10.4
112
8位
雑貨やゲーム機と一緒に本を売っているアミューズメント施設のような書店
10.1
109
9位
店舗の内装・デザインが美しい高級レストランやブランドショップのような書店
10.0
107
10位
8,000円以上の書籍を宝飾品や美術品のように美しく陳列して売っているような書店
3.0
32
11位
その他
4.1
44
合計
2650

※日本出版インフラセンター「電子出版と紙の出版物のシナジーによる書店活性化事業 調査報告書」より作成
※複数回答

理想の書店像と現実のギャップ

書店の理想像は昔と違い300坪以上の大型店と読者は見ている。中古本も取り扱ってほしいという意見であるが、それが一度人手に渡ったものか、それとも出版社が定価を外して販売するものかの区別が読者には分からない。ブックオフがあれだけ出店し、売上を上げているのだから新刊書店も食わず嫌いにならないで、バーゲンブックの販売を始めた方が良いかもしれない。しかし、それには資本力が必要となる。4位の書店が理想の書店であるが、マージンが多くないと出来ない相談。


5位の店員との手軽にコミュニケ―ションが取れる書店はパート・アルバイトが多いため、中々出来る事ではない。とはいえ、それでも素晴らしい書店員はいる。要は「顧客」に向いているか、「読者」に向いているかスタンスの取り方である。その店が一番大事にするのは顧客だと思うが、読者と勘違いしている店もある。統計によると書店に行く頻度は、月に1回が一番多く、次が週1回と出ており、3番目が殆ど書店に行かないである。


8位の雑貨と本が一緒の書店は、既に日本全国381店舗を展開しているヴィレジヴァンガードという書店があり、ここのコンセプトは「面白くなければ本屋でない」との発想で展開しているが期待ほど出版物は売れていない。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏