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“売れる本”と“売れない本”の差が大きくなっている理由

ここ数年、売れる本と売れない本をみていて感じることは、売れる本はどんどん売れていきます。話題が話題を呼んで買っていく読者がますます増えているようです。一方、売れない本はますます売れなくなるということ。どうしてその差が大きなってきたのでしょうか。書籍『書肆紅屋の本 2007年8月~2009年12月』(空想書店書肆紅屋 著、論創社)に、その理由が書かれています。ご紹介したいと思います。
 

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売れる本と売れない本の差が大きなってきたようには感じるが、それは売れている本を話題になっているから買うという層が確実に増えてきているわけで、なにを読んでいいかわからない人にとっては、売れていることが基準のひとつになっているのではないだろうか。


●書籍『書肆紅屋の本 2007年8月~2009年12月』より
空想書店書肆紅屋 著
論創社 (2010年7月初版)
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言い変えれば、社会的証明の原理です。つまり、他人の行動を指針としていることがひも解けます。特に、新刊が毎年7万冊以上も出ているので、“売れている”という指針から購入に至っているようです。


また、ランキング重視の読者について、こうも紹介されています。


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ランキング重視が変わらないのなら、逆にランキングを利用して読者を発掘するために(中略)オリコンの書籍ランキングも紹介。ランキングを作成するのあたり、独自に読者調査をおこなったところ、ランキングを求める読者は、年に一~三冊くらいしか買わない層であることがわかった(中略)


ランキングを入口にしてほかの本を手に取るような環境をつくっていく必要が書店や出版業界全体に求められている


●書籍『書肆紅屋の本 2007年8月~2009年12月』より
空想書店書肆紅屋 著
論創社 (2010年7月初版)

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