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[ 出版業界について ]

キンドル(Kindle)ストア 出版社別 売上ランキング 寄稿:冬狐洞隆也氏

アマゾンジャパンの 「電子書籍」出版社別 年間売上ベスト30 (2012年)を紹介したい。
 

順位
出版社名
1位
集英社
2位
講談社
3位
角川グループ
4位
小学館
5位
文藝春秋
6位
早川書房
7位
新潮社
8位
PHP 研究所
9位
スクウェア・エニックス
10位
NHK 出版
11位
ダイヤモンド社
12位
朝日新聞出版
13位
インプレス
14位
東洋経済新報社
15位
光文社
16位
幻冬舎
17位
双葉社
18位
扶桑社
19位
竹書房
20位
サンマーク出版
21位
プレジデント社
22位
ゴマブックス
23位
すばる舎
24位
東京創元社
25位
阪急コミュニケーションズ
26位
フランス書院
27位
ソフトバンク クリエイティブ
28位
翔泳社
29位
学研マーケティング
30位
新書館

※集計期間 2012年10月25日(※Kindleストア開始日)~2012年12月31日
※角川グループパブリッシングは、角川書店・アスキーメディアワークス・エンターブレイン・角川学芸出版・角川マガジンズ・中経出版・新人物往来社・富士見書房・メディアファクトリー・ブックウォーカーを含む
※出版業界の新聞 「新文化」 のウェブサイトより作成
「新文化」のサイトはこちらから


紙の本のランキング上位 30社と違う出版社が出現している

昨年 10月 25日にスタートしたアマゾンジャパンのキンドルストア 12月 31日までの 65日間の売上順位である。売上金額は不明だが納得する売上ではないと思われる。30社を見ると紙の本の上位 30社と違う出版社が出現しているのが見える。今後、本格的に紙の本の上位出版社が参入してくると見るが、当分の間電子書籍で単独の利益は出ないだろう。


1年後もこの順位とは思わないが、電子書籍専用端末機ではなくアイフォーン・タブレットが主流となっているので電子書籍よりも他のアプリケーション使用時間の方が多くなり、電子書籍への時間配分は業界が考えているほど多くはないのではないだろうか。


「電子書籍」と「紙の本」の使い分け方

キンドルを保有している消費者の意見として、どうでもいいコンテンツは電子書籍で手元に置き、保存したいものは紙の本でと棲み分けを考えている様である。アメリカのライフスタイルと日本のライフスタイルが根本的に違うのでアメリカの電子書籍の様には行かないと考えている。


出版社を経由せずに著者がダイレクトに『キンドルダイレクト・パブリッシング』のキンドルストアで独占販売をすると著者の取り分は70%になるようだ。但し、著者がダイレクトに出しているコンテンツは玉石混合で一部のコンテンツしか売れていない。やはり、優秀な編集者を経由しないと著者だけではコンテンツは読まれていないようだ。


アップルが 2013年 3月 6日(水曜日)より iブックストアで日本語の電子書店を開いた。アップルのipadは日本国内タブレット市場で約 6割の市場を持っており、電子書籍の利用者が獲得できると言う。しかし、タブレットのアプリは多岐にわたり、電子書籍のアプリは其の内のひとつであり期待するほどアクセスは無いと見ている。


20代~60代男女 1,000人のアンケート調査結果では電子書籍に関して 73.5%が買ったこともないし、今後も買いたいと思わないと回答している。電子書籍業界はこの回答をどのように考えるのか。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏