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[ 出版業界について ]

出版社 売上順位別・占有比 2015年度  寄稿:冬狐洞 隆也 氏

出版取次大手の日販の営業推進部が、2015年度の出版社 売上順位別・占有比を公開した。どのようになったのか、紹介したい。
 

売上順位
売上額
(百万円)
前年比
占有比
1社平均売上額
(百万円)
1位~5位
484,459
17.5 %
27.0 %
96,892
6位~50位
445,389
▲18.6 %
24.9 %
8,908
51位~100位
238,192
▲5.6 %
13.3 %
4,764
101位~150位
148,962
▲1.9 %
8.3 %
2,980
151位~200位
88,676
▲6.8 %
5.0 %
1,774
201位~250位
62,971
▲5.4 %
3.5 %
1,259
251位~300位
47,996
▲5.1 %
2.7 %
959
301位~350位
38,383
▲6.7 %
2.1 %
768
351位~400位
32,006
▲7.9 %
1.8 %
640
401位~450位
27,635
▲5.2 %
1.5 %
553
451位~500位
23,540
▲7.5 %
1.3 %
471
   ※日販・営業推進部


出版社の上位 300社で出版市場の 84.7%の占有

出版社 3489社合計の年間販売額は 1,792,265百万円。前年比▲4.1%となった。上位 5社は前年比をクリアしたが残りは全てのクラスでマイナスとなっている。生産年齢人口減少・少子化・団塊の世界の読書離れ、この傾向は今後も続くと見ている。電子書籍も例外ではないと見る。出版社の販売額は出版物だけではない。約 4割が他の売上である。中には出版物の売上しか計上しない出版社もあろう。


出版社上位 300社で市場の 84.7%の占有。上位 500社で 91.4%の占有がある。500社合計売上 1,638,209百万となる。451位~500位で年間売上が 1社平均 4億7千百万。最近取次の輸送コストとシステムコストが採算合わないと問題となっているが出版社上位 500社で 91.4%の占有であれば取次は 500社だけ扱えばコストは下がり、返品のコストも下がる。何でもかんでも囲い込むのは逆にコストが上がるだけと思うが。

後は通信販売でもなんでも出版社が独自に販売すればよい。但し、通信販売で売れなければ書店店頭でも売れないのは過去の実績を見るとわかる。返品が来るのが分かっていても仕方なく出版する本と、儲けてやると出版する本の違いは素人が見てもわかる。


書店の店頭が返品整理で大変なのは出版社も分かっているはず。新刊の即日返品を眼のあたりにすると何がダメなのが分かると思うが、中にはタイムスケジュール通りに売買に関係なく発売してくる出版社もある。来年は全国の書店が1万店舗を切ると予想されているが、書店も生活があるから出版物中心の扱いはしなくなると見る。

 
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏