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図書館の貸出数 過去最高に。読書離れ、活字離れって?

文部科学省が2012年10月31日に公表した「社会教育調査」によれば、図書館における国民1人当たりでの貸出数は5.4冊と、初めて5冊を超えました。


貸出冊数だけでなく、貸出回数も増加傾向にあります。貸出冊数が増えた理由について文部科学省は「開館時間を延長したり、貸し出す本の冊数の上限を引き上げたりする図書館が増え、社会人の利用増につながった」と言っています。


しかし、どうせ読むなら可能な限りお金をかけずに済ませたいと考えるのも消費者の心理です。いうなれば、「読書離れ」や「活字離れ」ではなく、「新刊離れ」が起きているとも言えるのではないでしょうか。


図書館における国民1人当たりへの貸出冊数や貸出回数、図書館数の推移、図書館職員の推移、職員数に占める専任職員の割合など統計を文部科学省の「社会教育調査」よりご紹介いたします。
 

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図書館における国民・児童1人当たりへの貸出冊数・貸出回数

国民1人当たり及び児童1人当たりへの貸出冊数は、ともに増加している。貸出回数も増加。

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(注)「うち児童1人当たりへの貸出冊数」については、前回調査では、「児童の貸出冊数」としていたが、図書館のシステム化の影響により、児童が借りた貸出冊数が把握できない図書館があることから、平成23年度調査では「児童用図書の貸出冊数」を調査することとしたため、単純比較はできない。


国民1人当たり利用回数の推移

図書館の利用回数は増加傾向が続いている。


平成 元年度間    0.6 回
平成 4年度間    0.8 回
平成 7年度間    1.0 回
平成 10年度間   1.1 回
平成 13年度間   1.1 回
平成 16年度間   1.4 回
平成 19年度間   1.4 回
平成 22年度間   1.5 回

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図書の貸出業務の実施状況の推移

平成7年から15年間で貸出冊数は1.6倍になっている。

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(注)平成22年度間(平成23年度調査)には岩手県,宮城県及び福島県の数値は含まれていない。

※「うち児童1人当たりへの貸出冊数」については、前回調査では、「児童の貸出冊数」としていたが、図書館のシステム化の影響により、児童が借りた貸出冊数が把握できない図書館があることから、平成23年度調査では「児童用図書の貸出冊数」を調査することとしたため、単純比較はできない。


図書館数の推移

 図書館数は漸増しており過去最高。


  【年度】   【図書館数】

 平成 2 年度    1,950 館
 平成 5 年度    2,172 館
 平成 8 年度    2,396 館
 平成 11 年度   2,592 館
 平成 14 年度   2,742 館
 平成 17 年度   2,979 館
 平成 20 年度   3,165 館
 平成 23 年度   3,274 館

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図書館職員数の推移

図書館の職員は増加している。

 【区分】   【図書館職員数】

 平成 2年度    16,331 人
 平成 5年度    19,339 人
 平成 8年度    22,057 人
 平成 11年度   24,844 人
 平成 14年度    27,276 人
 平成 17年度    30,660 人
 平成 20年度    32,557 人
 平成 23年度    36,246 人


図書館職員数に占める専任職員の割合

 図書館の専任の割合は減少している。

 平成 23年度

専任  12,484 人  専任の割合%:34.4 %
兼任    2,179 人
非常勤      17,719 人
指定管理者    3,864 人


(注) 1.「専任」とは常勤の職員として発令されている者であり,「兼任」とは当該施設以外の常勤の職員で兼任発令されている者であり,「非常勤」とは,非常勤の職員として発令されている者である。なお,非常勤の職員には,常勤的に勤務しているパート職員及び地方公務員法第22条による臨時職員を含む。
2.岩手県、宮城県及び福島県の数値を含んでいる。


職員数に占める専任職員の割合

図書館の専任の割合は減少している。

【区分】     【図書館】

 平成 2年度    80.2 %
 平成 5年度    74.7 %
 平成 8年度    71.4 %
 平成 11年度    64.9 %
 平成 14年度    59.7 %
 平成 17年度     49.8 %
 平成 20年度    43.8 %
 平成 23年度    34.4 %


※文部科学省 社会教育調査の資料から作成。
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