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[ 出版業界について ]

本の奥付に書かれている「発行所」と「発行元」の違いとは

本の裏を見ると出版社名に「発行所」と「発行元」と2つの表記がされていることがあります。


   発行元 : ○○出版社
   発売所 : □□□社


この違いは、出版取次との契約がない「発行元」である出版社が、全国の書店に本を置いてもらうために、取次との契約がある「発売元」に委託しているケースです。


簡単に言うと、全国の書店に流通させるために、問屋(取次)との契約のない「出版社」が、契約のある「出版社」に本の委託をするといった形です。“口座貸し”や出版物の“販売提携”と言われる手法です。


基本的に、出版業界は委託制度という販売形式で、取次と呼ばれる問屋を通すことが多いです。ただ、そのためには出版社は取次会社との契約が必要となります。


昨今、取次では新しい出版社との契約(口座開設)をしていない状況です。そこで、すでに取次会社との口座を開設している出版社に、手数料を払って販売を委託し、全国書店に流通させることができるのが「発行所」と「発行元」の方法なのです。


取次との契約がない出版社は、自らで各書店と契約しなくてはいけません。この場合、全国書店への流通面やお金のやり取りが個別に発生し、小さい出版社の場合、運営面で大幅なコストアップになります。
 

発売委託先(口座貸し)をやっている主な出版社は、以下ウェブサイトでご確認できます。
出版物の発売委託先 一覧(口座貸し)